グレート・ピレニーズ

グレート・ピレニーズ

誰もが思わず抱きつきたくなる、真っ白でふわふわな被毛でどっしりとした大きな体が魅力の犬種です。
愛情表現は豊かですが、自分で決めたことは飼い主さまにもゆずらない、少し頑固な一面もあります。
運動量が多いことから、足や関節を痛めやすい傾向があるため注意が必要です。

  1. グレート・ピレニーズの特徴
  2. グレート・ピレニーズにかかる飼育費
  3. グレート・ピレニーズの飼育のポイント
  4. グレート・ピレニーズのかかりやすい病気・ケガ

グレート・ピレニーズの特徴

グレート・ピレニーズの性格

性格はおおらかで素直、優しい気性の犬種です。
信頼する飼い主さまに対しては思い切り甘えるなど、愛情表現が豊かな点も魅力といえるでしょう。
普段は穏やかですが、他人が侵入すると断固とした態度で、吠えたりうなったりして、テリトリーを守ろうとします。
見知らぬ人や動物に攻撃的になる可能性もあるため、子犬の頃から良いこと、悪いことの区別をつけながらしつけをしましょう。

グレート・ピレニーズの容姿

骨太でがっしりした体型ですが、ふわふわの被毛をまとっていることもあり、優しい印象を与える容姿です。
V字型の頭部に、真っ黒でつぶらな目、大きな黒い鼻、小さめの垂れ耳という顔立ちをしています。
後ろ足に2本ずつついている大きな狼爪も特徴のひとつ一つです。

グレート・ピレニーズの被毛・毛色

被毛は非常に長く、ボリュームのあるダブルコートです。
寒さから身を守るためにアンダーコートが密生しているため、年間を通して抜け毛が多い犬種です。
毛色はホワイトやグレーで、淡いイエロー、オレンジ、ウルフカラーなどのマーキングが、頭部、耳、尾のつけ根などに入っている子もいます。

グレート・ピレニーズの歴史

フランスのピレネー山地にいたといわれています。
厚くふわふわの毛で厳寒に耐えることができるため、険しい岩山でソリを引く作業犬や牧羊犬として活躍してきました。
中世には城館の番犬として、17世紀には伴侶犬としてもてはやされ、ルイ14世もこの犬を飼育していたといわれています。
現在では日本でも家庭犬として広く親しまれています。

グレート・ピレニーズのサイズ

個体差はありますが、体高が65cm~82cmで体重は45kg~60kg程度です。

グレート・ピレニーズの寿命

およそ10~12年前後とされています。大型犬の中では平均的です。

グレート・ピレニーズにかかる飼育費

初期費用

グレート・ピレニーズをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)

ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。

狂犬病の予防接種(3,500円前後)

ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。

混合ワクチン(5,000~8,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わります。

これらに加え、最初に用意するべきサークルやトイレ、食器、日用品などのグッズの費用が必要になります。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(10,000~15,000円前後)

市販の犬主食用ドッグフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(5,000~10,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

トリミング等(15,000円前後)

シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合も考慮しておくと安心です。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費等を含む大型犬の毎月の平均支出金額は1万7,259円です。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要とされています。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには、公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

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グレート・ピレニーズの飼育のポイント

散歩や運動は充分に

散歩は毎日30分程度しましょう。運動量を必要とするため朝夕1日2回できると望ましいです。
グレート・ピレニーズは走ることやジャンプなどが好きなため、ドッグランで思いきり自由に走らせてあげましょう。
雨などで散歩が難しいときは、家でロープを使って引っ張り合いをしたり、「クリッカー」と呼ばれるトレーニンググッズを使用して新しい号令と動きを楽しく学習させて、ストレスを発散させてあげましょう。
運動のほかに、ドッグ・マッサージもおすすめです。ワンちゃんの穏やかな面を育成する効果が期待できます。

食後の散歩は避けるように

大型犬の死因として多い「胃捻転」や「腸捻転」を予防するために、食後の運動は控えましょう。
散歩後は十分クールダウンしてからごはんを与えましょう。

室内飼育のポイント

加齢により筋肉量が落ちると、滑りやすい床の上で重心を安定させることが困難になり、足首などの関節等に負担をかけることになります。
なるべく滑りにくい床を選択しましょう。
ワンちゃんが寝る場所にはクッション性の高い敷物を敷くなどして、肘や関節部の床ずれやタコを予防しましょう。

定期的なブラッシング

毎日やさしくブラッシングして抜け毛をしっかり取り除きましょう。
大きな体をしていることもあり、夏場を中心に体温の放熱を妨げる余計な被毛の除去は、必須の手入れとなります。
とくに春から夏にかけての「換毛期」には、入念なブラッシングやシャンプーを行いましょう。

グレート・ピレニーズのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

股関節形成不全

股関節を形成している骨盤の骨と大腿骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。犬では大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因です。歩く時に腰が左右に振れたり、階段の上り下りを嫌がったりします。

外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

汎骨炎

主に四肢の骨に炎症が起こって痛みを生じる病気で、原因は明らかになっていません。成長期の大型犬に多くみられ、1本の足に起こることも、複数の足に起こることもあります。痛みから足を上げたり、発熱、食欲不振などの症状がみられます。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

成犬~

白内障

ものを見る時に焦点を合わせる役割をしている水晶体が白く濁って、視力が落ちてしまう病気です。加齢に伴って起こることが多いですが、遺伝や他の病気が原因で、若い子に起こる場合もあります。目が白く見えたり、ものにぶつかるようになるなどの症状がみられます。

熱中症

犬と猫は体中から汗をかけるわけではないので、体温を下げることが難しく、熱中症になりやすいです。呼吸が速くなる、よだれが増える、ぐったりするなどの症状がみられ、命に関わることもあります。特にマズルの短い短頭種では注意が必要です。
  • 犬種別飼い方ガイドには、アイペット損保のペット保険の補償対象外の傷病も掲載されている場合があります。
  • 補償開始日前からかかっていた傷病など、ご請求の内容により、保険金をお支払いできない場合もあります。
  • 当社のペット保険「うちの子」の保険料は、年齢と犬種によって決まります。犬種ごとに犬A・犬B・犬Cに分類されており、本ページに記載の一般的な犬のサイズとは異なりますので、ご注意ください。
    詳細は以下の犬種分類表にてご確認ください。

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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)