猫のワクチン接種は必要?予防できる病気は?
ウイルスが体内に入り、病気になってしまう感染症の予防として、ワクチンの接種が有効とされています。
「うちの子は室内飼育だから受けなくても大丈夫!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
室内飼育の場合でも感染症にかかる可能性があります。
ここでは、ワクチン接種の重要性や予防できる病気について紹介します。
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猫の感染症の発生率は?
猫の感染症は全国でどのくらい発生しているでしょうか?
伴侶動物ワクチン懇話会の「犬と猫の感染症調査」によると、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症のいずれかの感染症が確認された動物病院の割合は、全国で96.5%と報告されています。
特に「猫ウイルス性鼻気管炎」の発生率は95.7%と最も高く、広く蔓延しています。
感染症にかかる多くの場合、ウイルスを持った猫の唾液や血液、排泄物に触れることが要因として考えられます。
感染症の予防の一つとして、混合ワクチンを接種することが大切です。
出典元:伴侶動物ワクチン懇話会「犬と猫の感染症調査」調査対象:全国600院の動物病院 調査期間:2013年9月~2015年8月
混合ワクチンとは?
混合ワクチンとは、何種類かの病気に対するワクチンを混ぜた予防注射です。
ワクチンには、すべての猫に接種をすすめられる「コアワクチン」と、生活環境など感染のリスクに応じて接種がすすめられる「ノンコアワクチン」があります。
コアワクチンで予防できるのは、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症です。
これらは感染力が強く、重症化すると命にも関わるので、完全室内飼育の猫であっても接種が推奨されます。
ノンコアワクチンで予防できる病気には、猫白血病ウイルス感染症やクラミジア感染症があります。
混合ワクチンを接種した方がいいの?
混合ワクチンを受けても病気の感染を100%予防できるわけではありませんが、接種した方が発症を抑えられ、発症しても軽症で済むというメリットがあります。
室内から外に出ない猫でも、飼い主さまが外から病原体を持ち込んでしまう可能性があるので、接種することをおすすめします。
また、ペットホテルを利用する際などにも、ワクチンの接種証明が必要となることがあります。
混合ワクチンで予防できる病気
混合ワクチンで予防できる病気を紹介します。
猫ウイルス性鼻気管炎
猫ヘルペスウイルスによる感染症で、鼻水・くしゃみ・発熱などの症状があらわれます。
人の風邪のような症状から「猫風邪」ともいわれます。
重症化すると、急激な衰弱や肺炎、脱水症状を起こし、命を落とす恐れもあります。
猫ヘルペスウイルスは、症状が改善しても体内に残り、免疫力が落ちたときに再発することがあります。
健康な場合でも、ウイルスを持っている可能性があります。
猫カリシウイルス感染症
猫カリシウイルス(FCV)による感染症で、鼻水・くしゃみ・発熱などの症状があらわれます。
猫風邪の一種で症状が進行すると、口内炎や潰瘍などの症状があらわれます。
口の中の違和感や痛みから、よだれが増えたり、食欲が落ちたりします。
母猫から受け継いだ免疫力が弱まる生後6週から10週前後の子猫が多く発症します。
感染すると、症状が改善しても長期間ウイルスを排出し続け、ウイルスは自然環境でも長く感染力を維持します。
猫汎白血球減少症(ねこはんはっけっきゅうげんしょうしょう)
パルボウイルスによる感染症で、激しい嘔吐や下痢といった腸炎の症状がみられます。
体を守る白血球が減少し、免疫力が低下することもあります。
特に子猫は脱水を起こしやすく、免疫力や体力も十分ではないため命取りになることがあります。
排出されたウイルスは自然環境でも長く生き延びるので、人の衣服などに付着して室内に入ってくる可能性があります。
猫白血病ウイルス感染症
猫白血病ウイルスによって起こる感染症で、激しい嘔吐や下痢、高熱などの胃腸炎の症状があらわれます。
主に唾液などの分泌物に含まれており、感染猫とのケンカによる咬傷(こうしょう)、グルーミング、食器の共有などで感染します。
ウイルスを排除できれば初期症状だけで落ち着くこともありますが、そうでない場合はリンパ腫や白血病を発症する恐れがあります。
猫クラミジア感染症
猫クラミジアという細菌による感染症で、くしゃみや鼻水、咳などの症状があらわれます。
結膜炎が起こるのも特徴で、ネバネバした目ヤニや涙がみられます。
症状が進行すると咳をするようになり、重症化すると肺炎を引き起こすこともあります。
混合ワクチンを接種するタイミングは?
産まれたばかりの子猫は、母猫の母乳に含まれる「移行抗体」によってさまざまな病気から守られています。
この移行抗体は、成長とともに少しずつ減少し、生後3か月頃までになくなるといわれています。
移行抗体がなくなるタイミングでワクチンを接種し、免疫力をつけてあげることが大切です。
子猫に推奨されているのは、6~8週齢で1回目の接種を行い、その後は約4週ごとに、計2~3回の接種をするというプログラムです。
体の中に移行抗体が残っている状態では、ワクチンを接種してもうまく抗体がつくられないため、プログラムの期間内に接種しましょう。
副作用はある?
一般的な混合ワクチンの副作用としては、食欲の低下や軽い発熱、嘔吐などの症状があらわれます。
稀に、ワクチンのアレルゲン物質が体内に入ることで、アレルギー反応を引き起こし、顔が赤く腫れあがる、呼吸が苦しくなるなどの、アナフィラキシーショックの状態になる場合があります。
ワクチン接種後はネコちゃんの様子をよく観察し、症状がある場合はすぐに動物病院で相談しましょう。
まとめ
猫の感染症はかかりやすい病気の一つで、混合ワクチン接種は感染症の予防に有効とされています。
特に、免疫力が低い子猫や高齢の猫は、病気の重症化を抑えることが大切です。
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