犬・猫と暮らすHAPPY LIFE ペットと私の暮らしメモ

FIP(猫伝染性腹膜炎)はどのような病気?獣医師が原因を解説!

公開日:2023.03.22 最終更新日:2023.04.27

FIP(猫伝染性腹膜炎)は、発症のメカニズムが解明されず、治療法も確立されていないことから、現在でも研究が続けられている病気です。
ここでは、FIPがどのような病気なのか、原因や治療法について紹介します。

アイペット損保のペット保険は
12歳11か月まで新規加入OK!
ニーズに合わせて2つの商品から選べる

幅広い補償で
いつでも安心

[ペット医療費用保険]

通院+入院+手術

70%50%
選べる補償プラン

お見積りはこちら

高額になりがちな
手術費用に

[ペット手術費用保険]

通院+入院+手術

手術費用を
最大90%補償

お見積りはこちら

FIP(猫伝染性腹膜炎)とは

FIP(猫伝染性腹膜炎)とは

FIPは、猫コロナウイルスにより引き起こされる感染症です。

猫コロナウイルスは、現在流行している新型コロナウイルスとは異なります。

猫コロナウイルスに感染すると、軽度の下痢や嘔吐を発症しますが、症状があらわれないこともあります。

 

一方で、猫コロナウイルスが猫の体内で強毒化すると、FIPという重篤な病気を引き起こすことが知られています。

発症してしまうと治療のハードルが高く、厄介な病気です。

 

かかりやすい年齢、猫種は?

1歳未満の子猫で、純血種の子や、去勢手術をしていない雄の子が発症しやすいといわれています。

 

FIP(猫伝染性腹膜炎)の症状

FIP(猫伝染性腹膜炎)の症状

FIPは病態により、お腹や胸に水が溜まってしまうウェットタイプと、臓器に病変を形成するドライタイプに分けられます。

両方のタイプが混在する場合や、途中からタイプが変化することもあります。

どちらのタイプにも共通する症状としては、元気や食欲がなくなる、発熱、体重減少、嘔吐、下痢、黄疸(おうだん)などがあります。

 

ウェットタイプ

腹膜炎や胸膜炎など内臓を覆う膜の炎症によって、お腹や胸に水が溜まり、呼吸が苦しくなるのが特徴です。

お腹に水が溜まる腹膜炎の場合は、体重が落ちているのにお腹が膨らむので、気づきやすいかもしれません。

まれに、心臓を包んでいる膜に水が溜まることがあり、心拍数や呼吸数が増えることもあります。

ウェットタイプの場合は、短期間で症状が悪化する傾向があります。

 

ドライタイプ

肝臓や腎臓といった内臓、脳、目などに発症する「肉芽腫(にくげしゅ)」と呼ばれるしこりが特徴です。

肉芽腫は体内のさまざまな場所で発症し、それぞれ症状が異なります。

肝臓や腎臓の場合は、腎機能の低下や、臓器が膨らむ腫大(しゅだい)などの症状を引き起こします。

脳にある場合は、頭が斜めに傾く斜頚(しゃけい)、眼球が小刻みに揺れる眼振(がんしん)、けいれん発作などの神経症状を引き起こします。

目にある場合は、炎症により目が濁り、目の色が変わるなどの症状を引き起こします。

 

FIP(猫伝染性腹膜炎)の原因

FIP(猫伝染性腹膜炎)の原因

FIPの原因となる猫コロナウイルスは、通常であれば軽い腸炎を引き起こす程度の病原性の弱いウイルスで、主に感染猫の排泄物を通じて口や鼻から感染します。

多くの猫に感染経験があると考えられていますが、無症状で過ごす猫もいます。

発症の要因は、猫自身の免疫力の低下や、ストレスが関係していると考えられていますが、発症を完全に予防する方法はないといわれています。

 

FIP(猫伝染性腹膜炎)の検査・診断

FIPは一つの検査で確定診断ができるわけではないため、診断の難しい病気の一つです。

症状からFIPが疑われたら、血液検査やレントゲン、超音波検査など、さまざまな検査を組み合わせてほかの病気を除外しながら調べます。

ウェットタイプで腹水や胸水がたまっている場合は、液体の性状を調べ、抗原検査などを行い、ウイルスを検出できる可能性があります。

ドライタイプで肉芽腫がある場合は、組織を採取してウイルスを検出する方法もありますが、悪化した状態の猫に麻酔をかけて処置を行うリスクは高く、積極的に検査ができないことも多くあります。

 

FIP(猫伝染性腹膜炎)の治療法

長年有効な治療法がなく、発症すると致死率の高い病気として恐れられてきたFIPですが、近年ではレムデシビルやモルヌピラビルといった人の新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬が、FIPに対しても効果があるとして注目されています。

レムデシビルやモルヌピラビルは「RNAポリメラーゼ合成阻害剤」といって、ウイルスが複製されるのを阻害することでウイルスの増殖を抑えます。

ただし、これらの薬は動物用医薬品としては承認されていないため、治療はまだ手探りの部分も多くあります。

費用的にも安価な治療ではないので、治療を選択するかは獣医師と十分に相談しましょう。

 

FIP(猫伝染性腹膜炎)の予防法

FIP(猫伝染性腹膜炎)の予防法

まずはFIPの原因となる猫コロナウイルスに感染させないことが一番ですが、日本では認可されたワクチンもなく、広く蔓延しているウイルスなので、感染を100%防ぐことは難しいです。

FIPの発症に関しては、ストレスの少ない生活環境を整えることでリスクを下げられる可能性があります。

過度な多頭飼育を避け、猫の習性に合わせて高い場所や隠れ家を用意してあげましょう。

また、免疫力を維持するためにも、猫免疫不全ウイルスや猫白血病ウイルスといった免疫力を低下させてしまう感染症を予防することも大切です。

 

FIP(猫伝染性腹膜炎)にかかってしまったら

FIPの初期症状は、ほかの病気でもみられるものが多く判断が難しいため、愛猫の体調に異変を感じた場合はすぐに動物病院に相談しましょう。

体力のない子猫は状態が悪くなる前に、少しでも早く治療を始めることが大切です。

 

まとめ

ちょっと元気や食欲がないだけでも、その裏にはどんな大きな病気が潜んでいるのか分かりません。

特に1歳未満の育ちざかりの子猫が、元気がなく遊ばない、食欲がない場合は異常があると捉えて、迷わず動物病院を受診するようにしましょう。

アイペット損保のペット保険は
12歳11か月まで新規加入OK!
ニーズに合わせて2つの商品から選べる

幅広い補償で
いつでも安心

[ペット医療費用保険]

通院+入院+手術

70%50%
選べる補償プラン

お見積りはこちら

高額になりがちな
手術費用に

[ペット手術費用保険]

通院+入院+手術

手術費用を
最大90%補償

お見積りはこちら

12歳11か月まで
新規加入OK!!
アイペット損保のペット保険

ペットと私の暮らしメモ

「ペットと私の暮らしメモ」は、愛犬・愛猫といつまでも幸せに暮らせるように、健やかに育てるための飼い方、病気・症状、お金にまつわる知識など、飼い主さまなら知っておきたい情報を専門家監修でお届けします。