アイリッシュ・ウルフハウンド

アイリッシュ・ウルフハウンド

世界で一番大きな犬種として知られる、アイルランドの国犬です。かつては優秀な猟犬としてオオカミなどを狩っていましたが、その性格はとても大人しく物静かです。大きな体に似合わず、気が小さく神経質な一面もあるので、子犬の頃から色々な環境に触れさせて、社会性を身に付けさせる必要があります。体の大きさに見合った十分な飼育スペースが必要であることと、力強く体重があるので、関節に負担がかかりやすいため注意が必要です。

  1. アイリッシュ・ウルフハウンドの特徴
  2. アイリッシュ・ウルフハウンドの飼育のポイント
  3. アイリッシュ・ウルフハウンドのかかりやすい病気・ケガ

アイリッシュ・ウルフハウンドの特徴

アイリッシュ・ウルフハウンドの歴史

アイルランドを代表する国犬です。正確な起源は不明ですが、17世紀頃にかけてヨーロッパやスカンジナビアの王室に珍重され、様々な国に贈られたとされています。アイルランドではシカの猟で活躍したり、ヨーロッパに広く生息していたオオカミを狩るために飼育されていたようです。オオカミの数が激減したことや、この犬の海外への輸出が盛んになったことから、一時期はほぼ絶滅寸前というところまで数が減ってしまいました。しかし19世紀後半になると、救助犬としての活躍の場が与えられるなどしてこの犬種の再興が図られ、1950年には正式な犬種として公認されました。

アイリッシュ・ウルフハウンドの容姿は?

世界一の大きさを誇り、力強く筋肉質な体つきをしています。頭は長く、マズルも長くてやや尖っています。耳は小さくて付け根は高い位置にあり、垂れ耳です。毛は硬くて粗く、目のまわりと下顎にはワイヤー状の長い毛が生えています。毛色はグレー、ブリンドル(黒や褐色の混色)、レッド、ブラック、フォーン(金色がかった色)、ホワイトなど様々です。

アイリッシュ・ウルフハウンドの飼育のポイント

アイリッシュ・ウルフハウンドはなんと言ってもその大きな体が最大の特徴で、完全に成長しきるまでにおよそ2年弱かかるとされています。特に成長期はごはんの量や運動量に気を使い、筋力をつけつつ体重をコントロールする必要があります。また、慢性的に体重の負荷がかかって関節に胼胝(たこ)ができることもあるため、クッション性のある寝床を用意してあげましょう。性格はおっとりとしていますが、体と動きは大きく力も強いので、他のペットや子供と一緒に暮らす場合は思わぬ事故が起こらないように注意しましょう。元々は狩猟の現場で活躍していた優秀な猟犬なので、動くものをとっさに追ったりしないよう子犬の頃からしっかりトレーニングをすることで、お散歩や外での遊びも安全に楽しむことができます。毛質は粗く毛玉にはなりにくいですが、定期的にブラッシングをして抜け毛を取り除くようにしましょう。

アイリッシュ・ウルフハウンドのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

甲状腺機能低下症

何らかの原因で甲状腺の働きが悪くなり、そこから分泌されるチロキシン(サイロキシン)というホルモンが減ってしまう病気です。全身の代謝が悪くなり、元気がなくなってぼんやりしたり、脱毛や皮膚の色素沈着がみられます。

股関節形成不全

股関節を形成している骨盤の骨と大腿骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。犬では大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因です。歩く時に腰が左右に振れたり、階段の上り下りを嫌がったりします。

白内障

ものを見る時に焦点を合わせる役割をしている水晶体が白く濁って、視力が落ちてしまう病気です。加齢に伴って起こることが多いですが、遺伝や他の病気が原因で、若い子に起こる場合もあります。目が白く見えたり、ものにぶつかるようになるなどの症状がみられます。

成犬~

胃捻転

食べ物や液体でいっぱいになった胃が拡張し、ねじれてしまう病気です。原因ははっきりしていませんが、特に胸の縦幅が広い犬に起こりやすく、お腹が膨れる、吐き気、よだれ、元気消失、呼吸困難などの症状がみられます。食べすぎや食後の運動が原因となることがあります。

拡張型心筋症

心筋が薄くなり、心臓の収縮力が落ちることで、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる病気です。大型犬に多くみられ、遺伝や加齢によって起こります。初期は症状が出にくいですが、重症化すると呼吸困難や不整脈がみられることがあります。

白内障

ものを見る時に焦点を合わせる役割をしている水晶体が白く濁って、視力が落ちてしまう病気です。加齢に伴って起こることが多いですが、遺伝や他の病気が原因で、若い子に起こる場合もあります。目が白く見えたり、ものにぶつかるようになるなどの症状がみられます。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)