うちハピ小動物(エキゾチックアニマル)図鑑フクロモモンガ編

この図鑑では、小動物の特徴や習性、
うちの子がHAPPYに暮らすために
必要なことを、獣医師がお伝えします!

うちハピ小動物(エキゾチックアニマル)図鑑フクロモモンガ編
その1

フクロモモンガってこんな動物

フクロモモンガは、丸くて大きな目に長いしっぽ、
滑空するという不思議な生態など、さまざまな魅力を持っています。

とても社会性が高く、慣れるとさまざまな行動や仕草で
「遊んで」「構って」と甘えてきてくれます。

フクロモモンガの気持ち

リラックスしているよ!

リラックスしているよ!

お腹を見せて
仰向けで寝る

嫌だよ!

嫌だよ!

後ろ足で
立ち上がって
前足を広げ、
口を開ける

私はここにいるよ!

私はここにいるよ!

子犬のように
「アンアン」と鳴く

落ち着こう!

落ち着こう!

体を掻いたり
舐めたりする

嬉しいよ!

嬉しいよ!

「プププ・・・」と鳴く

フクロモモンガとの触れ合い方

野生では群れで暮らしているので、多頭飼育でない場合は
飼い主さんがたくさんコミュニケーションをとってあげましょう。

ポーチにフクロモモンガを入れて首から下げて
慣れさせる方法もおすすめです。

正しい抱っこの仕方

  1. 声をかけながら正面から手を差し出します。
  2. フクロモモンガの体を左右からすくいあげるようにして
    掌に乗せ、両手で包み込むように持ちましょう。
  3. 慣れるまでは座って練習して、
    抱いたまま立ち上がらないようにしましょう。
フクロモモンガの正しい抱っこの仕方
その3

フクロモモンガのごはん

主食

フクロモモンガ用ペレット

フクロモモンガ用ペレット

一日給餌量の目安

副食とあわせて体重の15%~20%
(体重120gで18g~24g)

フルーツなどが混ざっているペレットもありますが、選り好みして
食べることで栄養不足や肥満になってしまうことがあるので避けましょう。

一日給餌量はあくまで目安となります。与える際にはそれぞれのフードのパッケージに記載されている給餌量やフクロモモンガの体格などを参考にして調整してください。

副食

動物質

動物質

調理した卵黄、ミールワームやコオロギ

野菜や果物

野菜や果物

キャベツ、小松菜、ニンジン、
リンゴ、バナナなど

はちみつや
メープルシロップ

はちみつやメープルシロップ

副食はペレットの主原料とバランスが取れるように選び、
一度に3~4種類ほど与えます。
副食はごはんの総量の25%程度に抑えましょう。

与えてはいけない食べ物

獣医師さん

観葉植物や人の食べ物は中毒を起こしたり、栄養バランスが崩れたりしてしまうことがあるので、口に入らないようにしましょう。

特に注意!

ネギ類、アボカド、チョコ、生の大豆、バラ科の
植物(サクランボ、ビワ、モモなど)の種

その4

フクロモモンガのおうち

お部屋の環境

適正温度

野生のフクロモモンガは熱帯・亜熱帯に暮らしており、寒さは苦手です。温度は22℃~28℃、湿度は50%前後が理想です。

部屋んぽ

部屋んぽの際には入り込んでしまいそうな隙間を塞ぎましょう。ラグやクッションの下、洋服のポケットに入り込んでしまうこともあるので、目を離さないようにしましょう。
おやつを使って滑空トレーニングをするのも良いですが、脱走や透明なガラスにぶつかるなどの事故には注意が必要です。

その5

よくある病気・ケガ

果物、野菜、ナッツ類や種子類など
本来の主食ではないものを主食として与え続けることで
飼養管理不足によるさまざまな疾患がみられます。

概要

食事中の脂質やタンパク質の含有量、食事の量、運動不足などが原因で起こります。肥満は心臓や肝臓の病気の原因となることもあります。

予防法

  • 栄養バランスの整った食事を適量与えましょう。
  • 定期的に体重をはかりましょう。
  • 適度な運動をさせましょう。

概要

食事中に含まれるカルシウム、リン、ビタミンDなどのバランスが悪いことが主な原因となります。四肢の麻痺や筋肉のけいれん、骨の変形(クル病)や骨が簡単に折れやすくなるといった症状がみられます。

予防法

栄養バランスの整った食事を与えましょう。偏食の子の場合は、獣医師に相談してビタミン剤やカルシウム剤を与えることもできます。

概要

オスのフクロモモンガは、グルーミングや遊びのためにペニスを出していることがよくあります。ペニスが出たまま元に戻らなくなってしまうと、赤黒く腫れたり壊死したりしてしまうこともあります。

予防法

ペニスが出たままになっていたり、気にして舐めたりかじったりしている様子に気が付いたら、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。

概要

自分の体を舐めたりかじったりして傷つけてしまう病気です。痛みやかゆみなどの身体的要因、寂しさやストレスなどの精神的要因がきっかけとなります。

予防法

ケージは安全で快適か、コミュニケーションは足りているか、刺激のある生活ができているかなど、飼育方法を見直してストレスの少ない環境を整えましょう。

概要

不適切な食事で腸内環境が乱れたり、ストレスで免疫力が低下したりすると、腸内の細菌や原虫が増殖して下痢を引き起こします。食べ慣れないものを食べる、環境の変化などのストレスも下痢の原因となります。

予防法

  • ストレスの少ない飼育環境を整えましょう。
  • 適切な食事を与えましょう。
  • 多頭飼育をしている場合は、症状の出ている子を隔離しましょう。

フクロモモンガは症状が出ていても分かりづらいことが多いので、少しでも異変を感じたら動物病院へ相談しましょう。

監修エキゾチック動物専門の獣医師

三輪 恭嗣先生

三輪 恭嗣先生

日本エキゾチック動物医療センター院長
東大附属動物医療センター エキゾチック動物診療責任者
日本獣医エキゾチック動物学会会長
宮崎大学農学部獣医臨床教授

大学で教鞭をとりつつ、エキゾチック診療に従事。

日本エキゾチック動物医療センター
みわエキゾチック動物病院

https://miwaah.com/

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