ボーダー・コリー

ボーダー・コリー

ボーダー・コリーは運動能力が高く、並外れたスタミナを備えている犬種です。
運動量が多いため、足や関節を痛めることがあり注意が必要です。

  1. ボーダー・コリーの特徴
  2. ボーダー・コリーにかかる飼育費
  3. ボーダー・コリーの飼育のポイント
  4. ボーダー・コリーのかかりやすい病気・ケガ

ボーダー・コリーの特徴

ボーダー・コリーの性格

ボーダー・コリーは非常に賢く忠誠心があり、飼い主さまに対して一途すぎるくらい従順です。
頭の良さも全犬種のなかでトップクラスといわれ、ドッグスポーツでは上位入賞の常連として知られています。
観察力が優れているので、整合性のない態度やしつけを行うと混乱することがあるので、きっぱりとした態度で接しましょう。

ボーダー・コリーの容姿

体高(立ったときの地面から背中までの高さ)よりも、体長(胸元からおしりの先端までの長さ)がやや長めのバランスが取れたスタイルで、骨格もしっかりとしています。
耳の形は立ち耳もしくは半立ち耳、広めの頭部に離れぎみの目、垂れたしっぽが特徴です。

ボーダー・コリーの被毛・毛色

被毛はダブルコートで、直毛で硬く長い毛の「ロングコート」と、滑らかで短い毛の「スムースコート」に大別され、日本ではロングコートがポピュラーです。
毛色は、人気のブラック&ホワイトのコンビネーションをはじめ、ホワイト&タン(褐色)、グレー&ブラック、タン&ホワイト、ブルーマール(ブラック、ブルー、グレーが大理石のように混ざった色)、トライカラー(ブラック、ホワイト、タン)などバラエティに富み、その組合せは40種類以上ともいわれています。

ボーダー・コリーの歴史

8世紀から11世紀にかけて、バイキングによってスコットランドに持ち込まれたトナカイ用の牧羊犬が先祖とされています。
その後、牧羊犬やラフ・コリーの祖先などとの交配を経て、19世紀末ごろに現在の姿となりました。
近縁のラフ・コリーがショードッグとして世界に知られたのに対し、ボーダー・コリーは牧羊犬としての作業能力が重視され、イギリス国内の牧場で活躍していたため、国外に知られる機会があまりありませんでした。
ドッグショーで作業能力などを競う競技が行われるようになってからは、ボーダー・コリーの賢さや俊敏性が認められ、晴れて公認犬種となりました。
ボーダーは”国境”という意味で、その名はイングランドから見たときにスコットランドが遠く離れた国ざかいの地であったことに由来しています。

ボーダー・コリーのサイズ

個体差はありますが、男の子の場合は体高が50~55cmで体重が18~23kg、女の子の場合は体高が48~53cmで体重が16~20kg程度です。
女の子のほうが体が小さい傾向です。

ボーダー・コリーの寿命

およそ10~17歳とされています。中型犬の中では長寿に属する犬種です。

ボーダー・コリーにかかる飼育費

初期費用

ボーダー・コリーをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)

ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。

狂犬病の予防接種(3,500円前後)

ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。

混合ワクチン(5,000~8,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わります。

これらに加えて、最初に用意するべきサークルやトイレ、食器、日用品などのグッズの費用が必要になります。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(5,000~6,000円前後)

市販の犬主食用ドッグフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(2,000~5,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

トリミング等(4,000~8,000円前後)

シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合も考慮しておくと安心です。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費等を含む中型犬の毎月の平均支出金額は1万7,259円です。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要とされています。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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ボーダー・コリーの飼育のポイント

食事は早食いに注意

主食は栄養バランスのとれた総合栄養食を与えましょう。ボーダー・コリーは食欲旺盛なので早食いしてしまうことがあるため、早食い防止用の食器を活用してもよいでしょう。
関節の病気にかかりやすい犬種であることから、関節をサポートする成分を強化したフードを選ぶのも一案です。

散歩や運動は充分に

毎日、朝晩30分以上の散歩を欠かさないようにしましょう。
散歩のほかに、投げたボールやフリスビーを取って戻ってくるなど、運動に作業意欲を刺激する遊びを取り入れるとワンちゃんも喜ぶでしょう。
ドッグランなどで思いきり走らせてあげることもおすすめです。

定期的なブラッシング

毎日ブラッシングを行い、抜け毛をしっかり取り除きましょう。
抜け毛をよく取り除かないと、湿気が溜まって皮膚炎になることもあるため注意が必要です。
日常的な抜け毛の量を減らすには、シャンプーも有効です。
特に抜け毛が多い換毛期には、シャンプーの回数を増やしましょう。
シャンプー後は被毛を濡れたままにせず、しっかり乾かしてあげましょう。

熱中症対策

被毛が豊かなため暑さに弱いです。室内ではワンちゃんがハアハアしない程度の温度設定でエアコンを活用して、快適に過ごせるよう環境を整えましょう。
また、散歩は暑い時間を避け、早朝や日没後に行くようにしましょう。

ボーダー・コリーのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

股関節形成不全

股関節を形成している骨盤の骨と大腿骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。犬では大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因です。歩く時に腰が左右に振れたり、階段の上り下りを嫌がったりします。

異物誤飲

食べてはいけないものを飲み込んでしまうことです。異物には、中毒を起こす食べものや、胃や腸に刺さったり詰まったりしてしまうものが含まれます。嘔吐や下痢などの消化器症状がみられたり、命の危険に繋がることもあります。

コリー眼異常

網膜に栄養を届ける血管が細いまま成長しない病気で、コリー系の犬種に遺伝的にみられます。視覚に障害がでると、ものにぶつかったり、運動を嫌がったりするようになります。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

成犬~

歯周病

歯垢に含まれる歯周病菌が、歯と歯肉の間に入って炎症を起こします。歯垢は放っておくとザラザラした歯石になり、さらに歯垢が付きやすくなってしまいます。進行すると歯が抜けたり皮膚に穴が開いたり、菌が血液にのって心臓や腎臓に運ばれて炎症を起こすことがあります。

皮膚腫瘍

皮膚にできる腫瘍には、良性のものから悪性のものまで様々あります。品種によってできやすい腫瘍もありますが、基本的にはどんな犬猫でも注意するべき病気です。
  • 犬種別飼い方ガイドには、アイペット損保のペット保険の補償対象外の傷病も掲載されている場合があります。
  • 補償開始日前からかかっていた傷病など、ご請求の内容により、保険金をお支払いできない場合もあります。
  • 当社のペット保険「うちの子」の保険料は、年齢と犬種によって決まります。犬種ごとに犬A・犬B・犬Cに分類されており、本ページに記載の一般的な犬のサイズとは異なりますので、ご注意ください。
    詳細は以下の犬種分類表にてご確認ください。

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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)