メイン・クーン

メイン・クーン

アメリカ原産の長毛種であるメイン・クーンは、厳しい寒さを乗り切るためのふさふさの毛と、大きくて頑丈な体が特徴です。
その大柄な見た目とは裏腹に、いくつになっても子猫のような愛らしさと、子どもや他のペットとも仲良くする穏やかな優しさを持っています。
厳しい気候に適応してきた丈夫な猫ではありますが、心臓病や腎臓病になるリスクがある品種でもあるので、日ごろから体調の変化には十分に気を付けましょう。

  1. メイン・クーンの特徴
  2. メイン・クーンにかかる飼育費
  3. メイン・クーンの飼育のポイント
  4. メイン・クーンのかかりやすい病気・ケガ

メイン・クーンの特徴

メイン・クーンの性格

ネズミを退治する「ワーキングキャット」として人と共生してきた歴史から、穏やかで人懐っこい性格です。
飼い主さまの行くところやしていることには興味津々です。
家の中をついて回ったり、ドアの前で飼い主さんが出てくるのをじっと待っていたりする可愛い一面もあります。
また賢いので、訓練次第では犬のように投げたおもちゃを取ってくる子もいるようです。

メイン・クーンの容姿

大きくがっしりした体、分厚い光沢のある毛、大きな目、長く立派な尾が特徴です。
前足よりも後ろ足の方がやや長いです。
顔の輪郭はどちらかというと面長で、大きな目は少しつり気味で、目と目の間は広めです。
ややカーブした鼻筋、きりりとした口元という顔立ちをしています。
耳は大きな三角形で頭の高いところに位置し、先端の飾り毛もポイントです。

メイン・クーンの被毛・毛色

被毛は、「シャギーコート」といわれる毛の長さが不ぞろいで光沢のある分厚い毛質です。
毛は密ではなく、首周りと腹部は長めになっています。
毛色は多様ですが、最も一般的なのはブラウンタビー(茶色の縞模様)で、他にも単色、三毛、シルバーパターン(毛先が銀色)などがあります。
雪の上でもしっかり歩けるように足は大きくて毛深く、暖かさを保持するために耳にもふさふさの毛が生えています。

メイン・クーンの歴史

メイン・クーンは北アメリカ原産の古い品種の一つであり、メイン州の猫として公式に認められています。
その起源には数々のユニークな説があり、猫とアライグマの交配からうまれたという、生物学的には不可能な話もあります。
有名な説は、フランス革命時、マリー・アントワネットがアメリカに亡命を計画していた際に飼っていた猫が起源であるとするものです。
そして、現在最も有力とされているのは、元々アメリカに存在していた短毛の猫と、バイキング達によって持ち込まれた長毛の猫との交配によってうまれたという説です。
メイン・クーンはボストンやニューヨークなどのキャットショーで初期の頃から人気を博しており、1895年のマディソン・スクエア・ガーデン・ショーでは最高賞を受賞しました。

メイン・クーンのサイズ

成長したメイン・クーンの体長は100cmで、体重は4kg~8kg程度です。 「世界一大きな猫種」といわれるだけあり、一般的なネコちゃんに比べると大きいです。

メイン・クーンにかかる飼育費

初期費用

メイン・クーンをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

混合ワクチン(5,000~7,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数により費用が異なります。

最初に用意しておきたいグッズ(15,000円程度)

ネコちゃんをお迎えした時点で用意しておけると良いグッズは、ケージやサークル、トイレ、猫砂、食器、フード、爪とぎ、キャットタワー、おもちゃなどです。
ほかのネコちゃんとトイレを共有するのを嫌がる子もいるため、多頭飼育の場合はネコちゃんの頭数+1個トイレを用意すると安心です。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(3,000円前後)

市販の猫主食用ドキャットフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(2,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

光熱費(1,000円前後)

室内調整に欠かせないエアコン代も考慮しておくと安心です。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費等を含む猫の毎月の平均支出金額は7,286円です。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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メイン・クーンの飼育のポイント

体に合った大きなケージが必要

猫は基本的に薄明薄暮性の動物なので、日中は寝て過ごすことが多いです。
体に合った大きなケージを用意し、安心して寝られるスペースを確保してあげましょう。
成長に合わせ充分に運動できるスペースを用意してあげることも必要です。

フードの選び方

主食は、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。
長毛種のため毛づくろいで毛を大量に飲みやすい傾向があります。
毛玉に配慮したフードを与えてもいいでしょう。
猫はもともと飲水量が少なくても生きていける体の構造ですが、結石症や腎臓病にかかりやすいので、なるべく水分を摂らせるよう注意しましょう。

定期的なブラッシング

しっかりした毛質の長毛なので、こまめなブラッシングが必要です。
短毛の猫と違って毛が絡みやすく毛玉もできやすいので、ブラッシングをする際は、コームやピンブラシで全身の毛のもつれをほぐしてあげるといいでしょう。
猫は水が苦手とされていますが、シャンプーが定期的にできると良いですね。

トイレのしつけ

ネコちゃんのしつけでカギとなるのは、トイレのしつけです。
ソワソワした様子が見られたらトイレに連れて行き、猫砂の上に立たせてあげましょう。
上手にできたら褒めてあげます。
ネコちゃんは繊細できれい好きです。トイレは静かで落ち着いた場所に置き、使用後はすぐに手入れをして、清潔をに保ってあげましょう。

メイン・クーンのかかりやすい病気・ケガ

子猫~成猫

股関節形成不全

股関節を形成している骨盤の骨と大腿骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。犬では大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因です。歩く時に腰が左右に振れたり、階段の上り下りを嫌がったりします。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

赤血球にエネルギーを供給するのに必要なピルビン酸キナーゼという酵素が不足し、赤血球が壊れることで貧血になってしまう、遺伝性の病気です。慢性的な貧血の状態に体が順応してしまうと症状がでないことも多いですが、進行すると粘膜が白くなったり、疲れやすくなります。

尿石症

体内のミネラル成分が集まって、結晶や結石をつくる病気です。細菌感染、体質、ミネラルの多い食べものなどが主な原因となります。結石は主に膀胱、尿道、腎臓に形成され、頻尿や血尿がみられるほか、尿道に詰まってしまうと尿が出なくなることもあります。

成猫~

肥大型心筋症

心筋が厚くなって心臓の部屋が狭くなり、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる病気です。主に遺伝や加齢によって起こります。血流が悪くなることで血栓ができやすくなり、それが血管に詰まって後ろ足の麻痺が起こったり、突然死する危険性もあります。

慢性腎臓病

腎臓の働きが悪くなり、体内の毒素を尿として排出できなくなってしまう病気です。高齢の猫に非常に多く、徐々に進行していきます。水をたくさん飲む、おしっこが薄くなり量が増える、食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)