ブリティッシュ・ショートヘア

ブリティッシュ・ショートヘア

まん丸の顔にシマリスのような頬、笑っているように見える顔は、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」に登場するチェシャ猫のモデルとしても有名です。
愛情深く気品がありつつも、かつては家畜小屋をネズミなどの害獣から守るハンターであったため、俊敏で遊ぶのが大好きです。
体は比較的丈夫な猫種ではありますが、多くの猫種同様、高齢期は腎臓や心臓の病気に注意が必要です。

  1. ブリティッシュ・ショートヘアの特徴
  2. ブリティッシュ・ショートヘアにかかる飼育費
  3. ブリティッシュ・ショートヘアの飼育のポイント
  4. ブリティッシュ・ショートヘアのかかりやすい病気・ケガ

ブリティッシュ・ショートヘアの特徴

ブリティッシュ・ショートヘアの性格

愛想がよくフレンドリーで、ほかのペットや子供に対しても我慢強い性格です。
膝の上に乗ってじっとすることや、大人しく抱かれるのは得意ではありませんが、飼い主さまのそばにいることを好みます。

ブリティッシュ・ショートヘアの容姿

ブリティッシュ・ショートヘアは、中型~大型の猫種に分類され、がっしりとした筋肉質な体格をしています。
丸い頭に短い鼻、大きく見開いた目にほほえみを浮かべたような顔が特徴的です。
足は骨太で、尾も太く先端が丸くなっています。

ブリティッシュ・ショートヘアの被毛・毛色

ブリティッシュ・ショートヘアは短毛種に分類されますが、非常に密度が高く、滑らかな毛質です。
ロングヘアの子の場合は、ペルシャのようなふわふわの容姿になります。
毛色はブルー(グレー)が最もスタンダードな色となります。
そのほか、ブルー&ホワイト、クリーム、ブルートーティー、レッド・マッカレル・タビー&ホワイトなどがあります。
また、毛色によって目の色も金、銅、青、深緑などさまざまです。

ブリティッシュ・ショートヘアの歴史

ブリティッシュ・ショートヘアはイギリス原産で、もっとも古い猫種のうちのひとつとされています。
その起源はエジプトから輸入されたのち、ローマ人がイギリスを侵略した際に連れていたと考えられます。
1914年から1918年の間にはペルシャとの交配が行われ、ロングヘアのタイプも生まれました。
そして、短毛のネコちゃんはブリティッシュ・ショートヘア、長毛のネコちゃんはペルシャの繁殖プログラムに組み込まれました。
しかし世界大戦を経て個体数が激減してしまったため、ブリーダーたちは再びロシアン・ブルーやペルシャなどをかけ合わせることで、ブリティッシュ・ショートヘアという猫種を復活させようとしました。
現在ではペルシャの特徴である長毛が残っているブリティッシュ・ロングヘアとともに、人気の猫種となっています。

ブリティッシュ・ショートヘアのサイズ

体長は40cm~50cmほどで、一般的なネコちゃんに比べるとやや大きめです。
体重は、男の子の場合4kg~8kg、女の子の場合3kg~5kg程度です。
ブリティッシュ・ショートヘアはゆっくり成長し、子猫から成猫になるまでには、3年から5年ほどかかります。

ブリティッシュ・ショートヘアの寿命

およそ14~17歳とされています。猫種の中ではやや長めの寿命です。

ブリティッシュ・ショートヘアにかかる飼育費

初期費用

ブリティッシュ・ショートヘアをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

混合ワクチン(5,000~7,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数により費用が異なります。

最初に用意しておきたいグッズ(15,000円程度)

ネコちゃんをお迎えした時点で用意しておけると良いグッズは、ケージやサークル、トイレ、猫砂、食器、フード、爪とぎ、キャットタワー、おもちゃなどです。
ほかのネコちゃんとトイレを共有するのを嫌がる子もいるため、多頭飼育の場合はネコちゃんの頭数+1個トイレを用意すると安心です。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(3,000円前後)

市販の猫主食用ドキャットフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(2,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

光熱費(1,000円前後)

室内調整に欠かせないエアコン代も考慮しておくと安心です。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費等を含む猫の毎月の平均支出金額は7,286円です。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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ブリティッシュ・ショートヘアの飼育のポイント

定期的なブラッシング

ブリティッシュショートヘアは短毛のみで毛が厚く密生しています。
毎日のお手入れは獣毛ブラシで軽くブラッシングをしてあげましょう。
特にロングヘアの子は子猫の頃からブラッシングに慣れさせてあげましょう。
毛が生え変わる換毛期のブラッシングは、ラバーブラシや獣毛ブラシとくに念入りにしますが、シャンプーをしてあげるとより効果的です。

フードの選び方

主食は美しい被毛を保つため、高タンパク質の食事総合栄養食を与えましょう。
太りやすい傾向もあるので、適度な運動に加えて適切な食事管理をしてあげましょう。
肥満になると心臓や関節に負担がかかったり、糖尿病のリスクが高まったりするので、注意が必要です。
猫はもともと飲水量が少なくても生きていける体の構造ですが、結石症や腎臓病にかかりやすいので、なるべく水分を摂らせるよう注意しましょう。

誤飲や誤食に注意

運動能力が高いので、上下運動できるキャットタワーを用意しましょう。
お留守番させるときは、入って欲しくない場所には行けないよう制限し、誤食につながるような細かいものなどは片付けておきましょう。

1日に5~10分程度は遊ぶ

お気に入りのおもちゃを使うなどして、1日に最低でも5~10分以上は集中して遊んであげましょう。
とても活発な猫種というわけではないですが、ハンター気質が残っているので、ネズミのおもちゃやレーザーポインターの光を追いかけるような遊びをしてあげるといいですね。

ブリティッシュ・ショートヘアのかかりやすい病気・ケガ

子猫~成猫

異物誤飲

食べてはいけないものを飲み込んでしまうことです。異物には、中毒を起こす食べものや、胃や腸に刺さったり詰まったりしてしまうものが含まれます。嘔吐や下痢などの消化器症状がみられたり、命の危険に繋がることもあります。

尿石症

体内のミネラル成分が集まって、結晶や結石をつくる病気です。細菌感染、体質、ミネラルの多い食べものなどが主な原因となります。結石は主に膀胱、尿道、腎臓に形成され、頻尿や血尿がみられるほか、尿道に詰まってしまうと尿が出なくなることもあります。

成猫~

肥大型心筋症

心筋が厚くなって心臓の部屋が狭くなり、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる病気です。主に遺伝や加齢によって起こります。血流が悪くなることで血栓ができやすくなり、それが血管に詰まって後ろ足の麻痺が起こったり、突然死する危険性もあります。

多発性のう胞腎

腎臓にのう胞(内部に液体のたまった袋)ができて腎臓の組織を圧迫し、腎機能が低下していく病気です。猫では遺伝的にみられることが多く、水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、食欲不振、嘔吐などの腎不全の症状がみられるようになります。

慢性腎臓病

腎臓の働きが悪くなり、体内の毒素を尿として排出できなくなってしまう病気です。高齢の猫に非常に多く、徐々に進行していきます。水をたくさん飲む、おしっこが薄くなり量が増える、食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)