犬の便秘の原因は?病院へ連れていくべき症状や予防策【獣医師監修】
ワンちゃんのうんちのトラブルと言えばやはり下痢が多いですが、「便秘」も注意すべき症状の一つです。
便秘は放置してしまうと、どんどんうんちが硬くなり出にくくなって、ワンちゃん自身も苦しい思いをしてしまいますし、ただの便秘ではなく何か病気が潜んでいる可能性もあります。
適切に対処してあげられるように、ここではワンちゃんの便秘の原因や気を付けていただきたい状態、予防法などについてお話したいと思います。
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犬の便秘とは
便秘とは、普段と比べて排便の回数が少ない、うんちが硬く乾燥している、強くいきまないと排便できない、といった状態をいいます。
「何日うんちが出なかったら便秘なの?」と疑問に思うかもしれませんが、日数には明確な定義がありません。
犬の排便の目安
1日あたりの排便回数は子犬のうちは多いですが、成長とともに減っていき、成犬の目安としてはごはんの回数±1~2回くらいの子が多いかなと感じます。
ただし、回数や頻度はその子の年齢や体格、運動量、食べているフードといった条件によって変わってくるので、基準はありません。
だからこそ、健康なときのうちの子のうんちの回数や頻度、量などを飼い主さんがしっかり把握して、自分なりに基準を持っておくことがポイントになります。
便秘かな?犬の便秘の判断基準
いつもと比べて排便の回数が少ないことが一番の基準になりますが、ほとんどのワンちゃんは食欲に問題がなければ、少なくとも1日に1回以上は排便があるかと思います。
なので、丸2日ほど排便がないようであれば、便秘の可能性を考えた方が良いかもしれません。
さらに、うんちが出ていたとしても、普段と比べて水分が少なくてコロコロしている、排便時にいきんでいるなどの特徴があれば、便秘のサインかもしれません。
大腸では水分の吸収が行われるため、そこにうんちが長時間とどまってしまうと、乾燥した硬いうんちが出る傾向があります。
こんな症状は便秘の可能性が!
うんちの回数や見た目はもちろんのこと、うんちをしているときのワンちゃんの様子を観察することも大切です。
排便のポーズになっているのになかなかうんちが出ない、排便時に痛くて鳴き声をあげるなどの様子がみられたら、何かうんちがスムーズに出ない原因があるのかもしれません。
便秘が長く続いている場合には、元気や食欲がなくなるといった全身状態の変化がみられたり、いきみすぎて吐いてしまうこともあります。
便秘の原因は?
便秘の原因には病気も考えられますが、ワンちゃんの年齢や普段生活が関わっていることも多いです。
- うんちが硬い:水分摂取量の不足、フードが合っていない
- 腸の動きが悪くなっている:運動不足、ストレスによる腸内環境や自律神経の乱れ
- うんちが出にくくなる/痛みが出る病気が存在する:会陰ヘルニア、前立腺肥大、腫瘍、腸閉塞など
動物病院に連れていくべき症状は
「明日には出るかも」と思ってだらだらと様子をみてしまうと、その間にもうんちはどんどん硬くなり、脱水や体力の低下が起こってしまいます。
うんちが全く出ない状態が2日ほど続くようであれば、動物病院に相談した方が良いかもしれません。
また、便秘以外にも以下のような症状がみられる場合には早めに相談しましょう。
- 元気や食欲がない
- 吐いている
- 排便時に痛みがありそう
- お腹がパンパンに張っている
便秘を放置すると巨大結腸症に
便秘になると、たまったうんちによって腸が伸びきった状態になってしまいます。
それが長く続くと「巨大結腸症」といって、腸が便を外に送り出す運動ができなくなってしまうことがあります。
軽度であれば下剤などで対処できることもありますが、自力での排便が難しい場合は開腹手術が必要になることもあります。
犬に比べると猫での発生が多いですが、注意が必要です。
家での対処法
フードをかえたときや、引っ越しや家族が増えたなどワンちゃんがストレスを感じるイベントがあったときなどは、それが便秘の原因になっている可能性があります。
思い当たることがある場合はその原因を取り除き、水分摂取量を増やすなどして排便を促しましょう。
うんちが頑固に固まっていると自力での排便が難しい場合もあるので、様子をみすぎないようにしてください。
また、人の便秘薬を自分の判断で与えるのは危険なので、やめておきましょう。
犬の便秘の予防方法
なんと言っても、便秘にはさせないことが一番です。
適切な食事や運動、ストレスの軽減など、おうちでできる予防もたくさんあります。
雄であれば去勢手術を行うことで、会陰ヘルニアや前立腺肥大といった病気のリスクを下げることもできます。
食事による予防
普段から便秘の傾向がみられる子であれば、食物繊維を多めに含むフードを主食にすることで、便秘の解消や腸内環境の改善が期待できます。
体質に合わない場合もあるので、新しいフードをあげる際には少しずつ切り替えましょう。
また、特にシニアのワンちゃんは飲水量が減りがちなので、水飲み場を増やす、ドライフードをふやかす、ウェットフードを取り入れるといった工夫ができるかもしれません。
ワンちゃんは体重1㎏当たり50~60mlくらいが1日あたりの飲水量の目安とされているので、参考にしてみてください。
定期的な運動習慣
運動は腸内環境を健康に保つだけでなく、お散歩や遊びが大好きなワンちゃんであればストレス解消にもつながります。
シニアのワンちゃんは運動量も減ってしまう傾向があるので、腸の動きをよくするためにも、排泄の際に使う筋力をしっかり保つためにも、適度な運動を続けましょう。
お散歩が難しい場合は、おやつで誘導して自分の足の下をジグザグにくぐらせるなど、おうちの中でもワンちゃんが楽しんで体を動かせるよう工夫してあげると良いですね。
お腹のマッサージ
お腹をみせてくれる子であれば、円を描くように下腹部をゆっくりマッサージしてあげることで、腸の動きをサポートできます。
また、背骨の左右にも様々なツボがあると言われているので、背骨の両側に少し圧をかけながら、背中や腰をさすってあげるのも良いですね。
ただ、ワンちゃん自身が気持ちいいと思ってくれないと逆効果になってしまうので、力加減には気を付けて、リアクションを見ながら挑戦してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
毎日うんちの状態や排便時の様子をチェックすることで、便秘に限らず、ワンちゃんの体調の変化に気付けるようにしておきましょう。
普段から便秘がちの子であれば、日ごろの食生活や運動習慣での予防を心がけたいですね。
そして同時に、便秘には病気が潜んでいる可能性があるということも忘れず、「あと1日、あと1日」と放置しすぎないように注意しましょう。
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