なぜ猫にはお腹のたるみがあるの?たるみの理由を詳しく解説
「お腹がたぷたぷしているけどなんでだろう?」、「もしかして太ってきた?」と、心配になったことはありませんか?
このお腹のたるみは、猫にとって大切な役割があります。今回は、肥満や病気との見分け方もあわせて解説します。
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猫のお腹のたるみの正体とは?
猫の多くは、お腹の中心からうしろ足の付け根にかけて柔らかいたるみがあり、触るとたぷたぷしています。
たるみ具合に個体差はありますが、歩いたときにお腹が左右に揺れるほどたるみがある猫もいます。
太っているかのように見える猫のお腹のたるみですが、これは和製英語で「ルーズスキン」と表現されており、直訳すると「しまりのない皮膚」です。
名前のとおり、たるみの正体は脂肪ではなく、伸びてたるんだ「皮膚」であり、健康上の問題はありません。
お腹のたるみは猫だけではなく、ライオンやトラ、ヒョウといった野生に生息する大型の猫科動物にもあります。
「ルーズスキン」の役割
諸説ありますが、「ルーズスキン」は主に3つの役割があります。
外敵からお腹を守るため
1つ目は、防御機能であると考えられています。
動物は警戒心のある相手に対しては、決してお腹を見せません。
腹部には重要な臓器が集中し、動物にとって弱点の一つでもあります。
野生の猫は、猫同士の縄張り争いでケンカに発展する場合や、外敵に襲われる可能性があります。
例えば、腹部を噛みつかれたときなど、お腹のたるみにより、血管や内臓に傷が到達することを防ぎ、ダメージを最小限に抑える効果が期待できます。
大きな血管や内臓の損傷は命に関わるため、お腹のたるみはとても重要な防御機能だといえるでしょう。
特に、ライオンやトラなど野生に生息する大型の猫科動物は、常に危険と隣り合わせです。野生のような過酷な環境で生き抜くためには、皮膚のたるみが役に立っている可能性が高いでしょう。
素早く動けるようにするため
2つ目は、足の可動域を広げるためといわれています。
お腹の中心から足の付け根までの皮膚が伸びることで、足の可動域が広くなります。
急なジャンプやダッシュをした場合でも、皮膚が突っ張らないため、素早い動きが可能になります。
お腹を保温するため
3つ目は、保温機能であると考えられています。
厚めの皮膚がお腹を覆っていることで、体温を維持する効果が期待できます。
お腹を冷やさないよう保護するために巻く、腹巻と似たような機能です。
体温が下がると代謝が悪くなり、免疫力も低下し、病気にかかりやすくなってしまいます。
猫にとって体温を正常に維持することは、生命を保つうえでとても重要なのです。
どのような猫にお腹のたるみができる?
お腹のたるみは猫の身体的特徴としてあげられますが、すべての猫が同じようにたるんでいるわけではありません。
お腹のたるみが目立たない猫や、立派なたるみを持つ猫もいます。どのような猫にたるみができやすいのでしょうか。
成長の過程
お腹のたるみは、子猫から成猫に成長する過程で徐々に形成されます。
生まれたばかりの子猫のお腹は、パンパンに膨らんでおり、皮膚のたるみはまだありません。
お腹がたるみ始めるタイミングには個体差がありますが、1歳以上の成猫では既に形成されています。
肥満型や痩せ型など、体型の因果関係はないといわれており、多くの猫がお腹のたるみを持っています。
性別の因果関係
性別の因果関係はないといわれており、オス猫もメス猫も同じように形成されます。
メス猫はオス猫よりも、皮膚が伸びてお腹がたるみやすいといわれていますが、そのたるみはルーズスキンとは異なり、後天性のたるみになります。
例えば、避妊手術の影響や妊娠・出産によって、皮膚が伸びてたるんでしまうことがあります。
また、肥満型の猫が痩せた場合、身体が小さくなることで皮膚が余ってしまいますが、ルーズスキンとは異なります。
ルーズスキンと肥満の見分け方
お腹のあたりを触る
まずは猫のお腹周辺を触ってみましょう。
猫のお腹の中心から足の付け根にかけて、たるんでいる部分をつまんでみたときに、柔らかい皮膚のみが触れる場合はルーズスキン、やや厚みがあり皮膚の下にぷよぷよとした触感がある場合、それは肥満の可能性があります。
もし何か硬い感触がある場合は、腫瘍や炎症によって「しこり」ができている可能性がありますので、動物病院を受診しておくと安心です。
猫を上から見る
見た目からでも肥満かどうかを判断できます。 猫を上から見たときに、太っていなければお腹の側面にはくびれがあります。
くびれがなく、お腹周りが膨れていて脂肪が蓄えられている場合は、肥満の可能性があります。
皮膚がたるんでいるだけではなくぽっちゃりとしていたら、それは肥満かもしれません。
まとめ
たぷたぷとしたお腹のたるみは、さまざまな機能があります。
愛猫のお腹が張っている、様子に違和感があるといった場合は、何か病気が隠れている可能性がありますので、動物病院を受診しましょう。
ルーズスキンを触る場合、お腹を触られることが嫌いな猫もいるので、注意しながらスキンシップをとりましょう。
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