犬の狂犬病の原因と治療法・予防について
毎年4月~6月頃に動物病院や市区町村から、狂犬病予防接種のお知らせが届きますよね。
日本では狂犬病予防法により「生後91日以上の犬を所有する者は毎年1回、4月1日から6月30日までに狂犬病予防注射を受け、注射済票の交付を受けなければならない」、また違反については、「20万円以下の罰金又は科料が課せられる」と定められています。
今回は狂犬病について紹介します。
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狂犬病とは
狂犬病とは狂犬病ウイルスを病原体とする感染症で、人を含む多くの哺乳類に発症します。
ワンちゃんも感染するリスクがあり、有効な治療法はないとされています。
狂犬病の発症を防ぐには予防がとても大切です。
狂犬病の発生状況
日本では、第一次世界大戦や関東大震災といった激動の時期に狂犬病が大流行し、多くの人や動物が命を落としました。
このような事態に対処するため、1950年に「狂犬病予防法」が制定され、市区町村への「犬の登録」と年に一度の「狂犬病予防接種」が義務付けられました。
そして法律制定から7年で、日本は狂犬病の撲滅に成功したといわれています。
世界では150以上の国や地域で狂犬病が今もなお発生しており、死者はアジア・アフリカ地域を中心に年間で50,000人以上にのぼるという報告もあります。
日本においても、海外から帰国された方の発症が確認されていることから、海外から狂犬病が侵入するリスクがあります。
狂犬病の原因
狂犬病は、感染症の病原体となるラブドウイルス科リッサウイルスに属する「狂犬病ウイルス」によって発症します。
狂犬病ウイルスは主に唾液に含まれており、ウイルスを持った動物に噛まれたり、傷口を舐められたりすることで体内に侵入し感染します。
人は犬から感染することが多く、人から人へ感染することはありません。
狂犬病の症状
犬が感染した場合
約2週間~2か月の潜伏期の後、初期症状として食欲不振、性格の変化、行動の異常がみられます。
興奮しやすくなるため人や物を噛む、落ち着きがなくなり徘徊する、光や音などの刺激に過剰に反応するようになります。
症状が進行すると歩行が困難になり、ごはんや水分が飲み込めなくなる嚥下(えんげ)障害、よだれを垂らすといった症状があらわれます。
最終的には昏睡状態に陥り、命を落としてしまいます。
人が感染した場合
約1~3か月の潜伏期の後、初期症状として発熱や倦怠感、食欲不振といった風邪のような症状があらわれます。
狂犬病ウイルスは神経や脳で増殖するため、興奮、幻覚、麻痺などの神経症状がみられることもあります。
症状が進行すると筋肉が痙攣(けいれん)して水を飲めなくなる恐水症、風があたると痙攣が起こる恐風症なども特徴的な症状です。
最終的には昏睡状態となり、呼吸障害を起こして命を落としてしまいます。
狂犬病の治療法
狂犬病に対し有効な治療法がないとされているため、狂犬病発生国で動物に噛まれたり、引っかかれたりした場合は対処する必要があります。
傷口は石鹸でよく洗い流し、すみやかに医療機関を受診し予防接種を受けましょう。
狂犬病ウイルスに感染した場合は、発症する前に予防接種など適切な治療を行えば発症を防ぐことができます。
日本では初回接種日を0日として、3日、7日、14日、30日、90日の計6回の予防接種が推奨されています。
狂犬病の予防策
健康なワンちゃんに関しては、狂犬病予防法に従い、毎年4月1日から6月30日の間に狂犬病予防接種を受けましょう。
かかりつけの動物病院や、市区町村が実施する集合注射に参加する方法もあります。
治療中の病気があるワンちゃんの場合は、病気によって予防接種ができないと判断される場合があるため動物病院に相談しましょう。
人に関しては、海外に行く場合、渡航先の狂犬病の発生状況を事前に把握しておく必要があります。
狂犬病発生国に渡航して動物と触れ合う可能性がある場合は、渡航前に予防接種を検討しましょう。
予防接種をしても感染するリスクはあるため、野犬や野良猫、野生動物にはむやみに近づかない方が安心です。
まとめ
現在のところ日本は予防接種によって狂犬病が撲滅された国ですが、今後も国内に狂犬病が侵入しないという保証はありません。
予防接種はワンちゃん自身や周りの人を守るだけではなく、狂犬病が日本に入ってきてしまったときに流行を阻止する大事な役割もあります。
狂犬病は命を落とす病気のため、毎年必ず予防接種をしましょう。
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