ペルシャ

ペルシャ

日本で「チンチラ」と呼ばれている猫は、ペルシャという品種の一種です。ペルシャには様々なカラーバリエーションがあり、色によって特有の呼び名が付いていることがあります。一番の特徴はそのふわふわの華麗な毛と、大きくて丸い銅色の目をした、パンジーのような顔です。性格もとても穏やかで、どんな家庭でも飼いやすい品種として世界中で愛されていますが、鼻の低い猫に多くみられる症状や腎臓の病気に注意が必要です。

  1. ペルシャの特徴
  2. ペルシャをお迎えする方法
  3. ペルシャの飼育のポイント
  4. ペルシャのかかりやすい病気・ケガ

ペルシャの特徴

ペルシャの歴史

ペルシャの正確な起源は不明ですが、最も古い猫種の一つであるとされています。象形文字で残されているような古い記録にも、ペルシャを思わせる長毛の猫が登場します。また、イギリスで行われた最初のキャットショーにもペルシャが出場していた記録が残っています。当時のペルシャの容姿は、丸い頭、平らな顔、低い鼻、ずんぐりとした体であったと記述されており、現在のペルシャの容姿にかなり近かったことがうかがえます。1800年代の終わり頃にはすっかり人気のペットとなり、1900年までにはイギリスからアメリカに渡ったとされています。

ペルシャの容姿は?

丸い頭に筋肉質な体、短くずんぐりした足が特徴です。大きくて丸い銅色の目と低い鼻は、パンジーにたとえられ、優しい表情をつくっています。長くてふわふわの毛が全身を覆っており、尾も太くて立派です。毛の色や模様のバリエーションは実に多様で、毛質も弾力のあるシルクのようなものから、やわらかい綿のようなものまで様々です。

ペルシャをお迎えする方法

ペットショップでペルシャを探す

ペットショップからペルシャをお迎えするメリットは、自分の好みの毛色や顔立ちのペルシャが見つけやすいということです。ペルシャは長毛種の中でも最も分厚く豪華な被毛を持っており、毛色はもちろん、配色のパターンもソリッド(単色)、タビー(縞模様)、バイカラー(ホワイトとその他1色)などバリエーション豊富なので、好みの子を探してみてください。

ブリーダーからペルシャを紹介してもらう

ブリーダーからペルシャをお迎えするメリットは、血統がハッキリしているため、ある程度性格が予想できるということです。ペルシャは基本的に優しくて穏やかな性格の子が多いと言われていますが、本来ネコちゃんは警戒心の強い動物です。特にはじめてネコちゃんと一緒に生活する方は、神経質すぎない子を紹介してもらうと良いかもしれません。

ペルシャの里親になる

保護猫の中には、元の飼い主さまと別れてしまったり、親猫や人の愛情を注いでもらえないまま育ったりと、さまざまな事情を抱えている子がいます。警戒心の強い子であればなおさら、新しい飼い主さまとの生活に慣れるまでには時間がかかるかもしれません。里親になる方は、その子がそれまで過ごしてきた時間や気持ちに寄り添い、ゆっくり信頼関係を築いていっていただきたいと思います。

ペルシャをお迎えするときの費用相場は?

ペルシャをお迎えする際には、生体にかかる費用の他に、以下のような費用がかかります。

混合ワクチン(5,000~7,000円前後)
感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数により費用が異なります。

最初に用意しておきたいグッズ(15,000円程度)
ネコちゃんをお迎えした時点で用意しておけると良いグッズは、ケージやサークル、トイレ、猫砂、食器、フード、爪とぎ、キャットタワー、おもちゃなどです。他のネコちゃんとトイレを共有するのを嫌がる子もいるため、多頭飼育の場合はネコちゃんの頭数+1個トイレを用意すると安心です。

ペルシャをお迎えする方法には、それぞれにメリットがあるので、自分がネコちゃんをお迎えする際に何を重視したいのかを検討しましょう。ネコちゃんとの出会いは一期一会ですので、どこでお迎えするにしても、「この子を一生大切にしたい!」と思える子を選んでいただくのが一番かと思います。

ペルシャの飼育のポイント

優しくて穏やかな性格で、どんな家庭にもすぐに馴染める子が多いです。常に優しく扱われることを望んでおり、騒がしい雰囲気はあまり好きではありません。静かに歌うような声で鳴きますが、鳴いて何かを訴えるよりも、その大きくて表情豊かな目でコミュニケーションをとろうとします。あまりアクティブなタイプではないので、高い所にのぼるよりも、安全な地上にいることを好みます。もちろんおもちゃなどで遊ぶのも大好きですが、それと同じくらい、お気に入りの場所でのんびりするのも好きなようです。ただし、その分運動不足になりがちなので、食事管理をしっかりして肥満にならないように注意しましょう。また、やわらかい毛は毛玉になりやすいので、定期的にブラッシングをしてコミュニケーションをとるようにしましょう。

ペルシャのかかりやすい病気・ケガ

子猫~成猫

尿石症

体内のミネラル成分が集まって、結晶や結石をつくる病気です。細菌感染、体質、ミネラルの多い食べものなどが主な原因となります。結石は主に膀胱、尿道、腎臓に形成され、頻尿や血尿がみられるほか、尿道に詰まってしまうと尿が出なくなることもあります。

短頭種気道症候群

呼吸困難を引き起こすようないくつかの病気が重なって起こる、マズルの短い短頭種に特有の病気です。いびき、口をあけてハアハアする呼吸(パンティング)、嚥下障害、嘔吐などの症状がみられ、暑さや肥満で悪化することがあります。

流涙症

涙の量が増えたり、たまった涙がうまく排出されなくなることで、涙があふれてしまう病気です。目の周りが常に濡れていたり、毛が茶色く変色する「涙やけ」と呼ばれる状態になっていたら、流涙症が疑われます。

成猫~

肥大型心筋症

心筋が厚くなって心臓の部屋が狭くなり、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる病気です。主に遺伝や加齢によって起こります。血流が悪くなることで血栓ができやすくなり、それが血管に詰まって後ろ足の麻痺が起こったり、突然死する危険性もあります。

多発性のう胞腎

腎臓にのう胞(内部に液体のたまった袋)ができて腎臓の組織を圧迫し、腎機能が低下していく病気です。猫では遺伝的にみられることが多く、水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、食欲不振、嘔吐などの腎不全の症状がみられるようになります。

慢性腎臓病

腎臓の働きが悪くなり、体内の毒素を尿として排出できなくなってしまう病気です。高齢の猫に非常に多く、徐々に進行していきます。水をたくさん飲む、おしっこが薄くなり量が増える、食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)