サイアミーズ(シャム)

サイアミーズ(シャム)

シャムは海外では「サイアミーズ」という名で呼ばれています。滑らかな体のライン、印象的な色のコントラスト、貴族的な顔、深い青色の目、短いシルクのような毛は、生きる芸術と評されるほどです。シャムはその見た目の美しさだけではなく、ヒョウのような優雅さ、シカのような素早さ、トラのような強さ、イヌのような愛情深さ、ライオンのような勇気をあわせ持っている品種とも表現されます。比較的丈夫な品種ではありますが、多くの猫同様、特に高齢期には歯の状態や腎臓病に注意が必要です。

  1. サイアミーズ(シャム)の特徴
  2. サイアミーズ(シャム)の飼育のポイント
  3. サイアミーズ(シャム)のかかりやすい病気・ケガ

サイアミーズ(シャム)の特徴

サイアミーズ(シャム)の歴史

正確な歴史は不明ですが、シャムとはタイの昔の国名で、タイに起源があると考えられています。タイに残る猫の詩をまとめた本には、薄い毛色に顔・尾・足・耳が黒い、まさに現在のシャムの姿の猫が記録されています。そしてシャムは1871年のキャットショーでヨーロッパに紹介され、1879年にはアメリカのラザフォード・ヘイズ大統領の妻への贈り物としてアメリカに渡りました。当時のシャムはシール・ポイント(ポイントとなる顔・尾・足・耳のカラーがこげ茶色)が主流でしたが、その後ブルー、チョコレート、ライラックなどのポイントカラーも現れるようになりました。

サイアミーズ(シャム)の容姿は?

胴長でエレガントな体、細長い手足と尾、V字型の頭、大きな三角形の耳を持っています。 一番の特徴は毛色とアーモンド型の深い青色の目です。毛は短くて光沢と艶があり、体に沿って生えていてとても滑らかな触り心地です。子猫のうちは真っ白ですが、成長に伴って体の中でも体温の低い耳・顔・足・尾にだけ色が付き、その色によってシール、ブルー、チョコレート、ライラックなどに分けられます。

サイアミーズ(シャム)の飼育のポイント

優雅で、活発で、賢く、よくしゃべる(よく鳴く)猫です。基本的には社交的で人と一緒にいるのを好みますが、気まぐれでマイペースな一面もあります。気分がのっている時は、犬のようにものを投げて取ってくる遊びをしたり、膝の上にのったり、一人遊びを楽しんだりします。子どもや他のペットとの相性も良い子が多く、寂しがりやです。お留守番をさせた時は、帰ってきてから一緒に過ごす時間をしっかりとってあげましょう。おしゃべり好きな猫としても知られているので、話したいことがありそうな時はじっくり聞いてあげましょう。寒さは得意ではないので、特に冬場は温度管理に注意し、暖かい場所に休めるスペースをつくってあげましょう。

サイアミーズ(シャム)のかかりやすい病気・ケガ

子猫~成猫

尿石症

体内のミネラル成分が集まって、結晶や結石をつくる病気です。細菌感染、体質、ミネラルの多い食べものなどが主な原因となります。結石は主に膀胱、尿道、腎臓に形成され、頻尿や血尿がみられるほか、尿道に詰まってしまうと尿が出なくなることもあります。

猫風邪

主にヘルペスやカリシといったウイルスが感染することで、くしゃみ、咳、鼻水、発熱などの風邪の症状がでます。また、目ヤニがみられることも多いです。特に免疫力の低い子猫や高齢の猫では重症化することもあります。

進行性網膜萎縮

光を感じ取る網膜という部分が萎縮して、徐々に視力が落ちていく遺伝性の病気です。初めは暗い場所での視力の低下が起こり、進行のスピードは様々ですが、最終的には失明に至ります。

成猫~

皮膚腫瘍

皮膚にできる腫瘍には、良性のものから悪性のものまで様々あります。品種によってできやすい腫瘍もありますが、基本的にはどんな犬猫でも注意するべき病気です。

歯周病

歯垢に含まれる歯周病菌が、歯と歯肉の間に入って炎症を起こします。歯垢は放っておくとザラザラした歯石になり、さらに歯垢が付きやすくなってしまいます。進行すると歯が抜けたり皮膚に穴が開いたり、菌が血液にのって心臓や腎臓に運ばれて炎症を起こすことがあります。

慢性腎臓病

腎臓の働きが悪くなり、体内の毒素を尿として排出できなくなってしまう病気です。高齢の猫に非常に多く、徐々に進行していきます。水をたくさん飲む、おしっこが薄くなり量が増える、食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)