甲斐犬

甲斐犬

甲斐犬は、日本原産の獣狩猟犬で、性格も見た目もとてもワイルドです。毛色が虎のようであることから、「甲斐虎犬」と呼ばれることもあります。狩猟犬としての気質がしっかり残っており、忍耐力と持久力に富み、主人に対してはとても従順です。体はとても丈夫で、動物病院とは縁遠い生活を送る子も多いですが、日本犬は皮膚の病気になってしまう事が多いので、日頃からよく様子を観察するようにしましょう。

  1. 甲斐犬の特徴
  2. 甲斐犬の飼育のポイント
  3. 甲斐犬のかかりやすい病気・ケガ

甲斐犬の特徴

甲斐犬の歴史

甲斐犬の祖先となった犬は紀元前の古くから存在していたとされ、山梨県の南アルプスを中心とした甲斐地方で繁殖していきました。甲斐犬はこの山岳地帯でイノシシやシカを狩る獣猟犬として活躍していました。限られた狭い地域で生活していたため集団意識が強く、他の犬種を容易に近付けなかったことから、純血種として保存されたと考えられています。そして、1934年には国の天然記念物に指定されました。

甲斐犬の容姿は?

均整の取れた筋肉質な体つきで、無駄な皮下脂肪はついていません。額は広くて頬が発達しており、耳は大きめの三角形でピンと立っています。尾には巻き尾(背中に向かってくるっと巻く)と差し尾(背中に向かって緩やかな曲線を描く)の2種類があります。毛は寒さや風雪に耐えられるダブルコートになっており、アンダーコートは柔らかくて密な毛が、オーバーコートはかたい直毛が生えています。毛の色は単色から、成長に伴って虎のように変化していきます。基本の毛色は黒虎、赤虎、虎の3色ですが、胸や足の下の方に白が入ることもあります。

甲斐犬の飼育のポイント

狩猟犬としての気の強い部分が残っているので、とても勇敢で冷静である半面、初対面の人や他の犬には警戒心を抱く傾向があります。飼い主さんにはとても忠実で甘えてくれる一面もあるので、子犬の頃からしっかりとした訓練をすることで、特別な信頼関係を築くことができます。また、甲斐犬はイノシシやシカを追って走り回っていた犬なので、十分な運動が必要です。毛は短いのでお手入れはそこまで大変ではないですが、定期的にブラッシングをすることで抜け毛や皮膚炎を防いであげましょう。また、健康に育つ子が多いので油断しがちですが、高齢になればどんな子でも病気のリスクが高くなってきますので、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

甲斐犬のかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

アレルギー性皮膚炎

体に入ってきた異物に対して、体の免疫機能が過剰に働いてしまうことで、皮膚に炎症が起こります。
主な原因となるのは食べもの、ハウスダスト、花粉などです。程度は様々ですが、主に痒みや湿疹がみられます。

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外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

異物誤飲

食べてはいけないものを飲み込んでしまうことです。異物には、中毒を起こす食べものや、胃や腸に刺さったり詰まったりしてしまうものが含まれます。嘔吐や下痢などの消化器症状がみられたり、命の危険に繋がることもあります。

成犬~

白内障

ものを見る時に焦点を合わせる役割をしている水晶体が白く濁って、視力が落ちてしまう病気です。加齢に伴って起こることが多いですが、遺伝や他の病気が原因で、若い子に起こる場合もあります。目が白く見えたり、ものにぶつかるようになるなどの症状がみられます。

前十字靭帯断裂

膝の曲げ伸ばしを調節する役割を持っている前十字靭帯が切れてしまった状態です。加齢に伴って弱くなったり、肥満によって負担がかかった状態の靭帯に、強い衝撃が加わることで起こります。後ろ足を挙げたり、体重をかけられないような状態がみられます。

認知症

人間と同じように、犬も歳をとると認知機能が低下してしまうことがあり、特に日本犬に多いとされています。トイレの失敗が増える、生活が昼夜逆転する、夜鳴き、ぐるぐると同じところを歩き回るなどの症状がみられたら、認知症の可能性があります。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)