猫の血便は病気のサイン?原因と対処法を獣医師が解説!
みなさんは「血便」と聞いてどのようなうんちを思い浮かべるでしょうか。
血が混じり赤いのでは?と思うかもしれませんが、実はそうでない血便もあります。
ここでは、ネコちゃんの血便の原因として考えられる病気や、対処法を紹介します。
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猫の血便の原因
血便は、口の中から肛門までの間のどこかで出血が起きているサインです。
肛門から離れた胃や小腸から出血している場合と、肛門付近の大腸から出血している場合があり、うんちの見た目が異なります。
緊急性が高いものもあるので、考えられる原因を知って対処できるようにしておきましょう。
異物誤飲
針の付いた糸や、ひも状の異物には特に注意しましょう。
ネコちゃんはヒラヒラと動くものに反応するため、じゃれて遊んでいる間にうっかり飲み込んでしまうことも少なくありません。
針のような尖ったものや、ひも状のものは腸に引っかかりやすく、腸が傷つくことで出血し血便が出ることがあります。
状態によってはすぐに手術が必要となるので、誤飲に気付いたときは早めに動物病院で相談しましょう。
ストレス
環境の変化などに敏感なネコちゃんの場合、ストレスにより胃腸が荒れて出血し血便が出ることがあります。
過度なストレスを感じると、グルーミングが過剰になる、トイレを失敗する、攻撃的になるなどの行動がみられます。
生活環境のケアとあわせて、気になる行動がみられた場合は動物病院で相談しましょう。
下痢や便秘
下痢は胃腸炎や感染症など病気の症状としてみられますが、症状が悪化すると腸の粘膜から出血し血便が出ることがあります。
便秘は硬く乾燥したうんちが原因で、排便時に直腸や肛門が傷つき、血便が出ることがあります。
考えられる病気は?
血便の原因となる病気について紹介します。
細菌やウイルス、寄生虫等による感染症
感染による胃腸炎の主な症状は下痢や嘔吐ですが、下痢が長引くと腸の炎症が進み、重症化すると血便が出る可能性があります。
子猫の場合、パルボウイルスによる「猫汎白血球減少症(ねこはんはっけっきゅうげんしょうしょう)」に注意が必要です。
食欲の低下や水を飲まない、嘔吐などの症状がある場合は動物病院で相談しましょう。
感染力が強く重度の腸炎を引き起こして命を落とすこともあるので、混合ワクチンを受けてしっかり予防することが大切です。
炎症性腸疾患
何らかの原因で腸に慢性的な炎症が起こり、嘔吐が3週間以上続く病気です。
消化管が炎症を起こすことで、血便が出ることもあり、体重の減少や脱水などの症状もみられます。
原因ははっきりしていませんが、遺伝や異常な免疫反応が関わっていると考えられています。
症状が気になるときには、早めに動物病院で相談しましょう。
腫瘍
白血球の一種であるリンパ球が腫瘍化する病気のリンパ腫により、腸管の腫瘍から出血し血便が出ることもあります。
慢性的な下痢、嘔吐、食欲低下、体重が減少している場合は、動物病院で相談しましょう。
高齢のネコちゃんは、こまめに健康診断を受けることをおすすめします。
猫が血便をしたときに見るべきポイント
以下のようなうんちの症状は、体に何かしらの異常が生じています。
うんちに鮮血が混ざっている
下痢が続くと直腸の粘膜から出血し、うんちに鮮血がつくことがあります。
便秘による出血や腸管の腫瘍からの出血、お尻の周りにある肛門腺に炎症が起きて出血することもあります。
便を何回もする、かなりの量の出血が混ざっている、血便以外にも嘔吐、食欲不振などの症状がみられます。
うんちが黒い
胃や小腸など肛門から離れた場所で出血が起きている場合は、血液が消化管の中で酸化されて、真っ黒なタール状の血便が出ます。
出血が止まらない
うんちそのものが真っ赤な場合や血混じりの下痢をしているときは、早めに動物病院を受診しましょう。
お尻からの出血だけでなく、血尿の可能性も考えられます。
結石などで尿道閉塞が起きていると命にも関わるので、おしっこの色も確認しましょう。
猫が血便をしたときの対処法
命にも関わることがあるため、血便を発見したらできるだけ早めに動物病院で相談しましょう。
血便を持参する
動物病院では、うんちの中の寄生虫や細菌を調べる糞便検査を行います。
なるべく新しいうんちを、乾燥しないようにビニールやラップで包んで持って行きましょう。
うんちを取るのが難しければ、写真を撮っておきましょう。
血便以外の症状も伝える
食欲の低下や嘔吐、下痢が続くなどの血便以外の症状は、診断するうえで大事な情報です。
食事は普段の何割程度か、嘔吐の頻度はどのくらいかなど、具体的に伝えられるようにしておきましょう。
まとめ
うんちの変化は飼い主さまが気付きやすい異常の一つです。
うんちの見た目だけではなく、硬さや回数、排便時の様子など、毎日観察することが大切です。
異物誤飲など早急に対処が必要な場合もあるので、少しの出血でも不安な場合は動物病院で相談しましょう。
また、目に見えない異常を早期に発見するためにも毎年健康診断を受けるようにしましょう。
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