リクガメをはじめとするカメ目には歯がありません。そのかわり、口の周りは「くちばし」と呼ばれる固い構造になっていて、主食である植物の繊維を断ち切ることができます。食事が不適切だとくちばしが伸びすぎてごはんが食べにくくなることもあるので、注意しておきましょう。
この図鑑では、小動物の特徴や習性、
うちの子がHAPPYに暮らすために
必要なことを、獣医師がお伝えします!
リクガメの多くは草食の傾向が強いため動作がゆっくりで、
優しいイメージやほのぼのとした見た目からも、
長年ペットとして親しまれています。
ずっとお世話をしていると飼い主さんのことを
覚えて、後を追ったり呼びかけに反応したりすることもあります。
ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、ヨツユビリクガメなど多くの種があります。
リクガメの気持ち
リラックスしているよ!
周りが気になるよ!
首を伸ばす
ごはんがほしいよ!
飼い主の後を追う
休憩しているよ!
元気がないよ!
目を閉じて
じっとしている
不安だよ!
怖いよ!
甲羅に
引っ込む
リクガメとの触れ合い方
どんなに慣れている子でも
触り過ぎはストレスになるので、
必要以上に触ったり持ち上げたりはしないようにしましょう。
正しい抱っこの仕方
主食
(小松菜、チンゲン菜、モロヘイヤなど)
さまざまな野菜をミックスして与える
(クワ、ヤブガラシ、オオバコなど)
よく洗って与える
過剰摂取にならない程度に与える
一日給餌量の目安
幼体は1日1~2回、成体は毎日食べるだけ与える
※ほうれん草などのシュウ酸値が高いものはカルシウムの吸収を阻害するので、与え過ぎないようにしましょう。
※ミネラル補給のために、イカの甲(カトルボーン)を与えてもよいです。
※主食としてビタミンやミネラルが含まれているリクガメ用のフードを与えている場合は、追加で与えるサプリメントが過剰にならないよう注意しましょう。
副食
薄くスライスし細かく切る
一日給餌量の目安
糖分が多く肥満の原因となるため、
おやつ程度に与える
観葉植物や人の食べ物は中毒を起こしたり、栄養バランスが崩れたりしてしまうことがあるので、口に入らないようにしましょう。
特に注意!
外でとってきた野草など、
除草剤が付いている可能性のあるもの
お部屋の環境
ヘルマンリクガメやヨツユビリクガメ、ギリシャリクガメの一部は四季のある地域に生息し、温暖な気候を好みます。暖かい季節の昼間は安全な場所で日光浴をさせるのも良いですが、夏場はすぐに気温が上がるので、日陰をつくるのを忘れないようにしましょう。
数日に一回、35℃~40℃のお湯を甲羅の高さの半分から3分の2程度の深さに張り、5分~10分温浴をさせてもよいでしょう。温浴には、甲羅に付着した汚れを落とす、体温を上昇させる、排泄を促進する、水分補給ができるなどのメリットがあると考えられています。
お湯は汚れたら適宜入れ替えて、温浴後はタオルで体の水気をしっかり拭き取り、体温が下がらないようにしましょう。
カメはとても我慢強い動物なので、
病気や不調の兆しを表すのが遅れることがあります。
日ごろからよく様子を観察し、
変化に気付けるようにしておきましょう。
概要
くちばしは成長に伴って少しずつ伸び続けますが、通常は採食などの行動で摩耗し、適切な長さと咬合面を維持しています。正確な原因はわかっていませんが、タンパク質の過剰など不適切な餌や環境がきっかけとなることがあります。上顎の過長が多く、閉口不全、採食困難、欠けたくちばしからの感染などがみられます。
予防法
概要
排便の頻度は、温度、ごはんの量、運動量などに左右されます。飼育環境の温度が低いと代謝が落ちて便秘になったり、脱水で便が硬くなることもあります。長期間排便がみられないと、徐々に食欲や元気もなくなってきます。
予防法
概要
細菌・真菌・ウイルスの感染、異物の吸引や誤嚥などが原因となります。不適切な飼育温度や紫外線不足による免疫力の低下、ストレスなども発症・悪化の要因です。元気や食欲が低下したり、くしゃみや鼻水が出たり、呼吸が苦しくなると首を伸ばして口を開けて息をする開口呼吸がみられることもあります。
予防法
概要
皮膚の下など体の一部に膿がたまる病気で、爪の欠損や外傷からの細菌感染が主な原因となります。膿はチーズのような塊としてみられることが多いです。
予防法
概要
細菌・真菌・ウイルスなどの感染や外傷によって起こることが多いです。口を気にして口を開ける、前足で口を掻くなどの症状がみられ、炎症が進むと食欲が低下します。
予防法
※リクガメは症状が出ていてもわかりづらいことが多いので、少しでも異変を感じたら動物病院へ相談しましょう。
三輪 恭嗣先生
日本エキゾチック動物医療センター院長
東大附属動物医療センター エキゾチック動物診療責任者
日本獣医エキゾチック動物学会会長
宮崎大学農学部獣医臨床教授
大学で教鞭をとりつつ、エキゾチック診療に従事。
日本エキゾチック動物医療センター
みわエキゾチック動物病院