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飲み忘れに注意!フィラリア予防

こんにちは!アイペット損害保険 獣医師チームです。
このメールでは『今日から実践できる』獣医視点での飼い方情報を毎月お伝えしていきます!
今年も残すところ1か月半となり、酷暑だった夏の記憶も薄れてきた頃でしょうか。そこで今回は、涼しくなってつい忘れてしまいそうになる「フィラリア症予防」についてお話したいと思います。
フィラリアとは?
まず、フィラリア症について簡単におさらいしましょう。
フィラリア症は、「犬糸状虫=フィラリア」という寄生虫が心臓や血管に寄生することによって起こる病気です。
ワンちゃんは、フィラリアの幼虫を運んでいる蚊に刺されることで感染します。つまり、蚊の活動期間中にお薬を飲むことで、フィラリア症を予防できるんですね。
フィラリア症のお薬について
ではここで、フィラリア症のお薬についてクイズです。
どうやって病気を予防してくれているの?
いつまで飲めばいいんだっけ?
飲み忘れるとどうなるの?
いかがでしょうか。
全ての質問に答えられた方も、そうでない方も、改めて一緒に復習していきましょう♪

どうやって病気を予防してくれているの?

フィラリア症のお薬は、正確には「予防薬」ではなく「駆虫薬」です。
蚊に刺されたり、フィラリアがワンちゃんの体に入るのを防いでくれるわけではなく、体の中に入ってしまった幼虫を殺すことで、成虫が寄生するのを防いでくれます。
フィラリア
ワンちゃんの体に入ったフィラリアの幼虫は、何回か脱皮を繰り返しながら少しずつ成長し、6か月程度で完全な成虫になります。そしてフィラリア症のお薬は、特定の成長段階にいる幼虫にしか効き目がありません。
今月飲むお薬は、その前の1か月間に感染した幼虫を駆虫してくれているんです。
でも、ワンちゃんがいつ蚊に刺されたのか、またその蚊がフィラリアを運んでいたのかどうかなんて、私たちには分かりませんよね。 なので、蚊が活動している期間中はどのタイミングで刺されても大丈夫なように、毎月お薬を飲み続けなければいけないんですね。

いつまで飲めばいいの?

フィラリア症のお薬の性質を考えると、「蚊がいなくなってから1か月後」まで薬を飲む必要があるということになります。
蚊の活動期間は気温に左右されるので、お薬を飲む最後の月は、同じ日本国内でも地域によって異なります。 例年の目安としては
北海道・東北 ⇒ 11月まで
東京含め関東・その他 ⇒ 11月から12月までの間
沖縄 ⇒ 通年
ちなみに私は東京の動物病院に勤務していたので、12月は飼い主さんに、必ず最後のフィラリア薬を忘れずあげていただくように念押しをしていました!
ですが、最近の夏は酷暑の影響で、夏場にくるはずだった蚊の活動のピークがずれて、遅くなっている可能性があります。 なので、涼しくなったからといって、油断して最後のお薬を飲み忘れないようにしましょう!
この最後の1回を忘れてフィラリアに感染してしまうと、その前の数か月のお薬をどんなに真面目に飲んでいても、全てが無駄になってしまいます。
いつまで飲めばいいのか不安な場合は、かかりつけの獣医さんに相談してみて下さいね。

飲み忘れるとどうなるの?

フィラリア症にかかってしまうと、心臓の動きや全身の循環が悪くなるだけではなく、 ワンちゃんの命にも関わります。
フィラリア症の怖いところ
・ 成虫は大きいもので30cm前後にもなる
・ 成虫が心臓や血管に詰まって突然死することがある
・ 寄生した成虫を駆虫するのはとても難しい
また、成虫を全て退治できたとしても、心臓や血管がすでに傷ついていると、後遺症が残ってしまうこともあります。
とにかく予防を!
フィラリア症はまさに、「予防に勝る治療なし」の病気なんですね。今年も最後までしっかりとお薬を飲みきって、大切な家族を守ってあげましょう☆
【発行・編集】アイペット損害保険株式会社

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