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猫がごはんを食べない原因は?原因や対策を獣医師が解説!

公開日:2023.10.03 最終更新日:2023.10.02

ネコちゃんはごはんを小分けにして食べる習性があります。
普段よりフードを与える量が多い場合には、食べ過ぎによって次のごはんが食べられなくなることも考えられます。
ここでは、ネコちゃんがごはんを食べなくなる原因や対策について紹介します。

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猫が急にごはんを食べなくなる理由

猫が急にごはんを食べなくなる理由

ネコちゃんがごはんを食べなくなる理由はいくつか考えられます。

 

偏食(好き嫌い)

ネコちゃんの食べ物の好みは、生後3か月頃までに決まるといわれています。

また、ネコちゃんの味覚は、においや食感によって好みがわかれます。

人間では感じにくい微かなにおいを感じることができるため、フードの生産地が変わるなどの少しの変化で、ごはんを食べなくなることもあります。

 

環境変化によるストレス

ネコちゃんは変化や刺激のある生活よりも、穏やかで安定した生活を好みます。

特に生活環境が変化する引っ越しは、大きなストレスになります。

また、知らない人が家にいるときや、動物病院に行くときも、ネコちゃんにとってストレスになります。

静かな隠れ家を用意する、ネコちゃんをかまい過ぎないようにするなど、リラックスして過ごせる環境を整えてあげましょう。

 

高齢による食欲低下

高齢になると代謝や消化機能が低下するため、ごはんを食べなくなってしまうことがあります。

そのほか歯周病や関節炎など、体に痛みがあるときも、ごはんを食べないことがあります。

ネコちゃんは痛みを隠すのが得意なので、普段の様子を知っておくことが大切です。

 

発情期

避妊・去勢手術をしていないネコちゃんでは、発情期の体調変化やストレスによって、ごはんを食べなくなってしまうことがあります。

興奮しているときや、恐怖を感じているときなどに、一時的に食欲が落ちる場合があります。

 

病気

ごはんを食べないだけではなく、水を飲む量が減る、嘔吐や下痢をしている、どこかに隠れて出てこないなど、あきらかに普段と様子が違う場合は、病気の可能性が考えられます。

早めに動物病院に相談しましょう。

 

一時的な食欲不振の可能性

野生で狩りをして生活していたネコちゃんは、毎日同じ時間に、同じ量のごはんを食べられていたわけではありません。

その習性の名残りから特に理由もなく、ごはんを食べないときがあるようです。

 

猫がごはんを食べない原因となる病気

猫がごはんを食べない原因となる病気

特に注意が必要なのは、異物誤飲と尿道閉塞です。

おもちゃなどの異物を飲み込んでしまうと、吐きたいのに吐けないといった症状があらわれ、食欲の低下につながります。

尿道閉塞は、尿道に結石が詰まりおしっこが出なくなるなど排尿に関連する症状に加え、食欲が低下することもあります。

高齢猫の場合は、歯周病や慢性腎臓病によって、食欲が低下することもあります。

また、感染症や消化器疾患、腫瘍など、さまざまな病気が原因で食欲が低下する場合があります。

 

病院に行くべきケース

嘔吐や下痢、おしっこが出ない、呼吸が苦しそうなど、あきらかな症状が出ている場合は、すぐに動物病院に相談しましょう。

子猫の場合、空腹の時間が長くなると低血糖を起こしてしまうので、早めに動物病院に相談すると安心です。

成猫の場合、丸一日以上何も食べないときは何か異常があると考えられます。

特に肥満のネコちゃんが食べない状態が数日続くと、「肝リピドーシス」という状態を引き起こすことがあります。

エネルギーをつくるために体の脂肪が急激に分解され、肝臓に大きな負担がかかるため、命に関わることもあります。

早めに動物病院に相談しましょう。

 

猫にごはんを食べさせる方法

猫にごはんを食べさせる方法

普段よりごはんの食いつきが悪いときは、ごはんの与え方や環境を見直してみましょう。

 

食べものを工夫する

ドライフードを与えている場合は、普段とは違う粒の大きさや食感が異なるものを取り入れる、ウェットフードに変更することもおすすめです。

ウェットフードにも、パテ状やペースト状など食感に違いがあるので、これまでのフードに少しずつ混ぜて慣らしてあげることがポイントです。

フードを変更しない場合は、お肉のゆで汁やふりかけなどをトッピングしてあげましょう。

 

与え方を工夫する

ネコちゃんは、味覚よりも嗅覚でおいしさを判断します。

ドライフードでもウェットフードでも、人肌くらいに温めてあげると、香りが立って食欲が増すことがあります。

ごはんの鮮度もにおいで判断するので、小分けのものを開封しすぐ与えるようにしましょう。

また、器が小さくてヒゲがあたってしまう、深すぎて食べにくいなど、食器そのものが原因で食べないこともあります。

高齢猫は、器の位置が低すぎると首に負担がかかって食べにくいので、食器の位置を高くするなど工夫をしてみましょう。

お部屋の中にフードを隠す、転がすと中からフードが出てくる知育玩具を活用すると、狩りの本能が刺激されて食欲が出ることがあります。

 

環境づくりに気を配る

ごはんを食べる場所が問題になることもあります。

トイレが近い、騒がしい、ほかのペットが邪魔をするような場所では、ネコちゃんも落ち着いて食事ができません。

ネコちゃんの性格によっては、人の気配が感じられる方がいい子がいたり、食べている姿を見られたくない子がいたりします。

個性にあわせた食事環境を整えてあげましょう。

また、運動不足が食欲低下につながることもあるので、一人遊びだけではなく、飼い主さまがおもちゃを使って一緒に遊んで、体を動かす時間をつくってあげることも大切です。

 

まとめ

ネコちゃんにとって、食べることは毎日の楽しみの一つです。

普段しっかりごはんを食べてくれていれば、食欲が落ちたときにも変化が分かりやすいので、好みを見極め、快適にごはんを食べられる環境を整えてあげましょう。

また、命に関わる病気にかかる可能性があることも意識しておくと良いですね。

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