犬に寄生するマダニの生態|見つけたときはどうすればいいの?
ワンちゃんに必要な予防といえば、フィラリア、ノミ、マダニ、狂犬病、混合ワクチンです。
今日はその中でも、これから暖かい季節になっていくと活動が活発になる「マダニ」についてお話したいと思います。
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マダニの生態
私たちにとっては、布団や畳に生息していて、アレルギーを引き起こす原因となる「ダニ」の方が一般的かもしれません。
でもワンちゃんにつくマダニはまた別で、日本で多くみられるのは「フタトゲチマダニ」という種類です。
大きさは?
布団などについているダニは目に見えないほど小さいです。でもマダニは目に見えるサイズで、吸血していない大人のマダニで約3~8mm、吸血したときにはその10倍ほどに膨れ上がることもあります。
どこにいるの?
公園、河川敷、草むら、森、山など、緑が多くて適度な湿気のある環境が大好きです。
そして葉っぱの裏側などで、寄生できる動物が近づいてくるのをじっと待ち構えています。
自然の多いワンちゃんのお散歩コースは、まさにマダニが潜んでいる危険地帯なんですね。
好きな季節は?
大人のマダニの活動は、暖かい春から夏にかけて特に活発になります。
でも、秋から冬にかけては卵から孵化(ふか)した子供のマダニが増えるので、1年中警戒が必要です。
マダニのライフサイクル
マダニの一生は、卵からかえって成長して大人になる、という単純なものではありません。
卵からかえると、吸血と脱皮をくり返しながら、幼ダニ→若ダニ→成ダニと成長していくんです。
メスの成ダニは、動物の体温や二酸化炭素を感知して寄生します。
飼い主さんが気付かなければ何日も、長いときには1か月以上吸血していることも。
そして十分に吸血すると地上に落下して卵を産み、一生を終えます。
ノミとマダニは繁殖力がすごいと言われますが、マダニは多いときにはなんと2,000個を超える卵を産むとされています。
マダニが寄生すると
マダニで怖いのは吸血だけではなく、咬みつかれたときにマダニが運んでいる細菌やウイルスが動物の体に侵入してしまうことです。
吸血
マダニは頭を動物の皮膚に食い込ませて咬みつくので、一度寄生してしまうとなかなか離れてくれません。
飼い主さんが気付かずに長期間たくさんのマダニに吸血されると、ワンちゃんは貧血になってしまうこともあります。
目や鼻の周り、耳などの毛が薄い部分は特にマダニがつきやすいです。
マダニが運ぶ病気
バベシア症は、バベシアという原虫がワンちゃんの赤血球を壊して、貧血を引き起こしてしまう病気です。
貧血が重度になったり多臓器不全を起こすと、命に関わることもあります。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルスを運んでいるマダニに咬まれることで感染します。
日本でも人や犬猫での感染例があるので、聞いたことがあるかもしれません。
ワンちゃんは感染しても無症状のことが多いですが、人への感染リスクを下げるためにも、気を付ける必要があります。
地域によっては、ライム病や日本紅斑熱といった、人にも感染する病気をマダニが媒介していることがあります。
マダニを見つけたら
愛犬に大きく膨らんだマダニがくっついていたら、思わずすぐにとってしまいたくなりますよね。
でも、ちょっと待ってください。
マダニは頭を皮膚に食い込ませているため、むやみに引っ張ってしまうとその頭部だけがワンちゃんの体の中に残ってしまう可能性があるんです。
また、細菌やウイルスを運んでいる可能性もあるため、ピンセットなどで取ろうとして潰してしまうのも危険です。
安全なのはマダニを駆除するためのお薬を使うことなので、発見したら速やかに動物病院に連絡しましょう。
お薬にも、おやつのように食べるタイプのものや体に垂らす液体タイプのものなど種類があるので、ワンちゃんに合ったものを選んでもらいましょう。
予防策
そしてもちろん、一番大事なのは予防です!
お薬を飲んだり、お散歩から帰ってきたらブラッシングをする、定期的にシャンプーをする、体をよく触るようにするなど、おうちでできる対策をしっかりしておきましょう。
お散歩中も、ぐいぐいと草むらに入っていくのは避けた方が良いかもしれません。