猫の脱毛の原因は? 対策や治療法について獣医師が解説!

猫の脱毛は、飼い主さまにとって心配な症状の一つです。
脱毛の原因は、換毛期、アレルギーなどいくつかありますが、症状がひどい場合は治療が必要です。
愛猫の健康のためにも、かゆみや赤みはないかなど皮膚の様子をよく観察し、適切に対処しましょう。
この記事では脱毛の原因や対策、治療法について解説します。
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猫の脱毛の原因とは?
脱毛の原因は次の5つが多いとされています。
換毛期
猫には、春から夏にかけてと、秋から冬にかけての年に2回、毛が生え変わる換毛期があります。
この時期はふだんより抜け毛が増えますが、自然現象なので心配する必要はありません。
環境の変化
引っ越しなど住環境の変化があった場合のストレスや、フードを変えた場合の栄養バランスの乱れなどが脱毛の原因になることがあります。
ブラッシング不足
猫の毛は自然に抜け落ちるものですが、日常のブラッシングが不足していると、1回のブラッシングで取れる毛の量が多いと感じるかもしれません。
換毛期など、抜け毛が増えて体にまとわりついた状態は、猫にとっては不快です。
そのストレスや、毛を取り除くためのグルーミングのしすぎで脱毛してしまうこともあります。
アレルギーや細菌感染
ノミやダニなどの寄生虫、食べ物や花粉が原因となるアレルギー、細菌感染などにより脱毛してしまうこともあります。
この場合は、皮膚病として治療が必要です。
猫の皮膚病につきましては以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ホルモンの異常
避妊・去勢手術をした猫では、性ホルモンのバランスの乱れが原因となって脱毛することがあります。
この場合、症状が起こりやすいのは、お腹や内股あたりです。
ケースとしてはまれですが、甲状腺機能の異常、クッシング症候群*などのホルモン系疾患も、脱毛の原因になるといわれています。
*副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)とも呼ばれます。副腎という臓器から、コルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることで発症します。
猫の脱毛の症状
脱毛は、毛が抜けて皮膚があらわになっている状態です。
かゆみや赤み、炎症といった皮膚の異常を伴うこともあります。
アレルギーやホルモン異常の場合は、脱毛部が左右対称になる特徴が見られます。
猫の脱毛の対処法
猫の脱毛に気づいたときは、原因や症状をよく観察して対処法を考えましょう。
しばらく様子を見てよい場合もあれば、すぐに動物病院で受診したほうがよい場合もあります。
様子を見てよい場合
脱毛が1か所でそれほど目立たず、かゆみや赤み、炎症など皮膚に異常が出ていない場合は、換毛期やブラッシング不足による脱毛かもしれません。
丁寧にブラッシングをして抜け毛を取り除きながら、様子を見てみましょう。
その際、脱毛の大きさや数、皮膚の状態もチェックしてください。
動物病院に連れていく場合
特に次のような症状がある場合は、皮膚病の可能性があります。
早めに動物病院で受診しましょう。
- 激しくなめたり掻いたりする
- 皮膚に傷ができている
- 左右対称に毛が抜けている
- 脱毛面積が大きくなったり、複数に広がったりしている
- 脱毛部位に赤みや炎症が出ている
動物病院では、症状によってさまざまな検査をして原因を特定します。
かゆみ、赤みや発疹など、皮膚に異常が見られる場合、被毛や皮膚を採取して寄生虫や細菌の有無をチェックする検査が行われます。
皮膚に目立った異常がなく、アレルギーやホルモン異常が疑われる場合は、血液検査、アレルギーテストを行うほか、獣医師の判断で尿検査やレントゲン検査を実施することもあります。
猫の脱毛の治療法
脱毛の治療法は、原因によって異なります。
ノミやダニなどの寄生虫の場合
外用薬での駆除が基本です。
症状の程度によっては、内服薬が処方されることもあります。
細菌感染の場合
抗生物質を含む内服薬と、症状がひどければ塗り薬の処方が基本です。
抗菌作用のあるシャンプー療法を併用することもあります。
アレルギーの場合
原因物質をできるだけ除去します。
食物アレルギーの場合は、アレルギーを引き起こす食材を与えないようにします。
花粉やほこりにアレルギーがある場合は、完全に排除することは難しいかもしれません。
空気清浄機の使用や、こまめな掃除を心がけて、できるだけ原因物質を排除するようにして対処します。
ホルモン異常の場合
内科的な治療を受けることになります。
具体的には、投薬治療によりホルモンの量を調節します。
そのほか、獣医師の判断により、サプリメント、シャンプー療法、食事療法など、必要な治療が行われます。
猫の脱毛への理解を深め対策しましょう
猫の抜け毛は日常的に見られますが、まとまって抜けたり、脱毛部位が目立ったりするときには注意が必要です。
普段のスキンシップの際に被毛の状態をチェックしましょう。
脱毛部位をよく観察し、気になることがある場合は、早めに動物病院で受診して治療することが大切です。
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