うちハピ小動物(エキゾチックアニマル)図鑑-チンチラ編-

この図鑑では、小動物の特徴や習性、
うちの子がHAPPYに暮らすために
必要なことを、獣医師がお伝えします!

うちハピ小動物(エキゾチックアニマル)図鑑チンチラ編
その1

チンチラってこんな動物

やわらかい毛並みや小さな手を器用に使う仕草など、
魅力がいっぱいのチンチラ。寿命は約10年~15年で、
小動物の中でも、特に長く生きられるのがポイントです。

基本的には夜行性ですが、飼い主さんの生活リズムにあわせて
日中に活動するようになることもあります。

チンチラの気持ち

楽しいよ!

楽しいよ

ポップコーンのように
垂直にジャンプする

落ち着こう!

落ち着こう

ヒゲの
お手入れをする

警戒しているよ!

警戒しているよ

丸まって歩く

嫌だよ!

嫌だよ

ギャッギャッと
鳴く

甘えたいよ!

甘えたいよ

小さい声で
キュッキュッと鳴く

チンチラとの触れ合い方

衝撃が加わったときや天敵に襲われたときに毛を抜いて逃げる習性が
あるので、驚かせないように優しく接するようにしましょう。

名前を呼んだり、手からごはんをあげたりして、
徐々に慣らしていきましょう。

正しい抱っこの仕方

  1. 声をかけながら正面から手を差し出します。
  2. 両手をチンチラの脇腹に添えるようにして
    体をすくいあげます。
  3. 片手で胸元を、片手で後ろ足を支え、
    チンチラの体を自分の体と密着させます。
    慣れるまでは正座して練習して、
    抱いたまま立ち上がらないようにしましょう。
チンチラの正しい抱っこの仕方
その3

チンチラのごはん

主食

牧草

牧草

(主にイネ科のチモシー)

一日給餌量の目安

少なくとも30g~40g(1か月で1kg程度)

ごはんの総量の70%~80%程度

ペレット

ペレット

(牧草では足りない栄養を補給)

一日給餌量の目安

10g~15g程度

ごはんの総量の10%~20%程度

木の実やフルーツが混ざっているペレットも
ありますが、
選り好みして食べることで
栄養不足や肥満になってしまうことがあるので
避けましょう。

一日給餌量はあくまで目安となります。
与える際にはそれぞれのフードのパッケージに記載されている給餌量やチンチラの体格などを参考にして調整してください。

副食

・乾燥野菜やハーブ
・ドライフルーツ

乾燥野菜やハーブ、ドライフルーツ

砂糖などでコーティングされていないものを選びましょう。

与えてはいけない食べ物

獣医師さん

観葉植物や人の食べ物は中毒を起こしたり、栄養バランスが崩れたりしてしまうことがあるので、口に入らないようにしましょう。

特に注意!

ネギ類やニンニク、アボカド、チョコなど

その4

チンチラのおうち

お部屋の環境

適正温度

野生のチンチラは標高の高い場所に生息しており、高温多湿が苦手です。過ごしやすい温度は10℃~20℃くらいで、湿度は40%以下が理想です。

部屋んぽ

毎日30分~60分くらいは部屋んぽで運動の時間を設けてあげましょう。チンチラは好奇心旺盛でなんでも持って行ったりかじったりしてしまうので、危険なものはしまっておきましょう。

ジャンプも得意なので、脱走や高所からの落下には注意が必要です。回し車やトンネルで遊ぶ子もいるので、様子をみて用意してあげましょう。

その5

よくある病気・ケガ

チンチラは草食動物なので、常に食べものを食べる必要があります。
そのため、消化管や歯などの病気が多いです。

概要

ストレスや歯の異常による食欲の低下、不適切な食餌などが原因で、消化管の動きが悪くなる病気です。さらに食欲がなくなったり、うんちが小さくなったりします。

予防法

  • 牧草などの繊維質を十分に与えましょう。
  • ストレスをかけないようにしましょう。
  • 適度な運動をさせましょう。

概要

歯の咬み合わせがずれてしまい、ごはんを食べるときにすり減っていくはずの歯がどんどん伸びてしまう病気です。ごはんがうまく食べられなくなったり、伸びた歯が頬や舌を刺激して炎症を引き起こしたりします。

予防法

  • 噛む回数を増やせるように牧草を十分に食べさせましょう。
  • ケージをかじらせないようにしましょう。
  • 定期的な健康診断でお口の中をチェックしてもらいましょう。

概要

部屋んぽのときに高いところから飛び降りたり、飼い主さんが踏みつけてしまったりすることで骨折が起こります。

予防法

  • 部屋んぽの際は目を離さず、チンチラの動きに注意を払いましょう。
  • ケージのステップやロフトは落下の危険がないように配置しましょう。
  • 正しい方法で抱っこをしましょう。

概要

カビの一種である皮膚糸状菌が感染することで起こります。若齢時、ストレス環境下、免疫力が低下したときなどに症状が出やすいです。主に顔周りや足先に、脱毛やフケ、赤みがみられます。

予防法

  • ストレスのない飼育環境を整えましょう。
  • ケージを常に清潔に保ちましょう 。

概要

チンチラは高温多湿が苦手です。熱中症になると、よだれが出る、呼吸が速くなる、チアノーゼを起こすなどの症状がみられます。体温の高い状態が続くと命に関わるので、予防がとても大切です。

予防法

  • 温度・湿度管理を徹底しましょう。
  • ケージは風通しの良い場所に置きましょう。
  • キャリーなどで移動させるときには中の温度に注意しましょう。

チンチラは症状が出ていても分かりづらいことが多いので、少しでも異変を感じたら動物病院へ相談しましょう。

監修エキゾチック動物専門の獣医師

三輪 恭嗣先生

三輪 恭嗣先生

日本エキゾチック動物医療センター院長
東大附属動物医療センター エキゾチック動物診療責任者
日本獣医エキゾチック動物学会会長
宮崎大学農学部獣医臨床教授

大学で教鞭をとりつつ、エキゾチック診療に従事。

日本エキゾチック動物医療センター
みわエキゾチック動物病院

https://miwaah.com/

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