ペキニーズ

ペキニーズ

中国王室で門外不出の神聖な犬とされ、王族が袖に入れて可愛がるほど寵愛された犬種です。
その黄金色の豊かなたてがみから、「ライオン・ドッグ」とも呼ばれていました。
愛らしい外見をしている一方で、飼い主さまは私のもの!と独占欲が強い一面もあります。
小さく華奢な体つきのため、骨折などの事故には特に注意が必要です。

  1. ペキニーズの特徴
  2. ペキニーズにかかる飼育費
  3. ペキニーズの飼育のポイント
  4. ペキニーズのかかりやすい病気・ケガ

ペキニーズの特徴

ペキニーズの性格

自由気ままでマイペースな性格をしています。
プライドが高く、頑固な一面もありますが、信頼のおける飼い主さまに対しては、とても誠実です。
飼い主さまやテリトリーに対する独占欲が強く、見知らぬ人やほかの犬に対しては冷ややかに接します。
気持ちにそぐわないことがあると、吠えたり噛んだりという攻撃性を見せることもあります。
子犬のころからワンちゃんの個性を把握し、社会性が身につくようにしつけることがポイントです。

ペキニーズの容姿

首の周りに生えた、ライオンのたてがみを思わせるふさふさの毛が、独特で気品があり「ライオン・ドッグ」とも呼ばれています。
体型は胴長でずんぐり、短く太い足が特徴です。
ふさふさの毛に覆われていてわかりにくいですが、小型犬にしてはしっかりとした骨格をしています。
顔つきは丸みがあり、真ん丸のつぶらな瞳と短い鼻、小さな口がチャームポイントです。
耳は頭部の両脇から垂れ下がり、ゆるやかに巻いたしっぽには、長い飾り毛がついています。

ペキニーズの被毛・毛色

被毛は、長い直毛のダブルコートで、アンダーコートには厚みがあります。
首周りや耳周りを中心に毛量も豊かで、足や尾などに飾り毛がついていることも特徴です。
トリミングの必要は特にありませんが、「まんまるカット」「ライオンカット」など、カットを楽しむこともできます。
毛色は、ブラック、ホワイト、フォーン(明るめの褐色)のほか、グレー、レッド、シルバーなどバラエティ豊かです。
パーティカラーと呼ばれる複数色の被毛を持った子もいます。

ペキニーズの歴史

「北京の犬」を意味するペキニーズは、中国原産の犬種です。
祖先となった犬種については諸説ありますが、チベット仏教のラマ寺院で飼育・繁殖され、秦の始皇帝をはじめとした歴代皇帝に献上されたという説が有力です。
宮廷では門外不出の犬種として寵愛し、ペキニーズが誕生したといわれています。
世界に広く知られるようになったきっかけは、1860年のアヘン戦争です。
相手国であったイギリスの士官が数匹を保護して持ち帰り、イギリス貴族の間で飼育が始まりました。
1893年にショーに登場したのをきっかけに人気犬種となり、現在も世界中で親しまれています。

ペキニーズのサイズ

個体差はありますが、体高は20cm~30cmで体重は3kg~6kg程度です。
抱っこすると、見た目の印象より重たく感じるかもしれません。

ペキニーズの寿命

およそ12~15歳とされています。小型犬の中では平均的です。

ペキニーズにかかる飼育費

初期費用

ペキニーズをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)

ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。

狂犬病の予防接種(3,500円前後)

ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。

混合ワクチン(5,000~8,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わります。

これらに加え、最初に用意するべきサークルやトイレ、食器、日用品などのグッズの費用が必要になります。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(3,000~5,000円前後)


市販の犬主食用ドッグフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(3,000~5,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

トリミング等(5,000~8,000円前後)

ペキニーズは被毛が伸びやすい犬種なので、定期的なケアも予定に入れておくとよいでしょう。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費を含む小型犬の毎月の平均支出金額は1万3,422円です。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要とされています。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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ペキニーズの飼育のポイント

しつけは根気強く

まずは飼い主さまがリーダーであることをしっかり認識させることが大切です。
最初は「マテ」からはじめてみましょう。

【1】フードを持っていないほうの手のひらを犬の方に向け、「マテ」といいます。

【2】そのまま数秒待たせます。ワンちゃんが動いてしまったら、手の位置をより高くあげて再び「マテ」と指示します。

【3】ワンちゃんが動かないことを確認したら、「ヨシ」と声をかけると同時に手を口の高さへもっていきフードを与えます。

上手にできたときは、たくさん褒めてあげましょう。
叱るよりも褒めてしつけるようにすれば、褒められたい気持ちから喜んでしつけを覚えてくれるようになるでしょう。

十分な暑さ対策

基本は家の中での遊びでも問題ありませんが、外気浴もかねて15分程度、お散歩してあげるとよいでしょう。
ペキニーズは体を倍の大きさに見せるほどの豊富な被毛を持っているため、暑さに弱い傾向があります。
室温の温度は22〜24度程度の室温をキープするようにしましょう。
暑くなり始めたら散歩の時間にも注意をし、早朝や夜などの涼しい時間に運動するようにしてください。

室内飼育のポイント

骨が細く膝関節も決して強くないため、ケガをしないよう生活環境を整えてあげましょう。
室内はできるかぎり大きな段差をなくし、フローリングの床にはカーペットやマットを敷くとよいでしょう。
また、冬の寒さには強い傾向にありますが、夏の暑さには弱いので、室内の温度管理をきちんとしてあげる必要があります。

定期的なブラッシング

毛量が多いペキニーズですが、トリミングはとくに必要ありません。
毛玉ができると皮膚病につながってしまうので、ピンブラシとコームを使って毎日ブラッシングしてあげましょう。
定期的にシャンプーも行い、シャンプー後は被毛を濡れたままにせず、しっかり乾かしましょう。

ペキニーズのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

膝蓋骨脱臼(パテラ)

大腿骨の溝にはまっている膝蓋骨という膝の骨が、内側や外側に外れてしまった状態です。特に小型犬では、生まれつき溝が浅かったり、膝蓋骨を支える靭帯の力が弱くて発生することが多いです。膝を曲げ伸ばしする時に痛みが出て、歩きづらくなることもあります。

短頭種気道症候群

呼吸困難を引き起こすようないくつかの病気が重なって起こる、マズルの短い短頭種に特有の病気です。いびき、口をあけてハアハアする呼吸(パンティング)、嚥下障害、嘔吐などの症状がみられ、暑さや肥満で悪化することがあります。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

成犬~

僧帽弁閉鎖不全症

心臓の左の部屋にある僧帽弁という扉が上手に閉じなくなって、血液が逆流してしまう病気です。主に遺伝や加齢によって起こります。軽度の場合は症状が出ないことも多いですが、進行すると運動するのを嫌がったり、咳が出たりします。

白内障

ものを見る時に焦点を合わせる役割をしている水晶体が白く濁って、視力が落ちてしまう病気です。加齢に伴って起こることが多いですが、遺伝や他の病気が原因で、若い子に起こる場合もあります。目が白く見えたり、ものにぶつかるようになるなどの症状がみられます。

皮膚腫瘍

皮膚にできる腫瘍には、良性のものから悪性のものまで様々あります。品種によってできやすい腫瘍もありますが、基本的にはどんな犬猫でも注意するべき病気です。
  • 犬種別飼い方ガイドには、アイペット損保のペット保険の補償対象外の傷病も掲載されている場合があります。
  • 補償開始日前からかかっていた傷病など、ご請求の内容により、保険金をお支払いできない場合もあります。
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    詳細は以下の犬種分類表にてご確認ください。

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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)