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犬の腎臓病の原因や治療法、予防について獣医師が解説!

公開日:2023.11.21 最終更新日:2023.11.20

ワンちゃんの腎臓病は、完治が難しい病気の一つです。
そのため、なるべく早い段階で治療をはじめることがとても重要です。
ここでは、ワンちゃんの腎臓病の原因や症状、予防について紹介します。

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犬の腎臓病とは

犬の腎臓病とは?

腎臓の主な働きは、血液をろ過して老廃物を尿として排出し、体を巡る血液をきれいにすることです。

ほかにも、体内の水分量や血圧の調整、カルシウムの吸収を助けて骨を強くするなどの働きがあります。

腎臓病は、何らかの原因で腎臓の機能が低下し、老廃物がうまく排泄できずに体に溜まってしまう病気です。

 

どのような症状が出るの?

どのような症状が出るの?

腎臓病には「急性」と「慢性」の2種類があります。

 

急性腎障害の場合

急性腎障害では、以下のような症状がみられます。

  • 嘔吐
  • 食欲がなくなる
  • 尿の量が急に減る、まったく出なくなる
  • ぐったりする
  • 呼吸が荒くなる
  • 原因や腎臓のダメージにもよりますが、早期に適切な治療をすることで回復できる可能性があります。

     

    慢性腎臓病の場合

    慢性腎臓病では、初期症状が出ないことが多く、ある程度進行すると以下のような症状がみられます。

  • 尿の回数や量が増える
  • 水をたくさん飲む
  • 食欲がなくなる
  • 体重が減る
  • 毛艶が悪くなる
  • さらに症状が進行し、体の中に老廃物が蓄積して「尿毒症」という状態になると、嘔吐や口臭がきつくなることがあります。

     

    犬の腎臓病の原因

    犬の腎臓病の原因

    急性腎障害の場合

    人間の薬品など毒性のあるものを食べてしまった、重度の脱水や心臓病の影響で腎臓に流れ込む血液の量が極端に減少してしまった、結石による尿路閉塞などで体外に尿を排泄されないことが考えられます。

     

    慢性腎臓病の場合

    慢性的な腎臓の炎症がきっかけになることもありますが、原因がわからない場合もあります。

     

    かかりやすい犬種や年齢

    腎臓病にかかりやすい犬種は特になく、すべての犬種にかかる可能性があります。

    特に慢性腎臓病は、高齢犬で発症するリスクが高くなります。

     

    犬の腎臓病の治療法

    犬の腎臓病の治療法

    腎臓自体は再生することがないため、残っている腎臓の機能をサポートする治療を行います。

     

    点滴

    腎臓への血流を安定化させる、脱水を改善するために、静脈点滴や皮下点滴を行います。

    体液量が増えると尿量も増えて、体内の老廃物の排出を促進することができます。

    ワンちゃんの脱水を防ぐためには、新鮮な水をいつでも飲める環境を整えておくことも大切です。

     

    食事療法や投薬

    腎臓病に特効薬はなく、主な治療は、リン・タンパク質・ナトリウムなどを制限した療法食です。

    症状にあわせて、吐き気止め、リンの吸着剤、高血圧やタンパク尿を抑える薬などを使用することもあります。

     

    透析

    人間では腎臓病の治療として血液透析が行われることが多いですが、ワンちゃんの場合は実施できる施設が限られていることや、費用・通院頻度などが課題となっており、一般的な治療法ではありません。

    興味がある方は、かかりつけの動物病院で相談しましょう。

     

    犬の腎臓病の予防

    犬の腎臓病の予防法

    急性腎障害の場合

    ワンちゃんが食べてはいけないものを口に入れさせないことは、飼い主さまができる1番の対策です。

    腎障害を引き起こすものには、人間用の鎮痛剤や風邪薬、ぶどうやレーズン、ユリ科の植物、車の不凍液や保冷剤に含まれるエチレングリコール、鉛などがあります。

    また、レプトスピラなどの細菌による感染症や熱中症からも腎障害が起こる可能性があるので、混合ワクチンの接種や熱中症対策をしておきましょう。

    過去に尿石症にかかり治療を続けている場合は、定期的に尿検査を受けるようにしましょう。

     

    慢性腎臓病の場合

    初期の慢性腎臓病は飼い主さまが気付きにくく、なんとなく元気がないなと思っていても、高齢だからと見過ごしてしまうこともあります。

    0歳~6歳までは1年に1回、7歳以降は半年に1回を目安に、健康診断を受けるようにしましょう。

     

    まとめ

    急性腎障害の場合は進行が早く、命に関わることもあります。

    日ごろから水を飲む量や排尿の様子など、ちょっとした変化に気を配るようにしておきましょう。

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