アイリッシュ・セター

アイリッシュ・セター

優雅で滑らかな毛質を持った、貴族的な容姿が特徴の鳥猟犬です。「セター」という名は、獲物を前にしてしゃがみこむ姿勢(セッティング)が由来となっています。同じセター種では、体格や毛質がよく似ているイングリッシュ・セターも知られている犬種の1つです。アイリッシュ・セター、イングリッシュ・セターともに、とても賢く愛情深い性格なので、今では家庭犬としても広く愛されています。ただし、とてもエネルギッシュな犬種なので、飼育の際には十分な運動をさせてあげられる環境が必要です。また、垂れ耳は蒸れやすいので、耳の状態には日ごろから気を付けてあげましょう。

  1. アイリッシュ・セターの特徴
  2. アイリッシュ・セターの飼育のポイント
  3. アイリッシュ・セターのかかりやすい病気・ケガ

アイリッシュ・セターの特徴

アイリッシュ・セターの歴史

アイリッシュ・セターの正確な起源は不明ですが、セター種の中では最も古い犬種の1つと考えられています。祖先犬にスパニエルやテリアをかけあわせる事で狩猟能力が高められ、ポインターやその他のセター種を交配することで美しいコートや優れた体型を手に入れたようです。交配されたセター種の中には、世界初のドッグショーに出場したイングリッシュ・セターもいたと考えられています。 獲物の居場所を伏せて知らせるという特性を活かし、15世紀頃に鳥猟犬として活躍しました。18世紀頃には広く世間に知られるようになり、その評判はイギリス全土に広まっていきました。

アイリッシュ・セターの容姿は?

アイリッシュ・セター
骨格は丈夫でがっしりしていますが、毛は柔らかく滑らかです。頭は細長く、マズルは先端が角ばっています。耳は低めに位置して垂れており、付け根の辺りにはきれいなひだがあります。目はアーモンド型で間がやや広く、色はブラウンです。首は長く、四肢は筋肉質です。四肢と腹部、胸、尾などには長い絹状の毛が生えており、優雅な雰囲気を作り出しています。
毛色はマホガニー・レッド(赤茶色)やチェスナット・レッド(栗色)で、ホワイトの斑点が入ることもあります。

イングリッシュ・セター
体格や毛質はアイリッシュ・セターと似ています。毛色はブラック&ホワイト、オレンジ&ホワイト、レバー&ホワイト、ホワイトなどがあり、全体的に斑点の模様があります。

アイリッシュ・セターの飼育のポイント

アイリッシュ・セター、イングリッシュ・セターともに、明るく人によく慣れる性格です。賢いので番犬としても頼りになり、子どもや他のペットにも優しくできる子が多いので、どんな家庭でも飼いやすい犬種といえます。ただし、猟犬としての素質も十分にあるので、動くものをとっさに追いかけて思わぬ事故などが起こることのないよう、子犬の頃からしっかり訓練しましょう。十分な運動量が確保されていないと、体力を持て余したり、ストレスがたまって落ち着きがなくなることもあるので、特にスピード感のある運動をさせてあげるといいですね。自慢の美しい毛並みを保つためにも、定期的にブラッシングをしてあげましょう。また、垂れ耳は風通しが悪く外耳炎になるリスクもあるので、お手入れの際には合わせてチェックする習慣をつけるといいですね。

アイリッシュ・セターのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

皮膚炎

細菌や真菌、ダニなどが皮膚に炎症を起こします。皮膚の弱い犬種だったり、免疫力の低下や外傷から皮膚のバリア機能が落ちてしまうと、炎症が起こりやすくなります。症状は湿疹、かゆみ、脱毛など様々です。

外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

股関節形成不全

股関節を形成している骨盤の骨と大腿骨がかみ合わなくなり、関節に炎症が起こって痛みが出ます。犬では大型犬に多く、遺伝や成長期に骨の発育がうまくいかないことが主な原因です。歩く時に腰が左右に振れたり、階段の上り下りを嫌がったりします。

成犬~

甲状腺機能低下症

何らかの原因で甲状腺の働きが悪くなり、そこから分泌されるチロキシン(サイロキシン)というホルモンが減ってしまう病気です。全身の代謝が悪くなり、元気がなくなってぼんやりしたり、脱毛や皮膚の色素沈着がみられます。

巨大食道症

食道の筋肉がうまく収縮できなくなって、食道全体が広がってしまう病気です。飲み込んだ食べものを胃まで運ぶことができずに、そのままもどしてしまう「吐出」という症状がみられます。吐出したものが肺に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。

胃捻転

食べ物や液体でいっぱいになった胃が拡張し、ねじれてしまう病気です。原因ははっきりしていませんが、特に胸の縦幅が広い犬に起こりやすく、お腹が膨れる、吐き気、よだれ、元気消失、呼吸困難などの症状がみられます。食べすぎや食後の運動が原因となることがあります。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)