アメリカン・カール

アメリカン・カール

アメリカ原産の品種の一つで、外側にくるっと反った耳が特徴ですが、耳が巻いていない子が産まれる場合もあります。体つきはスタイリッシュで、活動的な雰囲気を感じさせます。短毛種と、尾に豊富な飾り毛の生えた長毛種がおり、多様な毛色があります。とても明るく人懐っこい性格をしているので、しっかりスキンシップをとりたい人には良いパートナーになってくれるといえます。その特徴的な耳の形から、耳道が狭く炎症が起こりやすい傾向があるので、日ごろから気を付けておきましょう。

  1. アメリカン・カールの特徴
  2. アメリカン・カールをお迎えする方法
  3. アメリカン・カールの飼育のポイント
  4. アメリカン・カールのかかりやすい病気・ケガ

アメリカン・カールの特徴

アメリカン・カールの歴史

1981年6月、カリフォルニア州レークウッドに住んでいたルーガ夫妻の元に、長い絹のような被毛と特徴的な耳を持つ黒い子猫が迷い込んできました。シュラミスと名づけられたこの猫はのちに出産し、生まれた4頭の子猫のうち2頭が、シュラミスと同じように反った耳を持っていました。1983年になると、その特徴的な耳の遺伝子を保存しようと、ブリーダーや愛好家たちによって繁殖が進められました。それと同時に、この個性的な猫はキャット・ファンシーという雑誌に掲載され、世界的に紹介されました。

アメリカン・カールの容姿は?

バランスの取れた中型の猫で、丸い頭部と大きなクルミ形の目が、甘くて豊かな表情をつくっています。毛は柔らかくシルキーで体にぴったりと沿っており、長毛種は尾に飾り毛が生えています。一番の特徴である耳は、生まれた時は真っ直ぐですが、生後3~5日でバラの花びらのように徐々に外に巻き始め、約16週で最終的な形になります。この反り耳は50%の確率で生まれるとされ、反り具合にも個体差があります。

アメリカン・カールをお迎えする方法

ペットショップでアメリカン・カールを探す

ペットショップからアメリカン・カールをお迎えするメリットは、自分の好みの容姿のアメリカン・カールが見つけやすいということです。 アメリカン・カールには耳が巻いている子と巻いていない子がいて、巻き具合にも個体差があります。被毛にも短毛と長毛があり、あらゆる毛色が認められているので、好みの子を探してみてください。

ブリーダーからアメリカン・カールを紹介してもらう

ブリーダーからアメリカン・カールをお迎えするメリットは、血統がハッキリしているため、ある程度性格が予想できるということです。アメリカン・カールは基本的に明るく人懐っこい性格の子が多いと言われていますが、本来ネコちゃんは警戒心の強い動物です。はじめてネコちゃんと一緒に生活する方は、神経質すぎない子を紹介してもらうと良いかもしれません。

アメリカン・カールの里親になる

保護猫の中には、元の飼い主さまと別れてしまったり、親猫や人の愛情を注いでもらえないまま育ったりと、さまざまな事情を抱えている子がいます。警戒心の強い子であればなおさら、新しい飼い主さまとの生活に慣れるまでには時間がかかるかもしれません。里親になる方は、その子がそれまで過ごしてきた時間や気持ちに寄り添い、ゆっくり信頼関係を築いていっていただきたいと思います。

アメリカン・カールをお迎えするときの費用相場は?

アメリカン・カールをお迎えする際には、生体にかかる費用の他に、以下のような費用がかかります。

混合ワクチン(5,000~7,000円前後)
感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数により費用が異なります。

最初に用意しておきたいグッズ(15,000円程度)
ネコちゃんをお迎えした時点で用意しておけると良いグッズは、ケージやサークル、トイレ、猫砂、食器、フード、爪とぎ、キャットタワー、おもちゃなどです。他のネコちゃんとトイレを共有するのを嫌がる子もいるため、多頭飼育の場合はネコちゃんの頭数+1個トイレを用意すると安心です。

アメリカン・カールをお迎えする方法には、それぞれにメリットがあるので、自分がネコちゃんをお迎えする際に何を重視したいのかを検討しましょう。ネコちゃんとの出会いは一期一会ですので、どこでお迎えするにしても、「この子を一生大切にしたい!」と思える子を選んでいただくのが一番かと思います。

アメリカン・カールの飼育のポイント

毎日新しい挑戦と冒険を求めて様々なものに触れたがる、好奇心旺盛で元気いっぱいな性格です。人のことが大好きなので、飼い主さんの注意を引こうと膝の上で丸まったり、夜は一緒に寝たり、常に家の中を付いてまわったりします。成長しても子猫のように甘えてくる性格から、「猫のピーターパン」という愛称で呼ばれることもあるようです。また、落ち着いた知性的な一面もあり、子供や他のペットとの生活にも順応できる子が多いです。抜け毛が多くなくて鳴き声が静かなのも、あらゆる家庭で愛される理由のひとつです。スキンシップをとる際には、耳が反っている子は特に、耳の中が汚れていないか定期的にチェックしてあげましょう。また、反っている耳の軟骨を痛めないよう、無理に向きを変えたりしないよう注意が必要です。

アメリカン・カールのかかりやすい病気・ケガ

子猫~成猫

外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

異物誤飲

食べてはいけないものを飲み込んでしまうことです。異物には、中毒を起こす食べものや、胃や腸に刺さったり詰まったりしてしまうものが含まれます。嘔吐や下痢などの消化器症状がみられたり、命の危険に繋がることもあります。

尿石症

体内のミネラル成分が集まって、結晶や結石をつくる病気です。細菌感染、体質、ミネラルの多い食べものなどが主な原因となります。結石は主に膀胱、尿道、腎臓に形成され、頻尿や血尿がみられるほか、尿道に詰まってしまうと尿が出なくなることもあります。

成猫~

慢性腎臓病

腎臓の働きが悪くなり、体内の毒素を尿として排出できなくなってしまう病気です。高齢の猫に非常に多く、徐々に進行していきます。水をたくさん飲む、おしっこが薄くなり量が増える、食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。

甲状腺機能亢進症

甲状腺が腫れて大きくなり、チロキシン(サイロキシン)というホルモンが過剰に分泌されることで起こります。チロキシンは代謝を上げる働きがあるので、食欲は増しているのに体重が減ったり、攻撃的になったりします。高齢の猫に多く、元気や食欲はあるので発見が遅れることがあります。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)