ボルゾイ

ボルゾイ

美しい流線型のしなやかな体に、スラっと伸びた四肢は”高貴”という言葉がふさわしいです。
ウサギやオオカミ猟で活躍してきた狩猟犬であるため、獲物を見つけると追いかけようとします。
運動量が多いため、犬の飼育経験が少ない方には難しいかもしれません。
大型犬に起こりやすい胃捻転の危険性を減らすために、ごはんを食べた直後の激しい運動は控えましょう。

  1. ボルゾイの特徴
  2. ボルゾイにかかる飼育費
  3. ボルゾイの飼育のポイント
  4. ボルゾイのかかりやすい病気・ケガ

ボルゾイの特徴

ボルゾイの性格

基本的には物静かで、温和で優しい性格です。
感受性が鋭く繊細なため、恐怖や不安を感じたときには、神経質な反応をすることもあります。

ボルゾイの容姿

引き締まったスマートな体格をしています。
体が大きくがっしりとしていますが、背中は美しい流線形で、すらりと長い四股が特徴です。
顔立ちは細長く、横長の目と、独特な長いマズルを持ち、尾も大変長いです。

ボルゾイの被毛・毛色

被毛はダブルコートで、絹のように細く輝くオーバーコート、保温のためのアンダーコートに分かれています。
全体的にツヤがあり、ボディはウェーブがかかった羽毛のような被毛、頭部や足はそれよりも短い被毛です。
毛色は人気のあるホワイト、ブラック、レッド、ゴールド、シルバー、レモン、レッドなど、バリエーションが豊富です。

ボルゾイの歴史

ロシア原産のボルゾイは9世紀にも渡り、文化と歴史において重要な役割を担ってきました。
11世紀のフランスの年代記によると、キエフ大公国からフランスに嫁ぎ、フランス王であるアンリ一世の妻となったアンナ・イアロスラバ女史がフランスに3頭のボルゾイを連れてきたと記されています。
この犬種の所有者には皇帝など著名な人々が多くおり、たとえばイワン雷帝やピョートル大帝などが所有していました。
中世の終わり頃にはウサギやオオカミ猟で活躍し、その当時はロシアン・ウルフハウンドとして知られていましたが、その後ロシア語で「俊敏」「機敏」を意味するボルゾイに名前が改められました。
19世紀末からは北アメリカやヨーロッパなどでも見られるようになり、コヨーテやジャッカル猟で活躍してきました。
現在は、犬のレースなどでもポピュラーな犬種として親しまれています。

ボルゾイのサイズ

個体差はありますが、男の子の場合は体高が75cm~85cmで体重が34kg~48kg、女の子の場合は体高が68~78cmで体重が27~39kg程度です。
女の子のほうが体が小さい傾向です。

ボルゾイの寿命

およそ7~13歳とされています。
一般的な大型犬の寿命は10年~13年とされているので、比較するとやや短めの寿命です。

ボルゾイにかかる飼育費

初期費用

ボルゾイをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)

ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。

狂犬病の予防接種(3,500円前後)

ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。

混合ワクチン(5,000~8,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わります。

これらに加えて、最初に用意するべきサークルやトイレ、食器、日用品などのグッズの費用が必要になります。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(5,000~6,000円前後)

市販の犬主食用ドッグフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(5,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

トリミング等(5,000~10,000円前後)

シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合も考慮しておくと安心です。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費等を含む大型犬の毎月の平均支出金額は1万7,259円です。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要とされています。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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ボルゾイの飼育のポイント

「マテ」で自制できるように

狩猟犬として活躍してきたボルゾイは、動くものを見ると反応し追いかける習性があるため「マテ」のしつけは大切です。

【1】フードを持っていないほうの手のひらを犬の方に向け、「マテ」といいます。

【2】そのまま数秒待たせます。ワンちゃんが動いてしまったら、手の位置をより高くあげて再び「マテ」と指示します。

【3】ワンちゃんが動かないことを確認したら、「ヨシ」と声をかけると同時に手を口の高さへもっていきフードを与えます。

感受性が豊かなため、叱られることを嫌がります。落ちついた態度で明確に指示をしましょう。
上手にできたときは、たくさん褒めてあげましょう。

ハウスは落ち着いた場所に

窓の外の気配や、物音に敏感なため、そうした影響のない場所にハウスを設置しましょう。
ワンちゃんが静かに落ち着いたり、眠ることができる環境をつくってあげることが大切です。

被毛のお手入れは丁寧に

長毛種のなかでは比較的お手入れしやすい犬種です。
定期的なブラッシングで抜け毛を取り、清潔にしましょう。
また、長い被毛に着いたオシッコは悪臭のもとになりますので、着いたらすぐに拭き取るなどのケアが必要となります。
美しくトリミングされたボルゾイは非常に美しいので、プロのトリミングを体験する価値があります。

散歩や運動は充分に

毎日、朝晩30分以上の散歩を欠かさないようにしましょう。
散歩のほかに、投げたボールやフリスビーを取って戻ってくるなど、運動に作業意欲を刺激する遊びを取り入れるとワンちゃんも喜ぶでしょう。
ドッグランなどで思いきり走らせてあげることもおすすめです。

ボルゾイのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

ウォブラー症候群

大型犬の成長期に多くみられ、首の骨に何らかの異常があって神経が圧迫されてしまう病気です。多くの場合は後ろ足のふらつきからはじまり、ゆっくりと進行して前足にも麻痺が広がっていきます。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

成犬~

白内障

ものを見る時に焦点を合わせる役割をしている水晶体が白く濁って、視力が落ちてしまう病気です。加齢に伴って起こることが多いですが、遺伝や他の病気が原因で、若い子に起こる場合もあります。目が白く見えたり、ものにぶつかるようになるなどの症状がみられます。

胃捻転

食べ物や液体でいっぱいになった胃が拡張し、ねじれてしまう病気です。原因ははっきりしていませんが、特に胸の縦幅が広い犬に起こりやすく、お腹が膨れる、吐き気、よだれ、元気消失、呼吸困難などの症状がみられます。食べすぎや食後の運動が原因となることがあります。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)