猫の皮膚病とは? 症状・種類・対策などを獣医師が解説

猫の皮膚病は、強いかゆみ、脱毛、発疹や赤み、かさぶたなどの症状が見られる病気の総称で、いくつかの種類に分けられます。
原因として多いのは、アレルギー、菌の感染、ストレスなどです。
動物病院で診察を受け、適切に治療をすれば症状は改善しますが、発症防止や再発予防のためには、飼い主さまによる対策も欠かせません。
ここでは猫の皮膚病について、症状や種類、対策について紹介します。
アイペット損保のペット保険は
12歳11か月まで新規加入OK!
ニーズに合わせて2つの商品から選べる
猫の皮膚病ってどのような病気?
猫が皮膚病になると、かゆがって体を掻いたりなめたりする、毛が抜けるなど、さまざまな症状が出ます。
どのような症状が出るの?
猫の皮膚病でよく出る症状は「かゆみ」「脱毛」「発疹」「皮膚の赤み」「フケ」「かさぶた」「皮膚のべたつき」「出血」「潰瘍(かいよう)」などです。
潰瘍とは、皮膚が炎症を起こしたり、ただれたりした状態をいいます。
症状が出る部位としては、耳、おなか、股、指の間、目や口の周りなどさまざまです。
猫がかゆみを直接訴えることはできませんが、体の同じ部位ばかりを何度もなめる、足でしきりに体を掻くしぐさが見られたら、かゆみがあるサインと考えられます。
猫にとって毛が抜けることは日常的なことですが、束になった抜け毛を発見したときには注意が必要です。
脱毛がひどくなると、皮膚が露出したり、露出した範囲が広がったりすることもあります。
猫の毛をかき分けたりしながら、皮膚に異常がないかしっかり観察することが大切です。
かかりやすい猫の種類
皮膚病はどんな種類の猫でも発症する可能性のある病気ですが、猫の種類によって特にかかりやすい症状の傾向があります。
アビシニアンやメイン・クーンはアレルギー性の皮膚炎、ペルシャやヒマラヤン、エキゾチック・ショートヘアは、真菌(しんきん)感染による皮膚病になりやすいといわれています。
猫の真菌症について、詳細は以下記事で解説しているので、あわせてご一読ください。
猫の皮膚病の原因
猫の皮膚病の原因は、大きく「アレルギー」「菌などの感染」「ストレスなどの心因性」の3つに分けることができます。
アレルギーによるもの
猫も人間同様にアレルギー性皮膚炎や、アトピー性皮膚炎といったアレルギー反応による皮膚病を発症することがあります。
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)はいくつかありますが、猫に多く見られるのは、「食べ物」「ノミ」「花粉やほこり」です。
いずれの場合も、強いかゆみを伴います。
顔や首周辺、おなかから内股あたりに症状が出やすいことも特徴です。
菌などの感染によるもの
真菌や細菌に感染したときも、皮膚病を引き起こします。
真菌はカビのような菌ですが、中でも気をつけたいのが「皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)」です。
皮膚糸状菌に感染すると、部分的な脱毛を引き起こします。
皮膚糸状菌のみの感染であればかゆみはそれほど強くはないものの、ほかの細菌が二次感染することでかゆみがひどくなることも少なくありません。
さらに、ほかの猫や犬、人間にも感染する可能性があるので注意が必要です。
心因性(ストレス)によるもの
猫は毛づくろいで気持ちを落ち着けますが、ストレスが強くなると、毛が抜けて皮膚が荒れるほどなめてしまうことがあります。
猫にとってのストレスの原因には、例えば引っ越しなどによる環境の変化、トイレの汚れなどが挙げられます。
ストレスによる皮膚炎にかゆみはありませんが、皮膚をなめ続けてしまうと傷から細菌感染が起こり、かゆみが出ることもあります。
猫の皮膚病の治療法
猫が皮膚病になった場合、細菌感染なら抗生物質、ノミならば外部寄生虫駆除薬など、原因に応じた薬が処方されます。
一般的には、内服薬と塗り薬の2種類での治療になるでしょう。
内服薬を嫌がる場合は、注射で薬剤を投与することもあります。
皮膚病は自然治癒するケースもありますが、長期化し悪化する可能性もあります。
症状が軽いうちに動物病院に連れていき、獣医師に相談しましょう。
猫の皮膚病に効果的な対策
原因に応じて適切に対策しましょう。
アレルギーの場合はアレルゲンの除去、感染症の場合は適切な抗菌薬の使用、心因性の場合は生活環境の見直しなどが効果的です。
アレルギーの場合
動物病院の検査だけでアレルゲンを特定するのは難しいですが、症状が出るタイミングや生活環境から原因物質のあたりをつけ、できるだけ避けるようにします。
フードはアレルギー物質を含まないものが基本です。
ノミやダニには、専用の駆虫薬もあります。
花粉やほこりは、完全に除去することは難しいのですが、空気清浄機の使用や定期的なシャンプーも対策の一つです。
ただし、一般的に猫は水が苦手でシャンプーを嫌がることもあります。
無理なシャンプーはストレスの原因にもなるので、気をつけましょう。
菌などの感染の場合
菌の感染で皮膚炎を発症した場合は、抗菌シャンプーが効果的です。
獣医師の指示にしたがって使用しましょう。
菌による感染を防ぐには、定期的なブラッシングや保湿のケアもおすすめです。
ブラッシングしながら皮膚の状態もチェックすると、早期発見にもつながります。
心因性(ストレス)の場合
室温や湿度、ベッドやトイレの清潔度など、猫にとって不快なことはないか、生活環境を見直してあげましょう。
スキンシップの時間が足りていないと、ストレスを感じることもあります。
原因は個体差があるので、思い当たることを一つ一つチェックしながら、対処してみてください。
猫の皮膚病への理解を深め対策しましょう
猫が皮膚病にかかると、激しいかゆみを感じたり、脱毛、発疹などの症状を引き起こしたりします。
原因は、アレルギー、細菌感染、ストレスなどです。
愛猫の皮膚に異常が見られたら、原因を考えながら、動物病院で受診しましょう。
アレルギーなど完治が難しいケースがあるものの、飼い主さまの対策次第で、症状が軽くなることもあります。
愛猫のために、ぜひ理解を深めてください。
アイペット損保のペット保険は
12歳11か月まで新規加入OK!
ニーズに合わせて2つの商品から選べる