ヒマラヤン

ヒマラヤン

ペルシャの体格と美しい長毛に、サイアミーズ(シャム)の毛色と魅力的な青色の目をあわせ持った、華麗な猫です。他の多くの品種で「ヒマラヤン」として知られていた色(ポインテッド)から、このように名づけられました。ポインテッドは体の末端の温度が低い部分にのみ色素が作られるので、顔・耳・尾・足先だけに色が付きます。ヒマラヤンはそのバラエティ豊富な毛色と模様や穏やかな性格から、人気のある猫種となっています。比較的丈夫な品種とされますが、鼻の低い猫に多くみられる症状や腎臓の病気に注意が必要です。

  1. ヒマラヤンの特徴
  2. ヒマラヤンをお迎えする方法
  3. ヒマラヤンの飼育のポイント
  4. ヒマラヤンのかかりやすい病気・ケガ

ヒマラヤンの特徴

ヒマラヤンの歴史

ペルシャとサイアミーズ(シャム)の特徴をあわせ持った猫を生み出そうという試みは、1931年にアメリカで開始しました。当時生まれたヒマラヤンのような猫は、「デビュタント」という名前で呼ばれていたようです。1950年代にはカナダでも同様の繁殖が行われ、長毛のポインテッドが生み出されました。その後ヒマラヤンは数々のキャットショーで賞を取り、世界的に人気の猫種となっていますが、現在でも独立したヒマラヤンという猫種ではなく、ペルシャのバラエティの一種として公認している団体もあります。

ヒマラヤンの容姿は?

ペルシャに似た中型から大型の猫で、ずっしりした体格と短めの足が特徴です。頭は丸くて大きいドーム型で、首は太くて短いです。まん丸いブルーの目と低い鼻がつくり出す甘い表情はパンジーの花にたとえられ、ペルシャの特徴を受け継いでいます。毛は長くふわふわしており、顔・耳・尾・足先に色が入ります。ポインテッドの毛色はチョコレート、ブルー、レッド、クリームなどさまざまです。

ヒマラヤンをお迎えする方法

ペットショップでヒマラヤンを探す

ペットショップからヒマラヤンをお迎えするメリットは、自分の好みの容姿のヒマラヤンが見つけやすいということです。ヒマラヤンの一番の魅力は、顔・耳・尾・足先だけに色が入る「ポインテッド」と呼ばれる模様です。ポインテッドの毛色はチョコレート、ブルー、レッド、クリームなど様々なので、好みの子を探してみてください。

ブリーダーからヒマラヤンを紹介してもらう

ブリーダーからヒマラヤンをお迎えするメリットは、血統がハッキリしているため、ある程度性格が予想できるということです。ヒマラヤンは基本的に穏やかで落ち着いた性格の子が多いと言われていますが、本来ネコちゃんは警戒心の強い動物です。はじめてネコちゃんと一緒に生活する方は、神経質すぎない子を紹介してもらうと良いかもしれません。

ヒマラヤンの里親になる

保護猫の中には、元の飼い主さまと別れてしまう、親猫や人の愛情を注いでもらえないまま育つなど、さまざまな事情を抱えている子がいます。警戒心の強い子であればなおさら、新しい飼い主さまとの生活に慣れるまでには時間がかかるかもしれません。里親になる方は、その子がそれまで過ごしてきた時間や気持ちに寄り添い、ゆっくり信頼関係を築いていきましょう。

ヒマラヤンをお迎えするときの費用相場は?

ヒマラヤンをお迎えする際には、生体にかかる費用の他に、以下のような費用がかかります。

混合ワクチン(5,000~7,000円前後)
感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数により費用が異なります。

最初に用意しておきたいグッズ(15,000円程度)
ネコちゃんをお迎えした時点で用意しておけると良いグッズは、ケージやサークル、トイレ、猫砂、食器、フード、爪とぎ、キャットタワー、おもちゃなどです。他のネコちゃんとトイレを共有するのを嫌がる子もいるため、多頭飼育の場合はネコちゃんの頭数+1個トイレを用意すると安心です。

ヒマラヤンをお迎えする方法には、それぞれにメリットがあるので、自分がネコちゃんをお迎えする際に何を重視したいのかを検討しましょう。ネコちゃんとの出会いは一期一会ですので、どこでお迎えするにしても、「この子を一生大切にしたい!」と思える子を選んでいただくのが一番かと思います。

ヒマラヤンの飼育のポイント

ヒマラヤンは落ち着いた穏やかな猫で、カーテンに登ってやんちゃに遊ぶというよりは、好きな人のそばでくつろぐのを好むタイプです。かまってもらえない時も大声で鳴いてアピールするのではなく、静かに鳴いて意味ありげに大きな青い瞳で見つめてきます。飼い主さんの気持ちにとても敏感で賢いので、イライラしたり落ち込んだりして猫ちゃんに過度な ストレスをかけないように注意しましょう。自慢のふわふわのコートを維持するためには、こまめなブラッシングが必要です。早いうちからお手入れには慣れてもらいましょう。また、おもちゃを追いかけて走り回るような遊びはあまりしないので、太りやすい傾向にあります。ふわふわの毛に覆われているので体型は分かりにくいかもしれませんが、運動が足りていないと感じる場合は、しっかりごはんを調節して体重管理を行いましょう。

ヒマラヤンのかかりやすい病気・ケガ

子猫~成猫

流涙症

涙の量が増えたり、たまった涙がうまく排出されなくなることで、涙があふれてしまう病気です。目の周りが常に濡れていたり、毛が茶色く変色する「涙やけ」と呼ばれる状態になっていたら、流涙症が疑われます。

尿石症

体内のミネラル成分が集まって、結晶や結石をつくる病気です。細菌感染、体質、ミネラルの多い食べものなどが主な原因となります。結石は主に膀胱、尿道、腎臓に形成され、頻尿や血尿がみられるほか、尿道に詰まってしまうと尿が出なくなることもあります。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

短頭種気道症候群

呼吸困難を引き起こすようないくつかの病気が重なって起こる、マズルの短い短頭種に特有の病気です。いびき、口をあけてハアハアする呼吸(パンティング)、嚥下障害、嘔吐などの症状がみられ、暑さや肥満で悪化することがあります。

成猫~

多発性のう胞腎

腎臓にのう胞(内部に液体のたまった袋)ができて腎臓の組織を圧迫し、腎機能が低下していく病気です。猫では遺伝的にみられることが多く、水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、食欲不振、嘔吐などの腎不全の症状がみられるようになります。

慢性腎臓病

腎臓の働きが悪くなり、体内の毒素を尿として排出できなくなってしまう病気です。高齢の猫に非常に多く、徐々に進行していきます。水をたくさん飲む、おしっこが薄くなり量が増える、食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)