うちハピ小動物(エキゾチックアニマル)図鑑インコ・オウム編

この図鑑では、小動物の特徴や習性、
うちの子がHAPPYに暮らすために
必要なことを、獣医師がお伝えします!

うちハピ小動物(エキゾチックアニマル)図鑑インコ・オウム編
その1

インコ・オウムってこんな動物

セキセイインコ、オカメインコなどはオウム目に分類され、
手に乗れるくらい比較的からだが小さい鳥です。

バリエーション豊富な容姿と豊かな感情表現が魅力で、
ものまねをしたり、おしゃべりをしたりと楽しくコミュニケーションを
取ることができます。

インコ・オウムの気持ち

遊んでほしいよ!

遊んでほしいよ

頭を上下にブンブン振る、
大きい声でピーピー鳴く

甘えたいな!

甘えたいな

からだをすり付ける、
甘噛みする

怒っているんだ!

怒っているんだ

低い声で短く
ギャッと鳴く

びっくりしたよ!

びっくりしたよ

羽毛を
逆立てる

あの子に魅力的に見てほしい!

あの子に魅力的に見てほしい

吐き戻し(オス)、
巣作りや攻撃的になる(メス)

インコ・オウムとの触れ合い方

野生ではつがいや群れで暮らす種が多く、寂しがりやの子が多いです。

一方で、無理やりつかんだりするとパニックを起こしたり、
ストレスで羽を引き抜いたりしてしまうことも。

普段から優しく、積極的にスキンシップを取るようにしましょう。

手乗りになってもらう方法

若齢であれば、手にエサを置き、手から食べてもらうことを繰り返すと、自然と手乗りになってくれます。成鳥ではかなりの時間がかかり、中には手に乗ってくれない子もいます。
手が怖くないものとわかってもらうために、すこしずつ根気強くコミュニケーションを図っていきましょう。

インコ・オウムの正しい抱っこの仕方
その3

インコ・オウムのごはん

主食

シード(アワ、ヒエ、えん麦など)
またはペレット

シード(アワ、ヒエ、えん麦など)またはペレット

一日給餌量の目安

毎日なくならないように補充する

シードは皮付きのものが栄養価が高くおすすめですが、
餌箱に残った皮でまだエサが入っていると飼い主さんが勘違いしやすいため、
毎日皮を吹いて残量を確認することが大切です。

シードのみでは栄養が偏るので、
副食やサプリメントでビタミンやミネラルを補給してあげることがおすすめです。

一日給餌量はあくまで目安となります。
与える際にはそれぞれのフードのパッケージに記載されている給餌量やインコ・オウムの体格などを参考にして調整してください。

副食

種実類

種実類

ひまわりの種、麻の実、菜種など

野菜

野菜

小松菜やチンゲン菜など

鉱物飼料

鉱物飼料

ボレー粉(牡蠣の殻)、
カットルボーンなど

副食は与えすぎると肥満や病気の要因にもなるため、少量ずつ与えましょう。
種実類や野菜はごはんの総量の10~25%程度に抑えましょう。

与えてはいけない食べ物

獣医師さん

観葉植物や人の食べ物は中毒を起こしたり、栄養バランスが崩れたりしてしまうことがあるので、口に入らないようにしましょう。

特に注意!

ネギ類やニンニク、アボカド、チョコ、
乳製品など

その4

インコ・オウムのおうち

お部屋の環境

適正温度

インコ・オウムは温帯や熱帯の鳥のため寒さに弱く、寒すぎると亡くなってしまうこともあります。
一方で暑すぎても熱中症をおこしてしまうため、温度は25℃~30℃の間を保つようにしましょう。

放鳥

放鳥のときは脱走防止のため、玄関や窓を必ず施錠しましょう。扉や家具に挟まれる、いることに気付かず踏みつける、透明なガラスにぶつかる、カーテンに爪が絡まるなどの事故にも注意が必要です。
お部屋の中にはスタンド型の止まり木を置いてあげましょう。

その5

よくある病気・ケガ

インコやオウムはストレスによってからだに
不調をきたしたり、
与えるエサの栄養バランスの悪さによって
栄養性の病気にかかることが多くあります。
食べすぎによる肥満や生殖器の病気に
なることも多いです。

概要

マクロラブダスという菌による感染性の胃炎で、寒さやストレスがきっかけになることがあります。食欲の低下、嘔吐や下痢、体重が減少するなどの症状を引きおこします。

予防法

  • 飼育環境が衛生的か、温度が適温かなどを見直して、ストレスを減らしましょう。
  • コミュニケーションが足りなければ、ふれあいを増やして不安を減らしましょう。
  • お迎え後、動物病院でマクロラブダスがいないことを確認し、いる場合は適切に治療しましょう。

概要

栄養バランスの偏ったエサによりビタミンが不足し、感染症にかかりやすくなる、背骨や脚が曲がる、メスでは産卵数が減るなど、さまざまな症状を引きおこします。

予防法

  • シードに加えて野菜やビタミン剤を与えましょう。
  • 元気や食欲、行動に変化がないか、普段から様子を観察しましょう。

概要

3歳以下の子で起こりやすい感染症です。羽が抜ける、くちばしの形が変形する、食欲が落ち、嘔吐や下痢をするなどの症状が見られ、亡くなることもある恐ろしい病気です。

予防法

  • 複数のインコ・オウムを同じケージで飼育しているときは、発症した子としていない子をそれぞれ別のケージに隔離し、他のケージにいた子とは接触を避けましょう。ケージやおもちゃなどは消毒をしましょう。
  • 体調の変化にすぐ気づけるように普段から様子をチェックしておきましょう。

概要

鳥の骨は飛ぶために軽くなっているため、比較的軽い衝撃でも簡単に骨折してしまいます。

予防法

  • 放鳥するときは、ドアをしっかり閉じて、窓ガラスにはカーテンを引くなどし、ケージに戻すまで目を離さないようにしましょう。
  • ケージの中でも大きな音や光など強い刺激によってパニックを起こして骨折することがあるので、ケージの置き場を工夫しましょう。

概要

メスにみられ、卵管に卵黄や卵白といった卵の材料が溜まってしまう病気です。お腹が膨らみ、重症化すると食欲低下やぐったりする、呼吸が荒くなるなどの症状がでることがあります。

予防法

  • お腹にいつもと違う膨らみがないかチェックしましょう。
  • 鉱物飼料や野菜を適量与えて、カルシウムやビタミンを補いましょう。

概要

銅や鉛や真鍮(黄銅)などの金属を口にすることで起こる中毒です。嘔吐や下痢、便の色が濃い緑色に変わる、動き方の異常やけいれんなどの症状がでることがあります。

予防法

  • 放鳥の際は、これらの金属を含む家具やインテリアを口にしないよう注意しましょう。
  • ケージをかじる子の場合は、ケージの素材や塗料を確認し、サビが出ていないか定期的にチェックしましょう。

インコ・オウムは症状が出ていても分かりづらいことが多いので、少しでも異変を感じたら動物病院へ相談しましょう。

監修エキゾチック動物専門の獣医師

三輪 恭嗣先生

三輪 恭嗣先生

日本エキゾチック動物医療センター院長
東大附属動物医療センター エキゾチック動物診療責任者
日本獣医エキゾチック動物学会会長
宮崎大学農学部獣医臨床教授

大学で教鞭をとりつつ、エキゾチック診療に従事。

日本エキゾチック動物医療センター
みわエキゾチック動物病院

https://miwaah.com/

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