ドーベルマン

ドーベルマン

ドーベルマンは、精悍(せいかん)な顔立ちとバランスの取れた流線型の体が美しく、護衛から子守りまで任せられる、見た目も能力も完璧な犬種です。
世界中でその名が知れ渡り、現在では各国で活躍しています。体は頑丈で、運動量も多く必要とします。
大型犬で起こりやすい胃捻転の危険性を減らすために、食後の激しい運動は控えましょう。
また、心臓の病気にかかりやすい傾向があるため、普段から様子をよく観察しましょう。

  1. ドーベルマンの特徴
  2. ドーベルマンにかかる飼育費
  3. ドーベルマンの飼育のポイント
  4. ドーベルマンのかかりやすい病気・ケガ

ドーベルマンの特徴

ドーベルマンの性格

端正な顔つきから、どこか攻撃的な印象をもたれていることが多いドーベルマンですが、優しく穏やかな性格です。
知的好奇心が旺盛で、飼い主さまへの忠誠心が高いため、しつけもしやすいでしょう。
警戒心が強いため、知らない人に対して攻撃的になる傾向があります。

ドーベルマンの容姿

尖った耳と短いしっぽは、断耳(だんじ)・断尾(だんび)によって人工的に作られており、生まれたときには垂れ耳で長いしっぽをもっています。
以前は、角のような耳と短いしっぽがスタンダードな姿でしたが、近年は、処置をしない自然な姿のドーベルマンも増えてきました。
体つきは、筋肉質で余分なぜい肉がなく、引き締まっています。前胸の筋肉が発達していることから、横から見たときに胸が前方に飛び出していることも、ドーベルマンの特徴です。
子犬のころは、丸身を帯びた体型をしていますが、成長とともに引き締まった体型へと変化していきます。

ドーベルマンの被毛・毛色

被毛は短く光沢があるオーバーコートのみで、しっかりとした毛質と滑らかな毛並みです。
毛色は、ブラック&タン、ブラウン&タンの2種類です。
ブラックかブラウンの毛色に、マズル(鼻筋)、頬、眉の上、喉もと、胸、手足、尾の下などに「タン」と呼ばれる褐色の、くっきりとした斑が入ることが特徴です。
タンが入っていない薄い毛色、白っぽい毛色などのドーベルマンもいますが、健康上の問題を抱えやすいことなどから、現在は公認されていません。

ドーベルマンの歴史

ドイツの代表的な犬種です。最初に繁殖させたフリードリッヒ・ルイス・ドーベルマンが、自分を守る警備犬としてさまざまな犬種を交配させて作り出したといわれています。 しばらく警察犬として活躍し、「Gendarmedogs(地方治安警察官犬)」のニックネームがつけられ、20世紀の初めには警察犬として正式に認められました。

ドーベルマンのサイズ

個体差はありますが、男の子の場合、体高は68~72cmで体重が40~45kg、女の子の場合は体高が63~68cmで体重が32~35kg程度です。
女の子のほうが体が小さい傾向です。

ドーベルマンの寿命

およそ10~13年前後とされています。大型犬の中では平均的です。

ドーベルマンにかかる飼育費

初期費用

ドーベルマンをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)

ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。

狂犬病の予防接種(3,500円前後)

ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。

混合ワクチン(5,000~8,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わります。

これらに、最初に用意するべきサークルやトイレ、食器、日用品などのグッズの費用が必要になります。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(5,000~6,000円前後)

市販の犬主食用ドッグフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(2,000~5,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

トリミング等(10,000円前後)

シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合も考慮しておくと安心です。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費等を含む大型犬の毎月の平均支出金額は1万7,259円です。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要とされています。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには、公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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ドーベルマンの飼育のポイント

散歩や運動は充分に

散歩は毎日30分程度しましょう。運動量を必要とするため朝夕1日2回できると望ましいです。
ドーベルマンは走ることやジャンプなどが好きなため、ドッグランで思いきり自由に走らせてあげましょう。
雨などで散歩が難しいときは、家でロープを使って引っ張り合いをしたり、「クリッカー」と呼ばれるトレーニンググッズを使用して新しい号令と動きを楽しく学習させて、ストレスを発散させてあげましょう。
運動のほかに、ドッグ・マッサージもおすすめです。ワンちゃんの穏やかな面を育成する効果が期待できます。

室内飼育のポイント

被毛が短く体重が重いことから、肘などの関節部分が床と擦れ皮膚の損傷を起しやすいです。
特に加齢に伴い活動量が落ち、横になっている時間が長くなることで、このリスクは高まります。
ワンちゃんが寝る場所にはクッション性のあるマット等を敷くなどして予防しましょう。
滑りやすい床の上で滑りながら動きまわったり、重心を安定させることは健全な犬の発育に悪影響を与えるため、滑りにくい床を選択しましょう。

食事量や回数

主食は栄養バランスのとれた総合栄養食を与えましょう。
ドーベルマンの美しい体を維持するためには、食事の量や回数にも注意が必要です。
ドッグフードを与える場合には、袋に書いてある給餌量を目安に与えるとよいでしょう。
暑くなってきて食欲が減退した場合は、少量でもカロリーが高い食事に切り替えるなど工夫をして、しっかりとカロリーを取れる工夫をしましょう。

ドーベルマンのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

汎骨炎

主に四肢の骨に炎症が起こって痛みを生じる病気で、原因は明らかになっていません。成長期の大型犬に多くみられ、1本の足に起こることも、複数の足に起こることもあります。痛みから足を上げたり、発熱、食欲不振などの症状がみられます。

ウォブラー症候群

大型犬の成長期に多くみられ、首の骨に何らかの異常があって神経が圧迫されてしまう病気です。多くの場合は後ろ足のふらつきからはじまり、ゆっくりと進行して前足にも麻痺が広がっていきます。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

成犬~

胃捻転

食べ物や液体でいっぱいになった胃が拡張し、ねじれてしまう病気です。原因ははっきりしていませんが、特に胸の縦幅が広い犬に起こりやすく、お腹が膨れる、吐き気、よだれ、元気消失、呼吸困難などの症状がみられます。食べすぎや食後の運動が原因となることがあります。

拡張型心筋症

心筋が薄くなり、心臓の収縮力が落ちることで、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる病気です。大型犬に多くみられ、遺伝や加齢によって起こります。初期は症状が出にくいですが、重症化すると呼吸困難や不整脈がみられることがあります。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)