フクロモモンガは夜行性で、大きくて丸い目は暗闇の中でもわずかな光でものを見ることができます。照明は薄暗いものを好みます。
この図鑑では、小動物の特徴や習性、
うちの子がHAPPYに暮らすために
必要なことを、獣医師がお伝えします!
フクロモモンガは、丸くて大きな目に長いしっぽ、
滑空するという不思議な生態など、さまざまな魅力を持っています。
とても社会性が高く、慣れるとさまざまな行動や仕草で
「遊んで」「構って」と甘えてきてくれます。
リラックスしているよ!
お腹を見せて
仰向けで寝る
嫌だよ!
後ろ足で
立ち上がって
前足を広げ、
口を開ける
私はここにいるよ!
子犬のように
「アンアン」と鳴く
落ち着こう!
体を掻いたり
舐めたりする
嬉しいよ!
「プププ・・・」と鳴く
野生では群れで暮らしているので、多頭飼育でない場合は
飼い主さんがたくさんコミュニケーションをとってあげましょう。
ポーチにフクロモモンガを入れて首から下げて
慣れさせる方法もおすすめです。
正しい抱っこの仕方
一日給餌量の目安
副食とあわせて体重の15%~20%
(体重120gで18g~24g)
フルーツなどが混ざっているペレットもありますが、選り好みして
食べることで栄養不足や肥満になってしまうことがあるので避けましょう。
※一日給餌量はあくまで目安となります。与える際にはそれぞれのフードのパッケージに記載されている給餌量やフクロモモンガの体格などを参考にして調整してください。
調理した卵黄、ミールワームやコオロギ
キャベツ、小松菜、ニンジン、
リンゴ、バナナなど
副食はペレットの主原料とバランスが取れるように選び、
一度に3~4種類ほど与えます。
副食はごはんの総量の25%程度に抑えましょう。
観葉植物や人の食べ物は中毒を起こしたり、栄養バランスが崩れたりしてしまうことがあるので、口に入らないようにしましょう。
特に注意!
ネギ類、アボカド、チョコ、生の大豆、バラ科の
植物(サクランボ、ビワ、モモなど)の種
果物、野菜、ナッツ類や種子類など
本来の主食ではないものを主食として与え続けることで
飼養管理不足によるさまざまな疾患がみられます。
概要
食事中の脂質やタンパク質の含有量、食事の量、運動不足などが原因で起こります。肥満は心臓や肝臓の病気の原因となることもあります。
予防法
概要
食事中に含まれるカルシウム、リン、ビタミンDなどのバランスが悪いことが主な原因となります。四肢の麻痺や筋肉のけいれん、骨の変形(クル病)や骨が簡単に折れやすくなるといった症状がみられます。
予防法
栄養バランスの整った食事を与えましょう。偏食の子の場合は、獣医師に相談してビタミン剤やカルシウム剤を与えることもできます。
概要
オスのフクロモモンガは、グルーミングや遊びのためにペニスを出していることがよくあります。ペニスが出たまま元に戻らなくなってしまうと、赤黒く腫れたり壊死したりしてしまうこともあります。
予防法
ペニスが出たままになっていたり、気にして舐めたりかじったりしている様子に気が付いたら、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。
概要
自分の体を舐めたりかじったりして傷つけてしまう病気です。痛みやかゆみなどの身体的要因、寂しさやストレスなどの精神的要因がきっかけとなります。
予防法
ケージは安全で快適か、コミュニケーションは足りているか、刺激のある生活ができているかなど、飼育方法を見直してストレスの少ない環境を整えましょう。
概要
不適切な食事で腸内環境が乱れたり、ストレスで免疫力が低下したりすると、腸内の細菌や原虫が増殖して下痢を引き起こします。食べ慣れないものを食べる、環境の変化などのストレスも下痢の原因となります。
予防法
※フクロモモンガは症状が出ていても分かりづらいことが多いので、少しでも異変を感じたら動物病院へ相談しましょう。
三輪 恭嗣先生
日本エキゾチック動物医療センター院長
東大附属動物医療センター エキゾチック動物診療責任者
日本獣医エキゾチック動物学会会長
宮崎大学農学部獣医臨床教授
大学で教鞭をとりつつ、エキゾチック診療に従事。
日本エキゾチック動物医療センター
みわエキゾチック動物病院