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ネコちゃんに多い?!慢性腎臓病ってどんな病気?!

こんにちは!アイペット損保 獣医師チームです。
このメールでは『今日から実践できる』獣医視点での飼い方情報を毎月お伝えしていきます!
「ネコは腎臓の病気になりやすい」とよく言われますよね。今日はネコちゃんオーナーさんにぜひ知っておいていただきたい、慢性腎臓病のお話です。
腎臓のお仕事は?
まず、腎臓は体の中でどんな働きをしているでしょうか?
猫ちゃんの腎臓の位置
一番大事なお仕事は、血液をろ過して体の中のいらなくなった老廃物を集めて、尿として排出することです。同時に、水分や電解質(ナトリウムやカリウム)の吸収や排出が行われ、体液のバランスが保たれています。
腎臓病になると、老廃物がうまく排出されずに体の中にたまり、体液のバランスが崩れてしまうんですね。
ネコの腎臓病
腎臓病は、中毒などで急激に腎臓の働きが悪くなる「急性腎障害」と、加齢によってだんだんと腎機能が落ちていく「慢性腎臓病」に分けられます。
多くのネコちゃんが悩まされるのは慢性腎臓病で、15歳以上のネコの81%が慢性腎臓病だという報告もあります。※
ネコに腎臓病が多い理由はハッキリしていませんが、様々な仮説があります。ネコの祖先は十分な水分が確保できない砂漠で生活していたため、少ない水分でもちゃんと濃縮した尿をつくれるよう、腎臓が頑張りすぎてしまうという説。 また、歯周病などで口の中にいる細菌が血液によって運ばれ、腎臓で悪さをするというデータもあります。
※参考文献:Christina L Marino , B Duncan X Lascelles , Shelly L Vaden , Margaret E Gruen , Steven L Marks/Prevalence and classification of chronic kidney disease in cats randomly selected from four age groups and in cats recruited for degenerative joint disease studies. 
慢性腎臓病の症状は?
体の中に老廃物がたまると、「尿毒症」という状態になります。
・おしっこの量が増える・食欲がなくなったり吐いたりする
・体重が減る・口臭がきつくなる・毛艶がなくなりパサパサする
中でも一番気付きやすい症状は、「おしっこの量が増える」ことかと思います。普段からおしっこの量はチェックしておきましょう!
猫ちゃんとトイレ
ただ、慢性腎臓病とは厄介なもので、腎機能がかなり落ちてからでないと症状が出てきません。 さらに、進行がゆっくりなので発見が遅れてしまったり、高齢のネコちゃんに多いので、「もう歳だから元気がないのかな」と勘違いしてしまう飼い主さんもいたりします。
どういう検査をするの?
1つの検査だけで慢性腎臓病を診断できるものはないので、以下のような検査を組み合わせて診断していきます。

血液検査

腎臓で排出されるべき成分が、血液中にどれくらい残っているかを調べます。値が高いと、腎臓の働きが悪くなっている可能性があります。

尿検査

おしっこを濃縮する機能が落ちると、薄いおしっこがたくさん出るようになります。

レントゲン検査や超音波検査

腫瘍や結石など、他に腎機能が落ちる原因がないかを探ります。
お家でできる対策は?
残念ながら、一度壊れてしまった腎臓は修復できません。でも、ネコちゃんの慢性腎臓病は基本的にゆっくり進行します。
その進行をさらに緩やかにすること、そしてネコちゃんが少しでも苦しまずに生活できるようサポートしてあげることが、治療の目的になります。

食事

老廃物の元となるタンパク質やリンを制限した療法食を食べることで、腎臓への負担を減らすことができます。

脱水対策

慢性腎臓病のネコちゃんはおしっこをたくさん出すので、脱水になりやすい傾向があります。
脱水は腎臓に負担がかかるだけではなく、ネコちゃんにとっても苦しい状態です。 ひどい場合は病院での点滴が必要になりますが、おうちでもお水を飲んでもらえる工夫をしましょう!
● バックナンバー 【ネコちゃんのためにもっと知りたい『水』のこと】はコチラ
※飲み水の重要性、皆さんのしているお水をあげる工夫をご紹介しています。
慢性腎臓病は治せる病気ではありませんが、早い段階で気付いてうまく付き合えれば、長くネコちゃんと一緒にいられます。若いうちからお水を飲む習慣をつけ、おしっこの量に注意し、定期的な健康診断を受けるようにしておきましょう!
【発行・編集】アイペット損害保険株式会社
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