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猫の発情期の特徴は?時期や対処法を獣医師が解説!【獣医師監修】

公開日:2023.10.20 最終更新日:2025.12.23

猫の発情期は、女の子で生後6か月頃から、男の子で7か月頃から始まり、鳴き声・マーキング・落ち着きのなさなどの行動が見られます。
特に季節(日照時間)に左右され、春〜秋に多く発生しますが、室内飼育では季節に関係なく起こることもあります。
この記事では、猫の発情期が始まる時期や特徴的な行動、性別ごとの違い、正しい対処法について、獣医師監修のもと詳しく解説します。

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猫の発情期が始まる年齢は?

猫の発情期が始まる年齢は?

猫の発情期が始まる年齢は、女の子か男の子かによっても異なるほか、品種や個体による違いもあります。

 

女の子の場合

女の子は、生後6か月~12か月頃に初めての発情期を迎えます。

女の子で特徴的なのは「発情周期」と呼ばれるサイクルがあることです。

発情周期には以下の4つの段階があり、生涯にわたって繰り返されます。

期間行動
発情前期(1~5日程度)元気が増し、いつもに比べると飼い主さまに甘えることが増えたり、繁殖行動の一環で匂いをつける目的でトイレではない場所で排尿してしまったりという様子がみられます。
発情期(4~10日程度)交尾を受け入れることができる時期です。特徴としては、大きな声で鳴く、床をごろごろ転がる、腰を高く上げた姿勢を取るなどの行動がみられます。
発情後期(1日程度)交尾をした場合は排卵があり、卵胞が退化する時期です。交尾や排卵がなかった場合は、発情休止期へと移行します。発情後期では、交尾を受け入れることはありません。
発情休止期(妊娠した場合は出産まで、そうでない場合は5日~16日程度)この時期には、交尾を受け入れません。休止期が終わると、再び発情前期に戻ります。

 

男の子の場合

男の子は、生後7か月~9か月頃に、性的に成熟した状態になります。

女の子のような発情周期がないため、発情期の女の子が近くにいると、いつでも発情行動を見せる可能性があります。

 

猫が発情する季節

猫 見上げる

猫は「長日繁殖動物(ちょうじつはんしょくどうぶつ)」といって、女の子は日照時間が長くなると発情するといわれています。

暖かい季節のほうが子育てをしやすいためと考えられ、外で生活している猫で顕著な特徴です。

一年中、照明のもとで生活している室内飼育の猫では、季節に関係なく発情することもあります。

男の子は発情した女の子が近くにいることで発情するため、明確な季節はありません。

 

発情期にみられる行動

発情期にみられる行動

個体差があるためすべての猫が同じ行動をとるわけではありませんが、発情期特有の行動には以下のようなものがあります。

 

女の子の場合

  • お腹を床につけてお尻を高く持ち上げる
  • 自分のにおいをつけるために顔や体を擦り付ける
  • 転がり回る
  • 自分の居場所を知らせるために大きな声で鳴く
  • トイレ以外の場所にマーキングをする
  • 食欲がなくなる、落ち着きがなくなる、甘えん坊になる

 

男の子の場合

  • トイレ以外の場所にマーキングをする
  • 交尾する相手を探そうと外に出たがる
  • 発情した女の子の鳴き声に反応して大きな声で鳴く
  • 興奮しやすくなる、攻撃的になる、猫同士のケンカが増える

 

猫の発情期の困った行動の対処法

猫の発情期の困った行動の対処法

マーキングや大きな鳴き声は、飼い主さまにとっては「問題行動」となり、悩む方も多いのではないでしょうか。

本能的な行動なので完全に抑えることは難しいのですが、以下のような対処法があります。

 

困った行動1-大きな鳴き声

防音シートや防音効果のあるカーテンを設置し、猫の活動スペースを制限します。

夜によく鳴くようであれば、昼間にたくさん遊んで疲れさせることも一案です。

狩猟本能を満たすおもちゃや、知育玩具を使った遊びで日中に十分発散させると、夜は落ち着きやすくなります。

 

困った行動2-スプレー行動

スプレー行動とは、猫が濃いおしっこをかける行為で、縄張りをアピールするマーキングの一種です。

決まった場所にスプレー行動をする場合は、その場所にペットシーツや防水シートを貼り、物理的にその場所にこれ以上マーキングができないようにしましょう。

また、においが残らないようにしっかり掃除をすることも大切です。

 

困った行動3-外に出たがる

近くに発情している猫がいると、鳴き声や気配に反応して外に出たがることがあります。

普段から脱走癖のある猫は特に注意が必要です。

カーテンや目隠しシートで窓を覆う、窓際にベッドやキャットタワーを置いている場合は移動するなどの工夫をして、なるべく外が見えないようにしましょう。

窓を開ける際には必ず網戸にして、玄関を開ける前には、必ず猫の居場所を確認しましょう。

 

困った行動4-攻撃的になる

特に男の子が発情すると、縄張り意識が強くなり攻撃的になることがあります。

普段は仲のよい猫同士でもケンカになることがあるので、注意が必要です。

ケンカしそうなときは無理に仲裁せず、視界を遮る・音で注意をそらすなどして落ち着かせるとよいでしょう。

状況に応じて、生活空間やごはんの時間・場所を分けることも方法です。

 

NGな対処法

NGな対処法

間違った対処をすると、問題行動の強化につながることがあります。

 

叱る・大きな声で驚かせる

発情行動は本能なので、叱ったり、大声を出したりしても猫には伝わりません。

飼い主さまとの信頼関係を損ね、ストレスからさらに問題行動が目立つようになる可能性があります。

問題行動に対しては「できない環境をつくること」がポイントです。

たとえば、大きな声で鳴き続けるときにお気に入りのおもちゃで遊びに誘う、爪とぎを家具でしてしまうときにキャットタワーや爪とぎ器に誘導するなどです。

 

マタタビを与える

マタタビは一時的に気を紛らわせることはできるかもしれませんが、まったく反応しない子もいれば、反応が強すぎる子もいます。

興奮が強まり鳴き声や落ち着きのなさが悪化するなど、マタタビの刺激が逆効果になる可能性もあります。

発情期にマタタビを与えることは控え、安全なおもちゃや遊びで猫の気をそらしましょう。

 

避妊・去勢手術はしたほうが良い?

避妊・去勢手術はしたほうが良い?

発情期のお悩みを解決する手段の一つが、避妊・去勢手術です。

メリットがある一方で、デメリットもあります。

家族やかかりつけの獣医師とよく相談し、猫の年齢や体質も考えて、手術を受けるか受けないかを決めましょう。

 

メリット

スプレー行動や鳴き声などの発情行動を抑制できる可能性があります。

食欲不振といった不調の改善や、性格が穏やかになることにも期待できます。

女の子の場合は、早期に避妊手術をすることで、乳腺腫瘍の発生率を下げることが可能です。

猫の乳腺腫瘍は悪性も多いので、病気を予防できるという点でも手術には大きなメリットがあるといえます。

男の子の場合は、強烈な尿のにおいを抑えることができます。

猫の立場でいえば、発情中に相手に出会えないストレスが軽減されるでしょう。

 

デメリット

繁殖ができなくなること、麻酔が体調に影響を及ぼすリスクがあること、手術後に太りやすくなることなどが挙げられます。

 

猫の発情期に関するよくある質問 

猫の発情期について、多くの飼い主さまが疑問に思うことをQ&A形式でまとめました。

愛猫のためにも理解を深め、日々のケアに役立てていきましょう。

 

猫の発情期はどのくらい続きますか?

女の子の発情期は4日~10日ほどで、交尾を受け入れるのはこの時期だけですが、その前に1日~5日程度、発情の予兆がみられます。

男の子の場合は特に決まった発情期はなく、生後7か月~9か月で性的に成熟した体になればいつでも発情し、交尾が可能です。

 

猫の発情期はどのくらいの頻度で起こりますか?

猫の発情は日照時間が長くなる春から初秋にかけてが、シーズンといわれています。

女の子の場合は発情周期があるので、その期間に交尾や妊娠が成立しなければ、何度か発情することがあるでしょう。

 

猫の発情期を早く終わらせる方法はありますか?

猫の発情期の行動をやわらげる方法はありますが、早く終わらせる方法はありません。

綿棒で陰部を刺激して排卵を誘発するとよいという誤った情報も出回っているようですが、猫にとっては非常に危険な行為です。

絶対にしないようにしましょう。

 

猫の発情期で健康に影響はありますか?

発情は本能でもあり、特に健康に悪い影響を及ぼすものではありません。

ただし、行動が活発化したり攻撃的になったりすると、ケガなどにつながるおそれがあります。

猫の様子をよく観察して対処しましょう。

 

発情期の猫を留守番させる場合の注意点は?

発情期に相手を見つけたのに近づけないことは、女の子にとっても男の子にとっても大きなストレスです。

家を留守にするときは、相手を見つけさせないように、カーテンをひくなどして外が見えないようにしましょう。

そうでなくても、ストレスのかかりやすい時期です。

爪とぎやおもちゃなど、ストレス発散用のグッズも用意してあげるとよいです。

 

発情期の猫に避妊・去勢手術はできますか?

特に発情期のない男の子の去勢手術はいつでもできますが、女の子の避妊手術を発情期にすることは避けたほうがよいでしょう。

発情期のメス猫は子宮や卵巣の血流が増えていて、手術時の出血のリスクが高まるからです。

できれば最初の発情を迎える前、難しい場合は発情期を避けて手術することをおすすめします。

 

猫の発情期を理解し適切に対処しましょう

飼い主さまにとって、猫のマーキングや鳴き声などは悩ましいことですが、それぞれの行動には意味があります。

問題行動に悩んでいる場合は、避妊・去勢手術を検討すると同時に、正しい対処を心がけましょう。

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