【獣医師監修】犬の暑さ対策ガイド|熱中症にならないために
年々暑くなる夏の時期は、連日ニュースなどで「熱中症に注意」という言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか。
熱中症に注意すべきなのは、私たち人間だけではありません。
ワンちゃんも熱中症によって、動物病院に運び込まれています。
最悪の場合には後遺症が残り、命を落としてしまうこともあります。
ワンちゃんを熱中症から守るためにも、正しい知識を持ち、万全の対策をしてあげましょう。
1.体が熱い、よだれが出る場合は涼しい場所へ移動する
2.ぐったりする、嘔吐や下痢が出る場合は動物病院へ
3.暑い日は室内でも温度に注意する
今回は大事に至らなかったとしても、次も大丈夫とは限りません。この機会にペット保険を検討してみませんか?
アイペット損保のペット保険は
12歳11か月まで新規加入OK!
ニーズに合わせて2つの商品から選べる
犬は暑さに弱い生き物なの?
ワンちゃんの体は被毛に覆われており、特に長毛種やダブルコートのワンちゃんは、被毛により熱がこもりやすいです。
さらに、人間は全身から汗をかいて体温を下げることができますが、ワンちゃんの汗腺は足の裏など体のごく一部にしか存在しないため、発汗によって熱を逃がすことが苦手です。
ワンちゃんは、口を開けてハアハア呼吸をするパンティングによって唾液を蒸発させ、気化熱で体温を下げています。
パンティングだけでは、十分に体温を下げることは難しいので、やはりワンちゃんは人間に比べると暑さに弱いといえます。
特に注意したい犬
ブルドッグやパグなどのマズル(鼻から口先にかかる部分)が短い短頭種は、ほかの犬種に比べて呼吸に障害が出る子が多いです。
そのため、パンティングをしても体温が下がりにくく、呼吸困難に陥りやすいというリスクがあります。
また、シベリアン・ハスキーやサモエドといった寒い地域出身のワンちゃんも、暑さに弱い傾向があります。
犬種に関わらず体温調節が苦手な子犬や高齢犬、肥満症、心臓疾患や呼吸器疾患などの持病を持つワンちゃんは、熱中症のリスクが高くなります。
日常生活で犬の暑さ対策をするには?
エアコン
被毛に覆われているワンちゃんにとって、扇風機だけでは十分な対策になりません。
熱中症の発症には気温だけでなく湿度も関係してくるため、エアコンを使ってしっかり温度を下げながら、除湿も行いましょう。
扇風機
エアコンと併用し、涼しい空気を循環させましょう。
直接風が当たることを嫌がるワンちゃんもいるため、置き場所にも工夫が必要です。
散歩の時間帯
ワンちゃんは地面に近い位置にいるため、人間よりも体感温度がグッと高くなります。
夏のお散歩は、気温が比較的低い早朝や夕方以降をおすすめします。
特にアスファルトは肉球を火傷するほど熱くなるので、自分の手で地面を触って熱いと感じる時間帯は避けましょう。
また、保冷剤を入れられるハーネスや、UVカットや接触冷感の機能がある服を着せてあげることも良いですね。
水分補給
夏はお水も傷みやすくなるため、直射日光の当たらない場所に置き、こまめに新鮮なお水と取り替えましょう。
お留守番のときはお水が不足しないよう、水飲み場を増やしておくと安心です。
お散歩中やドッグランで遊ぶときなども、水分補給を忘れないようにしましょう。
サマーカット
サマーカットをする場合、気をつけるべきポイントがいくつかあります。
被毛は皮膚を守る役割も果たしているため、短くしすぎると紫外線などの刺激を受けやすくなります。
さらに、サマーカット後に毛が生えにくい、毛質が変わってしまうこともあるため、不安がある場合は動物病院やトリミングサロンに相談してみましょう。
カットが難しい場合はブラッシングをして、余分なアンダーコートを取り除いてあげるだけでも風通しが良くなります。
暑さ対策グッズ
ワンちゃんの暑さ対策にはたくさんのグッズが出ているので、上手に活用しましょう。
おうちで使うのにおすすめなのは、床に敷いて使うクールマットです。
ジェルタイプ、アルミタイプ、大理石タイプなど色々な種類があるので、生活スタイルやうちの子の好みにあわせて選びましょう。
犬に留守番をしてもらう際の暑さ対策
涼しい日も?エアコンはなるべくつけっぱなしで!
夏のお留守番は、特に熱中症のリスクが高まります。今日は涼しいから、ワンちゃんしかおうちにいないから、という油断は禁物です。
気温が低くても湿度が高い場合もありますし、お留守番中にワンちゃんが吠えて体温が上がってしまう場合もあります。
たとえ短時間でも、エアコンをつけて出かけましょう。
サークルやクレートの中でお留守番をしてもらう場合は、涼しい場所に遮光カーテンなどを使用して、直射日光が当たらないように工夫しましょう。
エアコンによる冷え過ぎにも注意!
体にエアコンの風がずっとあたっていては、体調を崩してしまう可能性があります。
風向きを調整する、サーキュレーターを使って冷たい空気を循環させるようにしましょう。
また、ベッドやタオルケットを置き、寒いと感じたら移動できる場所を用意してあげると、ワンちゃんも自分で快適だと思う場所で過ごすことができます。
お出かけ中の暑さ対策
お出かけや、旅行など普段と違う環境は、ワンちゃんにとって緊張や興奮しやすい状態になるため、体温が上がる可能性もあります。
熱中症は高体温と脱水の状態が長く続くほど危険なので、外で過ごす時間が長い場合は、接触冷感の服を着せる、こまめにお水を飲ませるように心がけましょう。
そして絶対にしてはいけないことが、ワンちゃんを車の中でお留守番させることです。
エアコンを切ると車の中は一瞬で車内の温度が上がるため、短い時間であっても大変危険です。
ワンちゃんを連れて外を歩く場合には、日陰や涼しい場所で適度に休憩をとり、保冷剤を包んだタオルで首元や内股を冷やしてあげましょう。
体がずっと熱い、いつもよりよだれが多い、ぐったりしているなどは熱中症のサインなので、見逃さないようにしてください。
犬の熱中症の症状とは
熱中症の症状は、段階によって変わってきます。
初期の場合
・体が熱くなる
・呼吸数や心拍数が増える
・目や口の粘膜が充血する
中期の場合
・よだれが増える
・元気がなくなってぐったりする
・嘔吐や下痢などの消化器症状
重篤化した場合
・力が入らなくなる
・意識がなくなる
・けいれんなどの発作が起こる
高体温や脱水が続き全身の細胞が障害を受けると、最終的には多臓器不全となり命を落としてしまうこともあります。
熱中症は、いかに初期の段階で治療を始められるかが大きなポイントです。
犬が熱中症になってしまったときの対処法
対処法-1
ワンちゃんを涼しい場所に移動させ、氷や保冷剤を包んだタオルなどで体を冷やします。
脇の下や首筋、後ろ足の付け根には太い血管が走っているので、この部分を冷やすと体温を効率良く下げることができます。
対処法-2
ワンちゃんの体に水をかけて冷やす場合、氷水などの冷たすぎる水をかけると、血管が収縮して体温が下がりにくくなってしまうため、常温の水を使いましょう。
水をかけた後にうちわや扇風機で風を当てると、さらに涼しくなります。
対処法-3
ワンちゃんがお水を飲める状態であれば、少しずつ水分補給を行いましょう。
ただし、横になったまま立ち上がれないときや、意識が朦朧としているときにお水を与えるのは危険です。
対処法-4
1~3の応急処置を行いながら、早めに動物病院に行きましょう。
事前に連絡を入れておくと、酸素室や点滴などの準備ができるのですぐに治療に取り掛かることができます。
応急処置をして元気になっても、見えないところで障害が起きている可能性もあるので、一度は動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
熱中症は予防を十分にした上で、いかに早い段階で症状に気付くことができるかが大事になります。
ワンちゃんのためにできる熱中症対策をしっかり見直し、夏を無事に乗り切りましょう!
ぺット医療は自由診療のため、飼い主さまの全額自己負担となります。万が一、治療が長引いたり手術が必要な場合、高額な診療費がかかってしまうケースは少なくありません。ペット保険は、飼い主さまの負担を軽減する役割を担っています。
大切な愛犬が元気なうちに準備しておくことが大切です。この機会にペット保険を検討してみませんか?
アイペット損保のペット保険は
12歳11か月まで新規加入OK!
ニーズに合わせて2つの商品から選べる