エキゾチック・ショートヘア

エキゾチック・ショートヘア

エキゾチック・ショートヘアはペルシャによく似ていますが、毛が長くないのでお手入れは比較的簡単です。
低い鼻と大きな目が特徴で、ぬいぐるみのような愛らしい顔をしています。
鼻の低い品種に特有の症状や呼吸器の病気には注意が必要です。

  1. エキゾチック・ショートヘアの特徴
  2. エキゾチック・ショートヘアにかかる飼育費
  3. エキゾチック・ショートヘアの飼育のポイント
  4. エキゾチック・ショートヘアのかかりやすい病気・ケガ

エキゾチック・ショートヘアの特徴

エキゾチック・ショートヘアの性格

エキゾチック・ショートヘアはペルシャの血を引いており、基本的に温厚な性格の子が多いといわれています。飼い主さまの気を引こうと視線を送ってきたり、部屋を移動するときに後を追ってくるなど、甘えん坊な子もいます。一方で、アメリカン・ショートヘアの血を引いた好奇心旺盛な一面もあります。

エキゾチック・ショートヘアの容姿

幅の広い丸顔に短くてやや離れた耳、大きくて丸い目、低い鼻が特徴です。足は太くて短くしっかりしており、尾も短く丸みを帯びています。どこかアンバランスさを感じさせる顔は、とても愛嬌があります。全体的に体は筋肉質でがっしりしており、厚いふわふわの毛に覆われているため、ぬいぐるみのような容姿をしています。

エキゾチック・ショートヘアの被毛・毛色

一般的には毛が短い子が多いですが、ペルシャに近い長毛の子が生まれることもあります。登録団体によってエキゾチックやエキゾチック・ロングヘアと呼ばれます。毛色の種類は、ホワイト、クリーム、レッド、ブルー、ブラックなどがあります。模様は、タビー(縞模様)やバイカラー(2色)、キャリコ(三毛)など、毛色と模様のバリエーションが豊富なところも魅力のひとつです。

エキゾチック・ショートヘアの歴史

エキゾチック・ショートヘアの歴史は、アメリカン・ショートヘアとペルシャの交配によって生まれた、シルバーの毛と緑色の目をした子猫から始まりました。ブリーダーのジェーン・マーティンがこの子猫に注目し、「スターリング」という名前で新たな品種としての登録を目指しました。
最初はシルバーの毛の猫のみを指して名付けられましたが、ほかの毛色の猫も生まれたため、「エキゾチック・ショートヘア」と名前を変更しました。
また、同時期にキャロライン・バッセイというブリーダーが、バーミーズとペルシャを交配することで、茶色のペルシャを生み出そうとしていました。
生まれてきた子猫は想像していた茶色ではなく黒でしたが、そこから短毛のペルシャというアイディアをひらめきました。その後、ブリーダーたちの手によりエキゾチック・ショートヘアという猫種として確立していきました。

エキゾチック・ショートヘアにかかる飼育費

エキゾチック・ショートヘアの診療費

一般社団法人ペットフード協会の調査*1 では 、猫1頭の支出額は年間で、平均約 101,000 円の支出がされているとのデータが算出されています。

ペットにかかるお金の中でも、特に診療費の負担は無視できません。
アイペット損保が2021年に行った「ペットの支出に関する調査 2 」では、ペット関連支出の中で一番「支出額が大きい」と感じるものは何ですか?という問いに対して、犬飼育者の約32%、猫飼育者の約33%が「病気やケガの診療費」と回答しました。

ペットフードやトリミング代は、あらかじめ費用の目安がつきますし、低価格でトリミングしてくれるお店を探すなどの節約も可能です。
しかし、病気やケガに関する診療費は100 %自己負担で、程度により金額が異なるので、費用の目安をつけづらくなっています。
ペットの診療費は、想定以上にかかると認識しておき、余裕を持って予期せぬ事態に備えておくようにしましょう。

*1 2021 年 全国犬猫飼育実態調査の「猫飼育・給餌実態と支出」を参照(一般社団法人ペットフード協会)
*2 ペットの支出に関する調査(2021年)

エキゾチック・ショートヘアの飼育のポイント

エキゾチック・ショートヘアに必要なケア

ブラッシング

定期的なブラッシングを行うことで、抜け毛や毛玉を防ぐことができます。

運動

アメリカン・ショートヘア譲りの活発さから、遊ぶことも大好きです。
好奇心旺盛なのでおもちゃはもちろん、丸めた紙を追いかけたり、シンプルな遊びでも楽しむことができます。
ただし、口にしてはいけないものを食べてしまわないように注意が必要です。

水分摂取量

お水をあまり飲まない子もいるため、尿石症にかかりやすい傾向があります。濃い尿を長時間膀胱内に溜めないためにも、お水をちゃんと飲んでしっかり排尿をしてもらうことは大切です。フードやお水の与え方を工夫して、水分摂取量を増やしてあげましょう。

猫の尿石症の原因・症状と治療法は?

エキゾチック・ショートヘアのかかりやすい病気・ケガ

子猫~成猫

ドライアイ

乾性角結膜炎とも呼ばれ、涙の量が減ることで目が乾き、角膜や結膜に炎症が起こる病気です。主な原因は免疫の異常、感染症、外傷などで、目が乾くことで傷がつきやすくなったり、目ヤニが多くなります。

流涙症

涙の量が増えたり、たまった涙がうまく排出されなくなることで、涙があふれてしまう病気です。目の周りが常に濡れていたり、毛が茶色く変色する「涙やけ」と呼ばれる状態になっていたら、流涙症が疑われます。

異物誤飲

食べてはいけないものを飲み込んでしまうことです。異物には、中毒を起こす食べものや、胃や腸に刺さったり詰まったりしてしまうものが含まれます。嘔吐や下痢などの消化器症状がみられたり、命の危険に繋がることもあります。

短頭種気道症候群

呼吸困難を引き起こすようないくつかの病気が重なって起こる、マズルの短い短頭種に特有の病気です。いびき、口をあけてハアハアする呼吸(パンティング)、嚥下障害、嘔吐などの症状がみられ、暑さや肥満で悪化することがあります。

成猫~

多発性のう胞腎

腎臓にのう胞(内部に液体のたまった袋)ができて腎臓の組織を圧迫し、腎機能が低下していく病気です。猫では遺伝的にみられることが多く、水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、食欲不振、嘔吐などの腎不全の症状がみられるようになります。

慢性腎臓病

腎臓の働きが悪くなり、体内の毒素を尿として排出できなくなってしまう病気です。高齢の猫に非常に多く、徐々に進行していきます。水をたくさん飲む、おしっこが薄くなり量が増える、食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。
  • 猫種別飼い方ガイドには、アイペット損保のペット保険の補償対象外の傷病も掲載されている場合があります。
  • 補償開始日前からかかっていた傷病など、ご請求の内容により、保険金をお支払いできない場合もあります。

猫種別飼い方ガイドトップへ戻る

[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)