ボクサー

ボクサー

ボクサーは、ドイツ原産の犬で、かつては猟の現場で活躍したり、警察犬や軍用犬としての仕事を与えられていました。頭が良く勇敢で大胆な性格ですが、決して攻撃的ではありません。主人や家族に対してはとても従順で、無邪気な一面もみせてくれます。温和で子どもともよく遊んでくれるので、現在では家庭犬として広く愛されています。心臓の病気になりやすい傾向があるので、若いうちから体調の変化には気を付けておきましょう。

  1. ボクサーの特徴
  2. ボクサーの飼育のポイント
  3. ボクサーのかかりやすい病気・ケガ

ボクサーの特徴

ボクサーの歴史

ボクサーは、19世紀中頃、ドイツのブラバント地方の「ブレインバイサー(牛に噛み付く犬)」として知られていた犬とブルドッグを交配して生み出されたと考えられています。当時ブレインバイサーは狩猟の際に活躍していたため、猟師の手によって繁殖・管理されていました。この犬は大きな口と幅の広い歯列をもっており、追い詰めた獲物を捕らえ、猟師が到着するまでしっかりと捕らえておくという仕事を与えられていました。当初はイノシシやクマ、シカの猟などに使われていましたが、のちに警察犬や軍用犬などとして活躍の場を広げていきました。

ボクサーの容姿は?

全体的に頑丈で筋肉質な犬です。顔には独特の皺があり、耳は自然な状態では垂れ耳ですが、断耳して立ち耳になっている場合もあります。獲物を捕らえておくための大きな口と強い顎を持ち、下顎がやや出ているアンダーショットです。尾も断尾する場合があります。毛は短く堅くて光沢があり、手触りは滑らかです。毛色はブリンドル(褐色や黒の混色の虎柄)とフォーン(薄い金色から濃い赤色まで様々)があり、前顔部には黒い部分(ブラックマスク)があります。また、一般に頭・マズル・首・胸・足に白い模様が入ります。

ボクサーの飼育のポイント

その力強くワイルドな見た目とは裏腹に、とても穏やかで落ち着いた性格です。家族や仲間への愛情はとても深いですが、見知らぬ人や他の犬に対しては保守的な一面もあります。元々神経質な性格ではありませんが、警戒心が高まりすぎて攻撃に転じることのないよう、子犬の頃から様々な環境に触れさせてトレーニングを行いましょう。本来猟の現場で活躍していたことから、必要な運動量が多くスタミナも豊富なので、十分に体を動かすことが必要です。遊び好きなボクサーにとって運動不足は、肥満だけではなくストレスの原因にもなるので、ドッグランなどを活用してしっかり遊んであげましょう。毛のお手入れは簡単ですが、短頭種なので暑さには十分注意が必要です。

ボクサーのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

短頭種気道症候群

呼吸困難を引き起こすようないくつかの病気が重なって起こる、マズルの短い短頭種に特有の病気です。いびき、口をあけてハアハアする呼吸(パンティング)、嚥下障害、嘔吐などの症状がみられ、暑さや肥満で悪化することがあります。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

成犬~

胃捻転

食べ物や液体でいっぱいになった胃が拡張し、ねじれてしまう病気です。原因ははっきりしていませんが、特に胸の縦幅が広い犬に起こりやすく、お腹が膨れる、吐き気、よだれ、元気消失、呼吸困難などの症状がみられます。食べすぎや食後の運動が原因となることがあります。

拡張型心筋症

心筋が薄くなり、心臓の収縮力が落ちることで、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる病気です。大型犬に多くみられ、遺伝や加齢によって起こります。初期は症状が出にくいですが、重症化すると呼吸困難や不整脈がみられることがあります。

不整脈原性右室心筋症(ボクサー心筋症)

ボクサーに遺伝的にみられる心筋症で、多くの場合で不整脈が認められます。不整脈があると、急に体の力が抜けたり失神することがあり、突然死の危険もある病気です。

難治性角膜潰瘍(ボクサー潰瘍)

再発性角膜上皮びらんとも呼ばれ、ボクサーに遺伝的に多くみられます。角膜の1番目の層と2番目の層がくっつきにくくなり、表面が剥がれてしまう病気です。再生しては剥がれてを何度もくり返すので、名前の通り治るのに時間がかかります。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)