猫の口内炎まとめ|症状や病気・対処法・予防方法を解説!
口内炎を発症し重度になると食欲低下が原因で、最悪の場合は命を落としてしまう危険性があります。
特に中齢以降の猫では、口内炎の罹患率(りかんりつ)が高いうえ、治療が難航しやすい疾患の一つです。
今回は、猫の口内炎について原因や治療、予防法などを臨床獣医師目線で解説します。
アイペット損保のペット保険は
12歳11か月まで新規加入OK!
ニーズに合わせて選べる2つの商品
猫の口内炎とは?
猫の口内炎の定義は、「口腔の内側を覆っている粘膜の炎症で、歯肉炎や歯周炎にとどまらず、粘膜下まで広がっている口腔の炎症である」とされています。
特徴的な症状として、歯肉、舌、頬の内側などに痛みや出血を引き起こします。
また、食欲が低下し、食事を取らずに衰弱してしまう危険性がありますので注意が必要です。
猫の口内炎の原因
猫の歯肉口内炎の原因は明らかではありませんが、ウイルスや細菌感染、免疫の過剰反応などが原因ではないかと考えられています。
猫の口内炎に関与するウイルスは、「猫カリシウイルス」「猫免疫不全ウイルス」「猫白血病ウイルス」「猫ヘルペスウイルス」の関与が疑われています。
また、食物アレルギーも関係している可能性があると指摘されています。
猫の口内炎の症状
猫の口内炎の症状は、主に歯肉粘膜の傷害に起因します。
以下のような症状が見られる場合は、動物病院で検査を受けましょう。
疼痛(とうつう)
猫の口内炎に共通する症状は、疼痛(とうつう)、つまり痛みです。
ドライフードを食べるときに、頭を傾けながら食べたり、口をくちゃくちゃさせたりするような症状があらわれます。
食べ物の歯石が堆積すると、その表面に多くの細菌やウイルスが付着し症状が悪化する場合があります。
歯肉炎
歯肉に炎症が起こっている状態で、歯肉が赤く腫れ、痛みを伴います。
歯肉炎で食事をすることが難しくなると、体重減少もみられます。
また、歯肉炎が原因で歯の根元が吸収されて溶けてなくなる場合もあります。
流涎(りゅうぜん)
口内炎が進行すると、よだれが出るようになります。これを流涎(りゅうぜん)と呼びます。
流涎がさらに進行すると、血混じりのよだれが出るようになります。
口臭
口内炎を発症すると、口臭がきつくなります。原因は、口内環境が悪化するためと考えられています。
猫は毛づくろいをする生き物であるため、口臭のにおいが全身についてしまうこともあります。
食欲低下、脱水
猫は、身体に違和感があると食欲が低下する傾向があります。
フードからの水分摂取が困難になると、脱水を引き起こしてしまうケースもあります。
猫の口内炎の治療法
猫の口内炎の治療法には、大きく分類すると、外科治療と内科治療があります。
愛猫にとってどちらが良いのか、獣医師とよく相談して決めましょう。
外科治療
外科治療では、腔内の細菌を少なくコントロールし炎症を抑える治療法として、抜歯が有効とされています。
抜歯には2種類あり、全顎抜歯(歯を全て抜く)、全臼歯抜歯(臼歯のみを抜く)を行います。
治療効果の目安は全顎抜歯が約90~95%、全臼歯抜歯が約60%とされています。
口臭がある場合は、歯石や歯垢を除去する治療もあわせて行われることがあります。
外科治療は全身麻酔を使用するため、血液検査やX線検査、超音波画像検査によって、全身麻酔に耐えられるのか検査します。
血液検査では、腎機能や肝機能、貧血の有無などを調べ、場合によっては内分泌疾患の評価も同時に行います。
X線検査は、単純X線検査と歯科用X線検査の2種類あり、全身の状態や歯の状態を把握することが目的です。
心臓病の発症リスクが高くなる高齢の猫や、すでに心臓病を発症している猫の場合、麻酔をかけられないため治療前に超音波画像検査も行います。
大きな問題が認められない場合には、外科治療を検討されて良いかもしれません。
内科治療
基礎疾患が重度、超高齢などの場合には、内科治療が選択されます。
内科治療では、ステロイドや抗生剤などを使用し、炎症を緩和させます。
ステロイドは症状の進行を止める効果が薄く、長期の使用により副作用の恐れがあるため注意しましょう。
また、ステロイドは長期的に使用する場合が多いため、時間的負担や金銭面の負担も大きくなります。
動物病院での検査結果から、愛猫にとって最適な治療法を選択してあげましょう。
予防法
猫の口内炎は歯石によって悪化することが多いため、歯磨きを行うことが大切です。
歯磨きを嫌がる場合は、口腔内の善玉菌を増加するサプリメントなどを使用することもおすすめです。
まとめ
口内炎になったときは、愛猫の年齢を考慮し治療を選択しましょう。
外科治療の場合は、麻酔などによる身体の負担が大きくなります。
内科治療の場合は、長期的な通院が必要になるため時間や金銭面の負担もかかります。
口内炎の治療は難航しやすいため、しっかりと歯磨きによる予防と定期健診を行い、病気の早期発見を心がけましょう。
アイペット損保のペット保険は
12歳11か月まで新規加入OK!
ニーズに合わせて選べる2つの商品