チャウ・チャウ

チャウ・チャウ

ライオンのようなモコモコの毛と、しかめっ面のような愛嬌のある表情が特徴的な犬種です。
とても歴史の古い犬種で、中国ではその優れた嗅覚を活かし、猟犬として活躍していました。
マイペースで頑固な一面がありますが、しっかり訓練をすれば立派な番犬になれる素質を持っています。
マズルが短い短頭種で毛も密生しているので、特に夏場は温度管理に注意が必要です。

  1. チャウ・チャウの特徴
  2. チャウ・チャウにかかる飼育費
  3. チャウ・チャウの飼育のポイント
  4. チャウ・チャウのかかりやすい病気・ケガ

チャウ・チャウの特徴

チャウ・チャウの性格

愛嬌のある表情をしていますが、飼い主さまにべったりくっついていくタイプではありません。
冷静で独立心が強いので、飼い主さまにも素っ気ない態度を示したり、長時間のトレーニングに飽きてしまったりなど、マイペースな一面もあります。
知らない人への警戒心が強く、吠えや噛む癖がありますので、子犬の頃からしつけることが大切です。

チャウ・チャウの容姿

モコモコの毛に覆われているので体型は分かりにくいですが、がっしりとして体長が短く、正方形に近い形をしています。
頭は大きく頭頂部は平ら、マズルは幅が広く短めで、ムスッとした表情をしています。
小さくて厚い耳は先端が丸みを帯びており、離れて直立しています。
後肢の関節がまっすぐで、竹馬に乗っているようにトコトコと特徴的な歩き方をします。

チャウ・チャウの被毛・毛色

被毛は、二層構造のダブルコートです。
毛質は粗い被毛の「ラフコート」と短くなめらかな被毛の「スムースコート」の2種類に分かれます。
一般的にイメージされる毛がもこもこのチャウ・チャウは、ラフコートの個体です。
毛色はブラック、レッド、ブルー、フォーン(明るいブラウン)、クリーム(またはホワイト)の5色がスタンダードです。

チャウ・チャウの歴史

正確な起源は不明ですが、その歴史は少なくとも紀元前150年まで遡るとされる、非常に古い犬種です。
発祥は東南アジアや北極圏であるとする説があり、スピッツやマスティフなどの血が入っていると考えられています。
中国では2000年以上前から、番犬や猟犬として飼育されていたようです。
中国の鎖国政策のためなかなか他国に輸出されることはありませんでしたが、18世紀後半にようやくイギリスに入りました。この時イギリスの船乗りたちが船荷を呼ぶ言葉から「チャウ・チャウ」という名前がついたといわれています。

チャウ・チャウのサイズ

個体差はありますが、男の子の場合は体高が48~56cmで、女の子の場合は体高が46~51cmです。体重は20kg~32kg程度です。

チャウ・チャウの寿命

およそ10~13歳とされています。大型犬の中では平均的です。

チャウ・チャウにかかる飼育費

初期費用

チャウ・チャウをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)

ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。

狂犬病の予防接種(3,500円前後)

ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。

混合ワクチン(5,000~8,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わります。

これらに加えて、最初に用意するべきサークルやトイレ、食器、日用品などのグッズの費用が必要になります。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(5,000~10,000円前後)

市販の犬主食用ドッグフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(2,000~5,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

トリミング等(10,000円前後)

シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合も考慮しておくと安心です。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費等を含む大型犬の毎月の平均支出金額は1万7,259円です。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要とされています。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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チャウ・チャウの飼育のポイント

子犬の頃からトレーニングを

性格は穏やかですが、とても⼒が強いので、ふとした拍子に⼈を転倒させるなどケガを負わせてしまう可能性があります。
⼦⽝の頃から飼い主さまの指示で⾏動をコントロールできるようにしておくことが⼤切です。
知らない人や犬と接触をさせ、慣れさせる機会を多くつくりましょう。
専⾨家のアドバイスを受けるのも⼀案です。

噛み癖のしつけ

何でもダメと抑え込むのではなく、おもちゃを与えて遊びでエネルギーを発散させてあげましょう。
ロープ状のものなら引っ張りあいっこをして一緒に遊べます。留守中や目を離すときは、おやつ内蔵型のおもちゃを与えるのもおすすめです。
ぬいぐるみを手で持って遊んでしまうと、手=おもちゃ、噛んでもいいものと認識してしまうため、手では絶対に遊ばないにしましょう。
噛み癖がある子は、噛まれたら痛いと反応して、部屋から退出し1分程度待ちましょう。
噛むたびにこの動作を繰り返せば、「噛んだら飼い主がいなくなる」「噛んだら楽しくないことが起こる」と学習し、噛み癖を矯正できます。

十分な暑さ対策

夏の暑さが苦手なので、室温の温度は22〜24度程度の室温をキープするようにしましょう。
暑くなり始めたら散歩の時間にも注意をし、早朝や夜などの涼しい時間に運動するようにしてください。
水遊びも大好きなので、夏場は川や海でも水遊びもおすすめです。

定期的なブラッシング

毛玉ができやすいので、週2回程度ブラッシングを行いしっかりと抜け毛を取り除きましょう。
抜け毛をよく取り除かないと、湿気が溜まって皮膚炎になることもあるため注意が必要です。
日常的な抜け毛の量を減らすには、シャンプーも有効です。
また、シャンプー後は被毛を濡れたままにせず、しっかり乾かしましょう。

チャウ・チャウのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

甲状腺機能低下症

何らかの原因で甲状腺の働きが悪くなり、そこから分泌されるチロキシン(サイロキシン)というホルモンが減ってしまう病気です。全身の代謝が悪くなり、元気がなくなってぼんやりしたり、脱毛や皮膚の色素沈着がみられます。

股関節形成不全

股関節を形成している骨盤の骨と大腿骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。犬では大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因です。歩く時に腰が左右に振れたり、階段の上り下りを嫌がったりします。

緑内障

目の中に入っている水が増えすぎて、眼球内の圧力が高くなってしまった状態です。主に遺伝や目の中の腫瘍、炎症などによって起こります。痛みにより瞬きや涙が増えたり、進行すると目が大きくなって牛のように突出したり、失明してしまうこともあります。

成犬~

前十字靭帯断裂

膝の曲げ伸ばしを調節する役割を持っている前十字靭帯が切れてしまった状態です。加齢に伴って弱くなったり、肥満によって負担がかかった状態の靭帯に、強い衝撃が加わることで起こります。後ろ足を挙げたり、体重をかけられないような状態がみられます。

肥満

適正体重は品種や年齢によってそれぞれですが、上から見てややくびれがあり、脇腹を触って肋骨の感触が分かるのが理想の体型です。肥満は万病の元なので、適度な運動と食事管理が必要です。
  • 犬種別飼い方ガイドには、アイペット損保のペット保険の補償対象外の傷病も掲載されている場合があります。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)