チベタン・スパニエル

チベタン・スパニエル

ドーム型の頭に高い位置についた垂れ耳、羽毛のように巻いた尾がなんとも愛らしい犬種です。「プレイヤー・スパニエル(祈祷のための犬)」とも呼ばれ、チベットの寺院で大切にされてきました。いつも陽気ですが、見知らぬ人にはよそよそしい一面もあります。小さく華奢な体つきのため、骨折などの事故には特に注意が必要です。

  1. チベタン・スパニエルの特徴
  2. チベタン・スパニエルの飼育のポイント
  3. チベタン・スパニエルのかかりやすい病気・ケガ

チベタン・スパニエルの特徴

チベタン・スパニエルの歴史

チベタン・スパニエルは、チベット地方に非常に古くからいた犬種とされていますが、文献がなく詳細はわかっていません。ペキニーズとは相似点が多いため、祖先は同じだと考えられています。チベットでは僧院で飼育され、歴代のダライ・ラマ(ラマ教の教主)にも可愛がられていたそうです。20世紀初頭、イギリスに輸入され、犬種標準が定められ、世界各国で飼育されるようになりました。

チベタン・スパニエルの容姿は?

小型で、バランスが取れている体型をしています。頭部はややドーム状で、中くらいの長さのマズルはややアンダーショットです。耳は高い位置につき、垂れ下がっています。羽毛が生えたような尾は高い位置につき背負う形になっています。絹のような毛はダブルコートで、耳の上や前足の裏側では大変長くなっています。毛色はありとあらゆる色があります。

チベタン・スパニエルの飼育のポイント

陽気な性格で自信たっぷり。愛らしい見た目に反して頑固で、見知らぬ人にはよそよそしいところがあります。自分の独断で動くところがあるため、可愛いからといって過度に甘やかしすぎず、キチンとトレーニングをしてあげましょう。被毛は定期的にブラッシングしてお手入れしてあげましょう。垂れ耳のため、外耳炎にも注意が必要です。お手入れ時には耳もめくって、赤みがないか嫌なにおいがしないか確認しましょう。非常に活発なため、運動は毎日してあげましょう。歩いたり走ったり緩急をつけながらお散歩してあげると良いでしょう。

チベタン・スパニエルのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

骨折

段差や抱っこからの落下による前足の「橈尺骨(とうしゃっこつ)」の骨折が多く、猫では扉や窓に挟まれる事故の例が多くみられます。

成犬~

歯周病

歯垢に含まれる歯周病菌が、歯と歯肉の間に入って炎症を起こします。歯垢は放っておくとザラザラした歯石になり、さらに歯垢が付きやすくなってしまいます。進行すると歯が抜けたり皮膚に穴が開いたり、菌が血液にのって心臓や腎臓に運ばれて炎症を起こすことがあります。

白内障

ものを見る時に焦点を合わせる役割をしている水晶体が白く濁って、視力が落ちてしまう病気です。加齢に伴って起こることが多いですが、遺伝や他の病気が原因で、若い子に起こる場合もあります。目が白く見えたり、ものにぶつかるようになるなどの症状がみられます。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)