チベタン・マスティフ

チベタン・マスティフ

中国のチベットで、何千年にもわたり遊牧民と共に暮らしてきた犬種です。野生動物から家畜の群れを守る仕事をしていたため、闘争心が強くペットとしては不向きでしたが、その後イギリスで改良が加えられ、忠誠心のある優秀な番犬に育っていきました。飼育の際には飼い主さんがしっかりとした知識を身につけ、しつけを行う必要があります。がっしりしており体重もあるので、大型犬特有の関節の病気になりやすい傾向があります。

・スパニッシュ・マスティフ:スペイン、軍用犬や護衛犬
・ピレニアン・マスティフ:スペイン、ピレネー山脈の護衛犬
・ナポリタン・マスティフ:イタリア、軍用犬
・ブル・マスティフ:イギリス、ブルドッグとマスティフのミックス、夜警犬
・ボルドー・マスティフ:フランス、大型獣の猟犬や闘犬
・マスティフ:イギリス、闘犬、護衛犬

  1. チベタン・マスティフの特徴
  2. チベタン・マスティフの飼育のポイント
  3. チベタン・マスティフのかかりやすい病気・ケガ

チベタン・マスティフの特徴

チベタン・マスティフの歴史

古くからチベットの遊牧民の番犬や僧院の護衛犬として活躍していました。多くの歴史的文書にもマスティフを思わせる記述が登場し、マルコ・ポーロの著書には「大きさはロバ、声はライオン」と表現されており、この犬種の力強さや迫力を伝えています。ヨーロッパを含め多くのマスティフ・タイプの犬たちの祖先になったと考えられています。その後は主にイギリスで、凶暴さや闘争心を抑えて家庭犬として繁殖されていきました。

チベタン・マスティフの容姿は?

逞しい骨格の重量感ある超大型犬です。頭は大きく、マズルも幅が広くてよく発達しています。耳は三角形の垂れ耳で、目は卵形でブラウンです。尾は背中に向かって軽く巻いており、ふさふさの毛に覆われています。毛は密生しており、首周りや肩は特に厚くなっています。毛色はブラック、ブラック&タン(黒地に黄褐色の模様)、ゴールドなどがあります。

チベタン・マスティフの飼育のポイント

イギリスで繁殖されたチベタン・マスティフは服従心のある子が多いとされていますが、飼育の際には十分な知識が必要な犬種です。元々持っていた凶暴さや闘争心をしっかりコントロールするため、子犬のうちから厳しくトレーニングを行う必要があります。しつけをちゃんと行って主従関係を築くことができたら、優秀な番犬になってくれます。毛量が多くてアンダーコートも非常に密なので、特に換毛期は入念にブラッシングを行いましょう。耳が垂れている犬種は耳の中が汚れやすいので、ブラッシングと合わせて定期的にチェックしてあげるといいですね。また、肥満は関節に大きな負担をかけてしまうので、十分な運動と適切なごはんで体重をキープしましょう。

チベタン・マスティフのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

股関節形成不全

股関節を形成している骨盤の骨と大腿骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。犬では大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因です。歩く時に腰が左右に振れたり、階段の上り下りを嫌がったりします。

外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

肘関節形成不全

肘関節を形成している上腕骨と2本の前腕骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因となります。前足を上げたり、体重をかけられないような状態がみられます。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

成犬~

前十字靭帯断裂

膝の曲げ伸ばしを調節する役割を持っている前十字靭帯が切れてしまった状態です。加齢に伴って弱くなったり、肥満によって負担がかかった状態の靭帯に、強い衝撃が加わることで起こります。後ろ足を挙げたり、体重をかけられないような状態がみられます。

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)