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猫・子猫の目やにの原因は?症状別の対処法や目薬を差すコツを獣医師が紹介

公開日:2021.10.08 最終更新日:2023.04.27

猫ちゃんも人と同じように、目やにが出ることがあります。
少量で簡単に拭き取れる程度であれば問題ありませんが、毎日たくさんの目やにが出続けていたり、目が開かないほど固まってしまっていたりするような場合は、何か異常が起きているのかもしれません。
目が傷ついている時だけではなく、感染症や鼻炎といった病気で目やにが出ている可能性もあるので、適切に対処できるようにしておきましょう。

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猫の目やにの原因は?

猫の目やにの原因は?

目やにとは、目から分泌される老廃物や目に付いたほこりなどが混ざってできた分泌物です。

つまり、目から不要な成分や汚れを取り除くために目やにが出るんですね。

 

起きた時に少量の目やにが出ているだけであれば、生理現象としての目やにであると考えられます。

また、ペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチック・ショートヘアなどの鼻の低い猫種は、鼻涙管(びるいかん)という鼻へ繋がる涙の通り道が詰まりやすいため、涙が鼻の方へ流れることができずに目からあふれ出してしまうことで目やにが増える傾向があります。

 

一方、異常な目やにの原因となるのは、ウイルスや細菌の感染による結膜炎や角膜炎、目の外傷などが考えられます。

 

猫の正常な目やに(生理現象)と異常な目やにの見分け方は?

乳白色~赤茶色でやや乾燥しており、1日に数回拭き取る程度の量の目やにであれば、正常なものと考えられます。

しかし、黄色や緑色でねばねばした目やにが大量に出ている場合は、異常な目やにの可能性があります。

「いつもの目やにと違うかも」と感じたら、目やにの他にも、目が充血していないか、涙の量が多くないか、目を気にしたり瞬きが多くなったりしていないかなどを確認してみましょう。

 

猫の目やにの原因として考えられる病気とその症状

猫の目やにの原因として考えられる病気とその症状

目やにの原因となるのは、軽い目の傷から全身の感染症まで様々です。

目やにだけで判断するのは難しいので、他の症状とも合わせて、原因となる病気をみていきましょう。

 

猫風邪(上部気道感染症)

猫ちゃんの目やにの原因として一番に挙げられるのが、「猫風邪」です。

猫風邪とは、ヘルペスウイルスやカリシウイルスによる感染症の通称で、人間の風邪のような症状を引き起こすことからそう呼ばれています。

 

目の症状は両目に出ることが多く、結膜炎に伴う充血や目やに、流涙などがみられます。

他にもくしゃみや鼻水などの風邪症状や、カリシウイルス感染症では口内炎ができることもあります。

ヘルペスウイルスとカリシウイルスは感染力が強く、同時に感染してしまうこともあります。

 

特に子猫では、混合ワクチンを受けてしっかり予防をすることが大切です。

 

角膜炎

角膜とは目の表面を覆っている透明の膜で、この部分に炎症が起こるのが角膜炎です。

ケンカや何かにぶつかった時などに傷ができてしまったり、異物が目に入った時に自分で目を引っかいてしまったりすることで起こります。

 

また、ウイルスや細菌感染が原因で角膜炎が起こることもあります。

角膜炎は痛みを伴うこともあり、目をしょぼしょぼさせたり、眩しそうにする仕草がみられます。

放っておくと角膜に穴が開いてしまったり、最悪の場合は視力に影響が出ることもあるので、早めに治療してあげる必要があります。

 

結膜炎

結膜とは瞼の裏側の粘膜で、この部分に炎症が起こるのが結膜炎です。

結膜炎の原因となるのは、ウイルスや細菌による感染症、目の傷やアレルギー、異物による刺激など様々です。

軽度の結膜炎では、白目の充血、目やにや涙の量が多くなる、かゆみや痛みから目を気にするといった症状がみられます。

炎症が重度になると、瞼が腫れあがって目が開かなくなってしまうこともあります。

 

鼻炎

鼻炎とは、鼻の粘膜に炎症が起こることです。

鼻は空気の通り道であるため、ウイルスや細菌、花粉やハウスダストといった外部の刺激が、炎症を引き起こす原因となります。

 

また、鼻と目は鼻涙管という管でつながっているため、鼻炎によって目にも症状が出ることがあります。

通常であれば、涙はこの鼻涙管を通って鼻の方に流れていきますが、鼻の粘膜に炎症が起きて鼻涙管の流れが悪くなると、涙が鼻の方へ流れることができずに目からあふれ出し、目やにが増える原因となってしまいます。

 

猫クラミジア

猫クラミジアは主に結膜炎を引き起こす細菌で、免疫力の低い子猫での感染が多くみられます。

はじめのうちは片目だけに症状が出て、次第に両目に広がっていくことが多いです。

 

目の症状としては充血や腫れがみられ、黄色っぽい粘り気のある目やにが出たり、痛みが出ることもあります。

ひどくなると目やにが固まったり瞼が腫れあがって、目が開かなくなってしまうこともあるので、そうなる前に対処してあげたいですね。

 

目の症状の他には、鼻水やくしゃみ、咳などがみられます。

猫クラミジアにはワクチンもあるので、他の感染症とあわせて予防を検討しましょう。

 

アレルギー

猫ちゃんも人と同じように、花粉やハウスダスト、ノミ、食物などに対してアレルギーを持っている場合があります。

食物アレルギーであれば消化器症状や皮膚症状が中心となりますが、花粉やハウスダストに対するアレルギーでは皮膚症状だけでなく、鼻炎や結膜炎を引き起こす可能性があります。

 

アレルギーが原因で起こる結膜炎は涙や目やにが増えることが多く、かゆみを伴う場合は目をひっかくことで炎症がさらに強くなってしまうので、薬でかゆみを抑えたり、エリザベスカラーを付けるなどの対策が必要になります。

 

子猫と成猫で目やにがでる原因は異なる?

子猫と成猫で目やにがでる原因は異なる

子猫のうちはまだ免疫力が十分に備わっていないので、ヘルペスウイルスやカリシウイルス、クラミジアなどの感染による結膜炎が、主な目やにの原因となります。

また成猫であっても、保護猫など外で生活していた猫ちゃんの場合は、感染症を持っている可能性が高くなります。

他にも、ケンカによる外傷や、遊んでいる間におもちゃや壁にぶつかってしまうといった事故はどんな猫ちゃんにも起こり得るので、注意が必要です。

 

目やにが出てしまったらどう対処すべき?症状別の対処法を紹介

症状別の対処法

少量の生理的な目やにであればおうちでケアしてあげることもできますが、様子をみすぎて病気を悪化させてしまわないよう、注意すべき症状をみていきましょう。

 

目やにと一緒に目が充血している

充血は、目に分布している血管の血流が増えたり、白目の部分に出血が起こることで生じます。

充血の主な原因となるのは、結膜炎や角膜炎、異物による目への刺激、外傷などです。

 

また、眼圧が上がってしまう緑内障のような病気でも、目の血管でうっ血が起こって充血がみられることがあります。

目やにや充血が続く場合は、悪化させてしまう前に動物病院に相談しましょう。

 

結膜炎や角膜炎の原因となる感染症は他の猫ちゃんにうつってしまうこともあるので、同居の猫ちゃんがいるようであれば接触させないようにしましょう。

 

涙、目やにともに大量に出ている

充血と同じく、結膜炎や角膜炎、異物による目への刺激などで涙が増える場合があります。

また鼻の低い短頭種といわれる猫種では、涙や目やにが出やすい傾向があります。

 

涙で目の周りが濡れた状態を放っておくと、毛が赤茶色に変色する「涙やけ」を起こしたり、細菌が感染しやすくなって皮膚炎を引き起こしてしまうこともあります。

涙が出やすい子は、おうちでケアできる程度であればコットンやガーゼでこまめに拭き取ってあげましょう。

 

目やにに色がついている

正常な目やには乳白色~赤茶色でやや乾燥していますが、黄色や緑色の粘り気のある目やにが出ている場合は、細菌の感染が原因となっているかもしれません。

細菌は外傷から侵入したり、ウイルス感染で免疫力が落ちている時に同時に感染することが多いです。

普段の目やにとは色や粘度が違うなと感じた場合は、動物病院に相談するようにしましょう。

 

目やにに血液が混ざっている

目やにに血液が混ざっている場合は、どこかに傷があって出血しているのかもしれません。

眼球が傷ついている場合は視力にも関わってくるので、早めの対処が必要となります。

また、異物が入って目が気になっていたり、目の周りに皮膚炎が起こっていてかゆみがある場合も、自分で目をひっかいて傷ができる要因となってしまいます。

 

傷が確認できたり、かゆがっている仕草がみられる場合は、それ以上悪化させないようにエリザベスカラーなどを付けて手足が届かないようにし、動物病院に連れて行きましょう。

 

目やにがゼリー状になっている

通常であれば目やにはやや乾燥していますが、ふやけてゼリー状になっているようであれば、涙などの水分が多く混ざっている可能性があります。

涙は目に傷がついている時や異物が入った時、炎症が起きている時の他にも、鼻の短い猫で多くなることがあります。

他に何も症状がなく、拭き取ってあげられる程度の量であれば、おうちで定期的にケアしてあげましょう。

 

目やにが邪魔をして目が開きづらくなっている

まだ自分で上手にグルーミングができない子猫や、グルーミングが億劫になってしまうシニアの猫ちゃんでは、目が開きにくくなるほど目やにが固まってしまうことがあります。

おうちでケアをさせてくれる子であれば、コットンやガーゼを人肌のぬるま湯で湿らせて、固まった目やにをふやかしてから優しく拭きとってあげましょう。

 

しかし、1日に何度も目やにを拭いてあげないと固まってしまうという場合は、何か異常があって目やにが増えているのかもしれないので、動物病院に相談しましょう。

 

目やにがずっと出ている

量は多くなくてもずっと目やにが出ている場合は、グルーミングができなくなっていたり、短頭種など元々目やにが出やすい体質なのかもしれません。

目やにの色や量が正常で他に何も症状がなければ、おうちで定期的に拭き取ってケアをしてあげましょう。

 

片目だけ目やにが出続けている

目やにが片目だけ出ている場合は、外傷で目が傷ついていたり、異物が入って刺激となっている可能性があります。

外に出る猫ちゃんや、多頭で相性が良くない子がいる猫ちゃんなどは、ケンカによるひっかき傷にも注意が必要です。

 

目の傷は放っておくと悪化してしまう可能性もあるので、早めに適切な治療をしてもらいましょう。

また、ウイルスや細菌感染でも、はじめのうちは片目から症状がでることがあります。

 

目やにが出ていて、くしゃみや咳もしている

目やにだけではなく、くしゃみや咳など風邪のような症状がみられる場合には、猫風邪の可能性があります。

猫風邪は主にヘルペスウイルスやカリシウイルスといったウイルスの感染で起こり、さらにクラミジアなどの細菌が同時に感染すると重症化してしまうこともあります。

ワクチンをしっかり受けて、少しでも感染症のリスクを下げられるようにしましょう。

 

「おかしいな」と思ったら迷わず動物病院へ

目やにの量が多いときの対処法

普段と比べて目やにの量が多い、色が違う、ねばねばしたりドロッとしているなどの異常を感じたら、早めに動物病院に相談するようにしましょう。

目の傷は悪化させてしまうと視力に影響することもありますし、猫風邪などの感染症も様々な症状が出て、猫ちゃんも苦しい思いをしてしまいます。

重症化する前に治療して、猫ちゃんの負担を少しでも減らせるようにしましょう。

 

自宅でできる猫の目やに対策

自宅でできる猫の目やに対策

おうちでケアできる目やにであれば、定期的に拭き取ってあげましょう。

特に自分でグルーミングが十分にできない子猫やシニアの猫ちゃんは、飼い主さんのお手伝いが必要になります。

目の周りを触られるのを嫌がる猫ちゃんも多いので、ストレスにならないよう、少しずつ慣れさせるようにしましょう。

触らせてくれたら大好きなおやつをあげるなど、お手入れに良いイメージを持ってもらえるようにするのがおススメです。

 

ただし、痛みがあって触られるのを嫌がっている場合もあるので、不安な場合はおうちでのお手入れをする前に、動物病院で診てもらうと良いかもしれません。

 

目やに自体をぬるま湯でふやかしてからふき取る

目やにが固まって簡単に拭き取れない場合は、コットンやガーゼを人肌くらいのぬるま湯で濡らし、少しずつ目やにをふやかしながら取り除いてあげましょう。

嫌がってしまう場合には一気に全て取ろうとせず、片目ずつ時間を空けて取るなどの工夫をしましょう。

 

エリザベスカラーの装着

目にかゆみや痛みがあって、ひっかいたり壁や床に擦りつけてしまうと、症状を悪化させてしまう可能性があります。

嫌がらない子であれば、エリザベスカラーを装着することで目への刺激を減らすことができます。

 

エリザベスカラーにも、プラスチックのものからスポンジのような柔らかいタイプのものまで色々な種類があるので、猫ちゃんが嫌がらずにつけてくれるものを探してみてください。

 

目薬をさしてあげる

おうちでの目薬はなかなか難易度が高いですが、点眼の度に動物病院に行くのも大変なので、目薬を処方された際には頑張ってチャレンジしてみましょう。

 

①目薬の準備

目薬の種類によっては冷暗所で保管するものもありますが、冷たい液体が突然目に入ってくると猫ちゃんもビックリしてしまいます。

点眼の前には目薬を手で握って、少し温めてあげましょう。

 

②猫ちゃんを動かないようにおさえる

1人で目薬をさす場合は、バスタオルを使うのがおススメです。

バスタオルで猫ちゃんの体を包んで顔だけ出して、後ろから抱きかかえます。

片手で顎をおさえながら、お顔を少し上に向けて支えましょう。

 

③目薬を素早くさす

可能であれば瞼を少し引っ張って目を開きつつ、素早く目薬をさしましょう。

上手にできたら、おやつをあげたりおもちゃで遊んだり、猫ちゃんの喜ぶことをして褒めてあげましょう。

 

まとめ

まとめ

猫ちゃんの目やにの裏には色々な病気が潜んでいることが分かっていただけたかと思います。

まずはしっかりできる予防をすること、そして定期的に目の周りのケアをしてあげることで、異常にはすぐに気付けるようにしておきましょう。

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