フレンチ・ブルドッグ

フレンチ・ブルドッグ

非常に大人しくおおらかな性格のフレンチ・ブルドッグは、上流階級からも愛され広まっていきました。
深い皺と大きな耳、頑丈な体とその社交的な性格は皆から愛され、日本でも大人気な犬種です。
口を開けていると笑っているかのような愛嬌のある表情もポイントです。
短頭種であるため、体温調節があまり得意でないので、温度管理には注意が必要です。

  1. フレンチ・ブルドッグの特徴
  2. フレンチ・ブルドッグにかかる飼育費
  3. フレンチ・ブルドッグの飼育のポイント
  4. フレンチ・ブルドッグのかかりやすい病気・ケガ

フレンチ・ブルドッグの特徴

フレンチ・ブルドッグの性格

成犬になっても心は子犬で、人懐っこく遊ことが大好きです。
家族と過ごすことを好むため、ひとりでお留守番をすることは苦手です。
興奮しやすい犬種のため飼い主さまの指示で、落ち着かせられるようにしつけておくことが大切です。

フレンチ・ブルドッグの容姿

筋肉質でがっしりした体型で、マズルは短く、鼻はやや上向きです。
耳は大きく先端が丸みを帯びており、コウモリのような形をしています。
口吻は短く、四角い頭や顔にはしわがたくさんあります。
目をひんむいて驚く姿、白目をむいていびきをかく寝姿など、ユニークな姿を見せてくれることもあります。

フレンチ・ブルドッグの被毛・毛色

被毛は短く、光沢がありやわらかい毛質で、アンダーコートと上オーバーコートのダブルコートです。
ダブルコートの犬種は、年2回の換毛期に抜け毛が多くなります。
毛色はブリンドル(褐色や黒の混色の虎柄)、クリーム、フォーン(金色がかった単色)、パイド(白黒)、フォーン&ホワイトなどがあります。

フレンチ・ブルドッグのサイズ

個体差はありますが、男の子の場合は、体高27cm~35cmで、体重は9kg~14kg程度です。
女の子の場合は、体高24cm~32cmで、体重は8kg~13kg程度です。

フレンチ・ブルドッグの寿命

およそ10~13年前後とされています。小型犬の中ではやや短命の傾向にあります。

フレンチ・ブルドッグの歴史

ローマ帝国時代のモロシア犬種に起源があると考えられ、イギリスのブルドッグの祖先や、フランスのマスティフ犬種とも関係があるとされています。
現在のフレンチ・ブルドッグは1880年代に、パリの熱心なブリーダーにより生み出されました。
当時は主にパリ中央市場の人々に飼育されていましたが、そのユニークな風貌が上流階級や芸術家たちに注目され、広まっていきました。
1887年には初めてドッグ・ショーに登場し、1898年には最初のスタンダードが確立されました。

フレンチ・ブルドッグにかかる飼育費

初期費用

フレンチ・ブルドッグをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)

ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。

狂犬病の予防接種(3,500円前後)

ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。

混合ワクチン(5,000~8,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わります。

これらに加えて、最初に用意するべきサークルやトイレ、食器、日用品などのグッズの費用が必要になります。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(3,000~5,000円前後)

市販の犬主食用ドッグフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(2,000~3,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

トリミング等(4,000円前後)

定期的なシャンプーやトリミングも予定に入れておくとよいでしょう。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費を含む小型犬の毎月の平均支出金額は1万3,422円です。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要とされています。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには、公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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フレンチ・ブルドッグの飼育のポイント

太りやすいため肥満に注意

主食は栄養バランスのとれた総合栄養食を与えましょう。
1日の食事量を決め、飼い主さまがコントロールすることが大切です。
フレンチ・ブルドッグは食欲旺盛のため、食事を与え過ぎてしまうと肥満になりやすい傾向があります。
また、短頭種は食器の縁に目が当たって食べにくいことがあるので、短頭種向けの食器を試してみましょう。

皮膚トラブルに注意

鼻の上のしわに、涙や皮脂などがたまりやすいので、水気を絞ったタオルやペット用のお手入れシートできれいに拭いてあげます。
週に2回程度はブラッシングと、シャンプーを行いましょう。
皮膚が敏感なためブラッシングは、やわらかいゴム製のラバーブラシを使用しましょう。
皮膚の余計な老廃物などを除去することで、皮膚炎などの予防につながります。

暑さ対策は十分に

夏の暑さが苦手なため、室温の温度は22〜24度程度の室温をキープするようにしましょう。
暑くなり始めたら散歩の時間にも注意をし、早朝や夜などの涼しい時間に運動するようにしてください。
水遊びも大好きなので、夏場は川や海でも水遊びもおすすめです。

興奮を落ち着かせるトレーニング

子犬の頃から人の指示で落ち着いて待つトレーニングとして、オスワリをしつけることが大切です。
知らない人やほかの犬と触れ合わせ、社会性を身につけましょう。

【1】リードでつなぎ、飼い主さまの手元に引きつけておきます。

【2】手のひらにおやつを握ってげんこつを作り、犬の鼻の前に差し出して匂いを嗅がせます。

【3】ゆっくりと拳をワンちゃんの頭上に移動させ、お尻が床に着いたら、おやつを与え褒めてあげます。

叱るよりも褒めてしつけるようにすれば、褒められたい気持ちから喜んでしつけを覚えてくれるようになるでしょう。

フレンチ・ブルドッグのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

アレルギー性皮膚炎

体に入ってきた異物に対して、体の免疫機能が過剰に働いてしまうことで、皮膚に炎症が起こります。
主な原因となるのは食べもの、ハウスダスト、花粉などです。程度は様々ですが、主に痒みや湿疹がみられます。

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異物誤飲

食べてはいけないものを飲み込んでしまうことです。異物には、中毒を起こす食べものや、胃や腸に刺さったり詰まったりしてしまうものが含まれます。嘔吐や下痢などの消化器症状がみられたり、命の危険に繋がることもあります。

短頭種気道症候群

呼吸困難を引き起こすようないくつかの病気が重なって起こる、マズルの短い短頭種に特有の病気です。いびき、口をあけてハアハアする呼吸(パンティング)、嚥下障害、嘔吐などの症状がみられ、暑さや肥満で悪化することがあります。

成犬~

尿石症

体内のミネラル成分が集まって、結晶や結石をつくる病気です。細菌感染、体質、ミネラルの多い食べものなどが主な原因となります。結石は主に膀胱、尿道、腎臓に形成され、頻尿や血尿がみられるほか、尿道に詰まってしまうと尿が出なくなることもあります。

椎間板ヘルニア

背骨と背骨の間にある椎間板という部分が、変形して飛び出してしまう病気です。変形した椎間板は背骨の中を通っている神経を圧迫し、痛みや麻痺を引き起こします。抱いた時に痛くて声をあげたり、後ろ足に麻痺がみられることが多いです。

熱中症

犬と猫は体中から汗をかけるわけではないので、体温を下げることが難しく、熱中症になりやすいです。呼吸が速くなる、よだれが増える、ぐったりするなどの症状がみられ、命に関わることもあります。特にマズルの短い短頭種では注意が必要です。
  • 犬種別飼い方ガイドには、アイペット損保のペット保険の補償対象外の傷病も掲載されている場合があります。
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    詳細は以下の犬種分類表にてご確認ください。

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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)