レトリーバー

レトリーバー

「獲物を回収運搬する犬」という意味であるレトリーバーは、利口で飼い主に忠実であり、大変働き者です。そのため、古くから使役犬として人気があり、現在でも大型犬の代表といえる犬種です。性格も大変優しく、他の犬や小さい子どもとも仲良くできるので、家庭犬にも向いています。皮膚腫瘍などにかかりやすい傾向がありますので、日ごろからブラッシングをするなどして異変に気付いてあげる必要があります。

  1. レトリーバーの特徴
  2. レトリーバーをお迎えする方法
  3. レトリーバーの飼育のポイント
  4. レトリーバーのかかりやすい病気・ケガ

レトリーバーの特徴

レトリーバーの歴史

ゴールデン・レトリーバー
起源は明確になっていませんが、19世紀初頭にイングランドやスコットランドで猟がゲームとして盛んになり水中でも陸上でも機敏に動ける鳥狩猟犬が求められるようになりました。 そこで、セターやウォーター・スパニエル、カーリーコーテッド・レトリーバーなどを交配して、作られたと考えられています。 1913年以降イエロー・レトリーバーとも呼ばれていましたが、1920年にゴールデン・レトリーバーに統一されました。

ラブラドール・レトリーバー
起源ははっきりとしていませんが、19世紀の初頭にイギリスへ送られてきたのがヨーロッパへ紹介された最初だと言われています。長い間ラブラドル半島で魚網からこぼれた魚を集めたり、魚網を引く仕事に従事していました。泳ぐことが得意な犬種として猟師から重宝されていました。 現在では警察犬や盲導犬としても広く活躍しています。

フラットコーテッド・レトリーバー
ラブラドール・レトリーバーとニューファンドランドを基礎に他の犬種も加えて改良を重ね、イギリスで完成しました。水中での鴨の運搬、陸上での獲物の回収など水陸両用犬として活躍しています。ショーに初めて登場したのは1860年で20世紀の初めに多大な人気を集めました。

レトリーバーの容姿は?

力強くバランスが取れた逞しい体型です。後ろ足は特に筋肉がよく付いていて、尾は太いです。頭は幅があり、耳はやや後方に位置し、頬に沿って垂れています。

・ゴールデン・レトリーバー
柔らかい、ゴールドに輝く毛が特徴で、色はゴールドまたはクリームです。

・ラブラドール・レトリーバー
ウェーブのない短くて厚い毛をもち、色はブラック、イエロー、チョコレートです。

・フラットコーテッド・レトリーバー
胸の周り、四肢の後ろ側、お腹の毛は羽毛のようにふわふわしています。色はブラックまたはレバーです。

レトリーバーをお迎えする方法

ペットショップでレトリーバーを探す

ペットショップからレトリーバーをお迎えするメリットは、好みの容姿の子が見つけやすいということです。レトリーバー種には、ゴールドやクリームの被毛を持つゴールデン・レトリーバー、ブラックやイエローなどの短い被毛を持つラブラドール・レトリーバー、ブラックやレバーの被毛を持つフラットコーテッド・レトリーバーがいます。性格はどの犬種も同じようにフレンドリーですが、被毛にはかなり違いがあるので、好みの子を探してみてください。

ブリーダーからレトリーバーを紹介してもらう

ブリーダーからレトリーバーをお迎えするメリットは、血統がハッキリしているため、ある程度性格が予想できるということです。レトリーバー種は基本的にみな優しくて友好的な犬種ですが、好奇心が旺盛すぎる一面もあります。はじめてワンちゃんと一緒に生活する方はやんちゃすぎない子を紹介してもらうことで、一緒に生活しやすくなるかもしれません。

レトリーバーの里親になる

保護犬の中には、元の飼い主さまと別れてしまったり、人の愛情を注いでもらえないまま育ったりと、さまざまな事情を抱えている子がいます。レトリーバーは元々誰とでも仲良くなれる性格ですが、新しい飼い主さまとの生活に慣れるまでには、ある程度時間がかかるかもしれません。里親になる方は、その子がそれまで過ごしてきた時間や気持ちに寄り添い、ゆっくり信頼関係を築いていっていただきたいと思います。

レトリーバーをお迎えするときの費用相場は?

レトリーバーをお迎えする際には、生体にかかる費用の他に、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)
ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。
狂犬病の予防接種(3,500円前後)
ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。
混合ワクチン(5,000~8,000円前後)
感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わってきます。

これらに、最初に用意するべきサークルやクレート、トイレ、食器、日用品などのグッズをあわせると、初期費用としてはワンちゃんの生体価格+50,000~60,000円ほどが目安となるかと思います。

レトリーバーをお迎えする方法には、それぞれにメリットがあるので、自分がワンちゃんをお迎えする際に何を重視したいのかを検討しましょう。 ワンちゃんとの出会いは一期一会ですので、どこでお迎えするにしても、「この子を一生大切にしたい!」と思える子を選んでいただくのが一番かと思います。

レトリーバーの飼育のポイント

大変利口でもの覚えがよく、飼い主さんにも忠実です。与えられた仕事に大変熱心に取り組むため、色々な用途に適応することができます。もちろん皆泳ぐのが得意です。子どもや他の犬と一緒に遊ぶこともできる大変優しい性格の持ち主です。あまり争うことをしない犬種ですが、小さいうちから他の犬や人に接する機会を増やした方がより社交的になります。また、美しい被毛を保つためには、ブラッシングが必要です。運動量も必要な犬種であるため、時々は泳ぐ機会をつくってあげると良いでしょう。耳が垂れているため、外耳炎になりやすい傾向にありますので、耳の中を定期的に観察したりケアをしてあげましょう。

レトリーバーのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

股関節形成不全

股関節を形成している骨盤の骨と大腿骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。犬では大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因です。歩く時に腰が左右に振れたり、階段の上り下りを嫌がったりします。

外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

成犬~

血管肉腫

血管から発生する悪性腫瘍で、脾臓に一番多くみられます。他にも心臓、皮下組織、肝臓などに発生し、肺をはじめとして転移も多くみられます。血管肉腫は非常にもろく、少しの衝撃で破裂する危険性があります。

リンパ腫

リンパ球という細胞が何らかの原因で腫瘍化して増えてしまう病気で、しこりをつくる場所によっていくつかの型に分けられます。犬では体表のリンパ節が腫れる「多中心型」が最も多く、発熱や食欲不振などがみられることもありますが、症状がでないことも多いです。

皮膚腫瘍

皮膚にできる腫瘍には、良性のものから悪性のものまで様々あります。品種によってできやすい腫瘍もありますが、基本的にはどんな犬猫でも注意するべき病気です。
  • 犬種別飼い方ガイドには、アイペット損保のペット保険の補償対象外の傷病も掲載されている場合があります。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)