うちハピ小動物(エキゾチックアニマル)図鑑プレーリードッグ・ジリス編

この図鑑では、小動物の特徴や習性、
うちの子がHAPPYに暮らすために
必要なことを、獣医師がお伝えします!

うちハピ小動物(エキゾチックアニマル)図鑑プレーリードッグ・ジリス編
その1

プレーリードッグ・ジリスってこんな動物

プレーリードッグとリチャードソンジリス(以下、ジリス)は昼行性で、
一生懸命おやつをおねだりする姿、無防備に眠る姿など、
一つ一つの仕草がとてもかわいらしい動物です。

プレーリードッグは社会性が高く、ジリスは比較的ひとりでいることが
好きですが、長い時間を一緒に過ごすことで絆を深めることができます。

プレーリードッグ・ジリスの気持ち

リラックスしてるよ!

リラックスしてるよ!

静かに歯を
こすり合わせる

警戒してるよ!

警戒してるよ!

尾を小刻みに
振る

怒ってるよ!

怒ってるよ!

歯を
カチカチ鳴らす

挨拶したいよ!

挨拶したいよ!

歯を見せて相手に近づき、
口と口を付ける。人に歯を見せる。
※プレーリードッグのみ

私はここにいるよ!

私はここにいるよ!

「ピヨ」と小鳥のように鳴く
※ジリスのみ

プレーリードッグ・ジリスとの触れ合い方

プレーリードッグは本来群れで暮らしているので、多頭飼育でない場合は
飼い主さんが家族になって十分にふれあいの時間をつくってあげましょう。

ジリスは基本的に単独生活を好みますが、
手からおやつをあげたりしてゆっくり馴らしていきましょう。

正しい抱っこの仕方

  1. 声をかけながら正面から手を差し出します。
  2. 片手を胸の下に入れてすくいあげるようにし、
    同時にもう片方の手でお尻を支えます。
  3. 自分の体と密着させて体を支えます。
    慣れていないうちは座って練習して、
    抱いたまま立ち上がらないようにしましょう。
プレーリードッグ・ジリスの正しい抱っこの仕方
その3

プレーリードッグ・ジリスのごはん

主食

牧草

牧草

(主にイネ科のチモシー)

一日給餌量の目安

常になくならないように補充する

ペレット

ペレット

(牧草では足りない栄養を補給)

一日給餌量の目安

体重100g当たり3g程度

一日給餌量はあくまで目安となります。与える際にはそれぞれのフードのパッケージに記載されている給餌量やプレーリードッグ・ジリスの体格などを参考にして調整してください。

副食

野菜・果物

野菜・果物

キャベツ、小松菜、ニンジン、
リンゴ、
バナナ、イチゴなど

野草

野菜

タンポポ、オオバコ、ハコベ、
ナズナ、クローバーなど

プレーリードッグやジリスは太りやすいので、
果物類の与え過ぎには注意しましょう。

与えてはいけない食べ物

獣医師さん

観葉植物や人の食べ物は中毒を起こしたり、栄養バランスが崩れたりしてしまうことがあるので、口に入らないようにしましょう。

特に注意!

ネギ類、アボカド、チョコ、生の大豆、
バラ科の植物(サクランボ、ビワ、モモなど)の種

その4

プレーリードッグ・ジリスのおうち

お部屋の環境

適正温度

プレーリードッグやジリスは暑すぎるのも寒すぎるのも苦手です。
温度は18℃~24℃くらいが理想です。

部屋んぽ

部屋んぽのときには家具をかじったり掘ったり、思わぬ事故が起きることもあるので、サークルなどでスペースを区切って遊ばせると安心です。
野生ではトンネルを掘って暮らしているので、チューブやパイプを用意すると遊んでくれます。

その5

よくある病気・ケガ

プレーリードッグ・ジリスは草食動物なので、
常に食べものを食べる必要があります。
そのため、消化管や歯などの病気が多いです。

概要

前歯が折れたりして正常に伸びることができなくなり、歯の根元に硬いこぶのようなものができてしまう病気です。くしゃみ、鼻水、呼吸困難などの症状が出ます。

予防法

  • ケージの金網をかじらせないようにしましょう。
  • 抱っこや高所からの落下に注意しましょう。

概要

不適切な食事で腸内環境が乱れたり、ストレスで免疫力が低下したりすると、腸内の細菌や原虫が増殖して下痢を引き起こします。食べ慣れないものを食べる、環境の変化などのストレスも下痢の原因となります。

予防法

  • ストレスの少ない飼育環境を整えましょう。
  • 適切な食事を与えましょう。
  • 多頭飼育をしている場合は、症状の出ている子を隔離しましょう。

概要

特にプレーリードッグでは、代謝異常が原因で被毛がちゃんと成長しなかったり、新たな被毛ができにくくなったりして脱毛がみられます。脱毛は脇腹、大腿部、尾や手足に起こり、かゆみはないことが多いです。

予防法

温度や湿度、食事などの飼育環境を整え、ストレスがかからないようにすることで、代謝異常を予防します。

概要

目の中の水晶体という部分が白く濁り、視力が低下する病気です。加齢によって起こることが多いですが、遺伝や外傷でも起こります。

予防法

遺伝や加齢による白内障を予防するのは難しいです。しぐさや目の状態の変化に気付けるよう、日々健康チェックを行いましょう。

概要

何らかの原因で心臓の筋肉が薄くなって、収縮力が低下する病気です。全身に血液を送り出す力が弱くなって、心不全を引き起こします。動きたがらなくなったり、体重が減ったりします。

予防法

発症を予防することは難しいですが、心臓に負担をかけないよう、肥満にならないように注意しましょう。日々の健康チェックを行うことも、早期発見のために大切です。

概要

腫瘍は、何らかの原因で細胞が異常に増殖してできる塊です。体のどこにでもできる可能性はありますが、プレーリードッグでは口腔内や肝臓の腫瘍が、ジリスでは皮膚の腫瘍が多くみられます。

予防法

発症を予防することは難しいですが、適切な飼育環境を整えて免疫力を高めましょう。日々の健康チェックを行うことも、早期発見のために大切です。

プレーリードッグ・ジリスは症状が出ていても分かりづらいことが多いので、少しでも異変を感じたら動物病院へ相談しましょう。

監修エキゾチック動物専門の獣医師

三輪 恭嗣先生

三輪 恭嗣先生

日本エキゾチック動物医療センター院長
東大附属動物医療センター エキゾチック動物診療責任者
日本獣医エキゾチック動物学会会長
宮崎大学農学部獣医臨床教授

大学で教鞭をとりつつ、エキゾチック診療に従事。

日本エキゾチック動物医療センター
みわエキゾチック動物病院

https://miwaah.com/

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