サモエド

サモエド

サモエドのいつも微笑んでいるようなその表情は”サモエド・スマイル”と呼ばれ、みんなを和ませてくれます。
サモエドという名称はロシア北部やシベリアに住むサモエド族に由来しています。
狩猟犬やソリ犬として活躍し、小屋で人と一緒に寝る際には暖房代わりにもなっていたようです。
極寒にも耐えうるダブルコートの毛のせいで、暑さには弱く、夏になる前から熱中症に注意が必要です。

  1. サモエドの特徴
  2. サモエドにかかる飼育費
  3. サモエドの飼育のポイント
  4. サモエドのかかりやすい病気・ケガ

サモエドの特徴

サモエドの性格

サモエドは温和でとてもフレンドリーな犬種です。
長年、人とともに暮らしてきた犬種なので人なつこく、飼い主さまには愛情深く接し、初めて会う人やほかの犬とも仲よくできます。
頑固な一面もあるので、子犬の頃からしっかりと適切なしつけを行うことが大切です。

サモエドの容姿

サモエドは真っ黒なアーモンド型の目と鼻、上がった口角から作られる「サモエド・スマイル」と呼ばれる愛嬌あふれる表情が最大の特徴です。
がっしりとしていて均整のとれたスタイルです。
首は直線的で背中はまっすぐ、胸は幅があり深く、腰の幅は広くなっています。
尾は長く太くふさふさした毛を持ち、背の上で巻いています。

サモエドの被毛・毛色

全身は真っ白の豊かなダブルコートで覆われおり、かなりの厚みと毛量を特徴とする犬種です。
やや硬めで長く、アンダーコートはふわふわと柔らかで、密に生えています。
抜け毛が非常に多いため、換毛期にはこまめなお手入れが必要です。
毛色は基本的に、真っ白なピュア・ホワイト、ピュア・ホワイトよりやや黄色みがかったクリーム、ピュア・ホワイトに明るい茶系の線が入ったホワイト・ビスケットの3種類です。

サモエドの歴史

ロシア北部やシベリアに住む遊牧民のサモエド族とともに暮らしてきたことから、名前の由来にもなっています。
北部ではピュア・ホワイトの毛色で性格も穏やかな犬が狩猟犬やソリ犬として、南部ではブラック&ホワイトかブラウン系の毛色の犬がトナカイの狩猟で活躍していました。
サモエド族の住居は氷に囲まれた辺境のため、サモエドは他の犬の影響が少なく、純血性が保たれた珍しい犬となりました。
ブラックやブラウンなどの毛色もありましたが、19世紀後半にイギリスに紹介されて以降、イギリス人好みの白系の毛色に統一されました。

サモエドのサイズ

個体差はありますが、男の子の場合、体高は54~60cmで体重が25~32kg、女の子の場合は体高が50~56cmで体重が18~25kg程度です。
体高よりも体長がやや長いのも特徴の一つです。

サモエドの寿命

およそ10~13年前後とされています。大型犬の中では平均的です。

サモエドにかかる飼育費

初期費用

サモエドをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)

ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。

狂犬病の予防接種(3,500円前後)

ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。

混合ワクチン(5,000~8,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わります。

これらに加えて、最初に用意するべきサークルやトイレ、食器、日用品などのグッズの費用が必要になります。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(5,000~6,000円前後)

市販の犬主食用ドッグフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(2,000~5,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

トリミング等(10,000円前後)

シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合も考慮しておくと安心です。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費等を含む大型犬の毎月の平均支出金額は1万7,259円です。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要とされています。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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サモエドの飼育のポイント

定期的なブラッシング

毎日ブラッシングを行い、抜け毛をしっかり取り除きましょう。
抜け毛をよく取り除かないと、湿気が溜まって皮膚炎になることもあるため注意が必要です。
日常的な抜け毛の量を減らすには、シャンプーも有効です。
特に抜け毛が多い換毛期には、シャンプーの回数を増やすとよいでしょう。
また、シャンプー後は被毛を濡れたままにせず、しっかり乾かします。

散歩や運動は充分に

サモエドはそり犬だったため、運動欲求が強くスタミナがあります。散歩は毎日30分程度しましょう。
散歩のほかに、ドッグランなどで思いきり走らせてあげることもおすすめです。

食事は一気食いに注意

主食は栄養バランスのとれた総合栄養食を与えましょう。サモエドは食欲旺盛なので一気にごはんを食べてしまうことがあります。
一気食い防止用の食器を活用してもよいでしょう。

十分な暑さ対策

シベリアで暮らしていたサモエドは、夏の暑さが大の苦手です。
ほかの犬種よりもさらに暑さ対策には注意が必要です。室温の温度は22〜24度程度の室温をキープするようにしましょう。
暑くなり始めたら散歩の時間にも注意をし、早朝や夜などの涼しい時間に運動するようにしてください。
水遊びも大好きなので、夏場は川や海でも水遊びもおすすめです。

サモエドのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

股関節形成不全

股関節を形成している骨盤の骨と大腿骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。犬では大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因です。歩く時に腰が左右に振れたり、階段の上り下りを嫌がったりします。

異物誤飲

食べてはいけないものを飲み込んでしまうことです。異物には、中毒を起こす食べものや、胃や腸に刺さったり詰まったりしてしまうものが含まれます。嘔吐や下痢などの消化器症状がみられたり、命の危険に繋がることもあります。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

成犬~

糖尿病

血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用が低下し、体が糖を利用できなくなる病気です。原因は遺伝や感染など様々で、肥満や加齢も発症のきっかけになるとされます。水をたくさん飲む、食欲はあるのに体重が減るなどの症状がみられます。

皮膚腫瘍

皮膚にできる腫瘍には、良性のものから悪性のものまで様々あります。品種によってできやすい腫瘍もありますが、基本的にはどんな犬猫でも注意するべき病気です。

熱中症

犬と猫は体中から汗をかけるわけではないので、体温を下げることが難しく、熱中症になりやすいです。呼吸が速くなる、よだれが増える、ぐったりするなどの症状がみられ、命に関わることもあります。特にマズルの短い短頭種では注意が必要です。
  • 犬種別飼い方ガイドには、アイペット損保のペット保険の補償対象外の傷病も掲載されている場合があります。
  • 補償開始日前からかかっていた傷病など、ご請求の内容により、保険金をお支払いできない場合もあります。
  • 当社のペット保険「うちの子」の保険料は、年齢と犬種によって決まります。犬種ごとに犬A・犬B・犬Cに分類されており、本ページに記載の一般的な犬のサイズとは異なりますので、ご注意ください。
    詳細は以下の犬種分類表にてご確認ください。

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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)