アビシニアン

アビシニアン

短毛で筋肉質のアビシニアンは、まるで彫刻のような引き締まった見た目をしています。大きな声で鳴くことは少ないですが、とても綺麗な声をしています。アクティブかつ好奇心旺盛で、遊ぶことが大好きです。なんでも知りたがる性格と高い身体能力から、お家の中でも高い所にのぼることや、狭い所に入り込んでしまうことがあるので、思わぬ事故に注意が必要です。また、多くの猫同様、高齢になると腎臓病のリスクが高まります。

  1. アビシニアンの特徴
  2. アビシニアンをお迎えする方法
  3. アビシニアンの飼育のポイント
  4. アビシニアンのかかりやすい病気・ケガ

アビシニアンの特徴

アビシニアンの歴史

アビシニアンは最も古くから知られている猫種のひとつとされていますが、その歴史に関しては諸説あります。古代エジプトの壁画や芸術品に描かれていた猫がアビシニアンに似ていることから、その子孫なのではないかという説や、1868年のイギリス・アビニシア(現在のエチオピア)戦争の時にイギリス軍の兵士が連れて帰った猫が起源となったのではないかという説があります。しかし、最近の遺伝子研究では、アビシニアンはインド・ベンガル湾の沿岸地域周辺に先祖がいた可能性があることが明らかになっています。その後、アビシニアンはイギリスで繁殖と改良を繰り返し、1930年代になるとアメリカでも繁殖が本格化され、人気の猫種へと成長していきました。

アビシニアンの容姿は?

体は中型で柔軟ですが、筋肉もついており運動能力が高いです。頭は丸みを帯びていて、前方に傾いた耳は大きく、アーチ型になっています。大きな目はアーモンド型をしていて、色合いはゴールドや琥珀色、緑色などさまざまです。毛は短いですが、弾力があってやわらかい触り心地です。アビシニアンの毛はティックドタビーといって、1本の毛の中に色の濃淡があるのが特徴です。毛色はルディー(赤茶色)、チョコレート、シナモン、ブルーなどがあります。

アビシニアンをお迎えする方法

ペットショップでアビシニアンを探す

ペットショップからアビシニアンをお迎えするメリットは、お迎えと同時に必要なグッズやフードを揃えられることです。また、人との接し方やほかのネコちゃんに対する反応など、ペットショップでの様子を教えてもらうことで、一緒に生活するイメージが湧きやすくなるかもしれません。

ブリーダーからアビシニアンを紹介してもらう

ブリーダーからアビシニアンをお迎えするメリットは、血統がハッキリしているため、ある程度性格が予想できるということです。アビシニアンは基本的に飼い主さまには忠実な子が多いといわれていますが、本来ネコちゃんは警戒心の強い動物です。はじめてネコちゃんと一緒に生活する方は、神経質すぎない子を紹介してもらうと良いかもしれません。

アビシニアンの里親になる

保護猫の中には、元の飼い主さまと別れてしまう、親猫や人から愛情を注いでもらえないまま育つなど、さまざまな事情を抱えている子がいます。警戒心の強い子であればなおさら、新しい飼い主さまとの生活に慣れるまでには時間がかかるかもしれません。里親になる方は、その子がそれまで過ごしてきた時間や気持ちに寄り添い、ゆっくり信頼関係を築いていきましょう。

アビシニアンをお迎えするときの費用相場は?

アビシニアンをお迎えする際には、生体にかかる費用のほかに、以下のような費用がかかります。

混合ワクチン(5,000~7,000円前後)
感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数により費用が異なります。

最初に用意しておきたいグッズ(15,000円程度)
ネコちゃんをお迎えした時点で用意しておけると良いグッズは、ケージやサークル、トイレ、猫砂、食器、フード、爪とぎ、キャットタワー、おもちゃなどです。ほかのネコちゃんとトイレを共有するのを嫌がる子もいるため、多頭飼育の場合はネコちゃんの頭数+1個トイレを用意すると安心です。

アビシニアンをお迎えする方法には、それぞれにメリットがあるので、自分がネコちゃんをお迎えする際に何を重視したいのかを検討しましょう。ネコちゃんとの出会いは一期一会ですので、どこでお迎えするにしても、「この子を一生大切にしたい!」と思える子を選んでいただくのが一番かと思います。

アビシニアンの飼育のポイント

アビシニアンは飼い主さまに対して忠実で、しつけをしやすいといわれています。愛情深く、人間のことをよく観察していて、理解しようとしてくれます。とても好奇心旺盛で、取り巻く環境すべてに興味を示すといっても過言ではありません。冷蔵庫や本棚など高いところを見つけてのぼろうとするので、物を置かないように注意しましょう。また、エネルギーがあってパワフルなので、膝の上などでリラックスさせてあげるよりは、人も一緒になって遊んであげると喜びます。ただし、飼い主さまへの愛情が深いゆえに、ほかのペットには嫉妬することもあるので、相性には気をつけましょう。

アビシニアンのかかりやすい病気・ケガ

子猫~成猫

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

ピルビン酸キナーゼ欠損症

赤血球にエネルギーを供給するのに必要なピルビン酸キナーゼという酵素が不足し、赤血球が壊れることで貧血になってしまう、遺伝性の病気です。慢性的な貧血の状態に体が順応してしまうと症状がでないことも多いですが、進行すると粘膜が白くなったり、疲れやすくなります。

尿石症

体内のミネラル成分が集まって、結晶や結石をつくる病気です。細菌感染、体質、ミネラルの多い食べものなどが主な原因となります。結石は主に膀胱、尿道、腎臓に形成され、頻尿や血尿がみられるほか、尿道に詰まってしまうと尿が出なくなることもあります。

進行性網膜萎縮

光を感じ取る網膜という部分が萎縮して、徐々に視力が落ちていく遺伝性の病気です。初めは暗い場所での視力の低下が起こり、進行のスピードは様々ですが、最終的には失明に至ります。

成猫~

糖尿病

血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用が低下し、体が糖を利用できなくなる病気です。原因は遺伝や感染など様々で、肥満や加齢も発症のきっかけになるとされます。水をたくさん飲む、食欲はあるのに体重が減るなどの症状がみられます。

慢性腎臓病

腎臓の働きが悪くなり、体内の毒素を尿として排出できなくなってしまう病気です。高齢の猫に非常に多く、徐々に進行していきます。水をたくさん飲む、おしっこが薄くなり量が増える、食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)