体温は常に40℃程度と高く、エサを食べてエネルギーを生み出すことで維持しています。寒いときは体全体の羽毛を膨らませてじっとしていることが多く、その行動が見られたらすぐにエサが少なすぎないかチェックし、温度調整を行いましょう。
体調が悪いこともあるので注意して観察しましょう。
この図鑑では、小動物の特徴や習性、
うちの子がHAPPYに暮らすために
必要なことを、獣医師がお伝えします!
セキセイインコ、オカメインコなどはオウム目に分類され、
手に乗れるくらい比較的からだが小さい鳥です。
バリエーション豊富な容姿と豊かな感情表現が魅力で、
ものまねをしたり、おしゃべりをしたりと楽しくコミュニケーションを
取ることができます。
遊んでほしいよ!
頭を上下にブンブン振る、
大きい声でピーピー鳴く
甘えたいな!
からだをすり付ける、
甘噛みする
怒っているんだ!
低い声で短く
ギャッと鳴く
びっくりしたよ!
羽毛を
逆立てる
あの子に魅力的に見てほしい!
吐き戻し(オス)、
巣作りや攻撃的になる(メス)
野生ではつがいや群れで暮らす種が多く、寂しがりやの子が多いです。
一方で、無理やりつかんだりするとパニックを起こしたり、
ストレスで羽を引き抜いたりしてしまうことも。
普段から優しく、積極的にスキンシップを取るようにしましょう。
手乗りになってもらう方法
若齢であれば、手にエサを置き、手から食べてもらうことを繰り返すと、自然と手乗りになってくれます。成鳥ではかなりの時間がかかり、中には手に乗ってくれない子もいます。
手が怖くないものとわかってもらうために、すこしずつ根気強くコミュニケーションを図っていきましょう。
一日給餌量の目安
毎日なくならないように補充する
シードは皮付きのものが栄養価が高くおすすめですが、
餌箱に残った皮でまだエサが入っていると飼い主さんが勘違いしやすいため、
毎日皮を吹いて残量を確認することが大切です。
シードのみでは栄養が偏るので、
副食やサプリメントでビタミンやミネラルを補給してあげることがおすすめです。
※一日給餌量はあくまで目安となります。
与える際にはそれぞれのフードのパッケージに記載されている給餌量やインコ・オウムの体格などを参考にして調整してください。
ひまわりの種、麻の実、菜種など
小松菜やチンゲン菜など
ボレー粉(牡蠣の殻)、
カットルボーンなど
副食は与えすぎると肥満や病気の要因にもなるため、少量ずつ与えましょう。
種実類や野菜はごはんの総量の10~25%程度に抑えましょう。
観葉植物や人の食べ物は中毒を起こしたり、栄養バランスが崩れたりしてしまうことがあるので、口に入らないようにしましょう。
特に注意!
ネギ類やニンニク、アボカド、チョコ、
乳製品など
インコやオウムはストレスによってからだに
不調をきたしたり、
与えるエサの栄養バランスの悪さによって
栄養性の病気にかかることが多くあります。
食べすぎによる肥満や生殖器の病気に
なることも多いです。
概要
マクロラブダスという菌による感染性の胃炎で、寒さやストレスがきっかけになることがあります。食欲の低下、嘔吐や下痢、体重が減少するなどの症状を引きおこします。
予防法
概要
栄養バランスの偏ったエサによりビタミンが不足し、感染症にかかりやすくなる、背骨や脚が曲がる、メスでは産卵数が減るなど、さまざまな症状を引きおこします。
予防法
概要
3歳以下の子で起こりやすい感染症です。羽が抜ける、くちばしの形が変形する、食欲が落ち、嘔吐や下痢をするなどの症状が見られ、亡くなることもある恐ろしい病気です。
予防法
概要
鳥の骨は飛ぶために軽くなっているため、比較的軽い衝撃でも簡単に骨折してしまいます。
予防法
概要
メスにみられ、卵管に卵黄や卵白といった卵の材料が溜まってしまう病気です。お腹が膨らみ、重症化すると食欲低下やぐったりする、呼吸が荒くなるなどの症状がでることがあります。
予防法
概要
銅や鉛や真鍮(黄銅)などの金属を口にすることで起こる中毒です。嘔吐や下痢、便の色が濃い緑色に変わる、動き方の異常やけいれんなどの症状がでることがあります。
予防法
※インコ・オウムは症状が出ていても分かりづらいことが多いので、少しでも異変を感じたら動物病院へ相談しましょう。
三輪 恭嗣先生
日本エキゾチック動物医療センター院長
東大附属動物医療センター エキゾチック動物診療責任者
日本獣医エキゾチック動物学会会長
宮崎大学農学部獣医臨床教授
大学で教鞭をとりつつ、エキゾチック診療に従事。
日本エキゾチック動物医療センター
みわエキゾチック動物病院