トイ・プードル

トイ・プードル

トイ・プードルは、フランスを代表する犬種で、長い間狩猟犬として活躍してきました。可愛い見た目や愛嬌で日本でも大人気です。
サイズは4種類あり、プードルの歴史は最も大きいスタンダード・プードルから始まったといわれています。
耳が垂れており、耳の中に毛が生えやすいので耳の病気には注意しましょう。

  1. トイ・プードルの特徴
  2. トイ・プードルにかかる飼育費
  3. トイ・プードルの飼育のポイント
  4. トイ・プードルのかかりやすい病気・ケガ

トイ・プードルの特徴

トイ・プードルの性格

明るく活発な性格です。
友好的なため、子どもの遊び相手や、ほかのペットとも仲良くできる子が多いです。
人の指示をよく聞き、賢いため、トレーニングもしやすいため、飼育しやすい犬種といえます。
その活発さと賢さゆえにいたずらをしてしまうこともあるので、食べられたくないものは届かない場所にしまう、入られたくない場所には柵をするなどの対策をして、事故を防ぎましょう。

トイ・プードルの容姿

ぬいぐるみのようなフワフワの巻き毛を持ち、適度な筋肉量がありバランスの良いスタイルです。
頭は丸みを帯びていて、マズルはやや長めです。耳は幅が広く、頭に沿って垂れています。目はアーモンド型で暗色です。

トイ・プードルの被毛・毛色

被毛はシングルコートで、緩やかなウェーブやふわふわの巻き毛が特徴です。
抜け毛は少ないですが、毛玉になりやすいため、定期的なトリミングに加え、こまめにブラッシングをしてあげましょう。
毛色は単色のアプリコット、ブラウン、クリーム、ブラック、ホワイト、グレーなどがあります。
生後は濃い色をしており、成長するにつれて薄くなります。毛色によっては一生涯変化し続けます。

トイ・プードルの歴史

プードルは古くからヨーロッパ大陸の各地に生息していたとされており、正確な原産国は明らかになっていません。
ドイツから入ってきた水猟が得意な犬が祖先だとする説や、ロシアが発祥だという説もあります。
フランスの上流階級で人気が集まり繁殖されていたことから、フランスを代表する犬種として認識されています。

トイ・プードルのサイズ

トイ・プードルは最も小さいサイズで、体高は23~28cm、体重は3kg程度です。
プードルは、スタンダード・プードル、ミディアム・プードル、ミニチュア・プードル、トイ・プードルと、サイズにより4種類に分類されます。
体高が高い順番に、スタンダード・プードル(45~60cm)ミディアム・プードル(35~45cm)ミニチュア・プードル(28~35cm)そしてトイ・プードルと続きます。

トイ・プードルの寿命

およそ14~16歳とされています。小型犬の中では長寿に属する犬種です。

トイ・プードルにかかる飼育費

初期費用

トイ・プードルをお迎えする際には生体にかかる費用のほか、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)

ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。

狂犬病の予防接種(3,500円前後)

ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。

混合ワクチン(5,000~8,000円前後)

感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数によって費用は変わります。

これらに加え、最初に用意するべきサークルやトイレ、食器、日用品などのグッズの費用が必要になります。

飼育費用

飼育に毎月かかる費用としては、食費、シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

食費(3,000~5,000円前後)

市販の犬主食用ドッグフードを与えた場合の目安となります。

日用品や生活用品(2,000~3,000円前後)

シャンプー、ペットシーツやトイレシートなどの日用品費や衛生用品などがあります。

トリミング等(4,000~8,000円前後)

トイ・プードルは毛玉ができやすい犬種なので、定期的な被毛ケアも予定に入れておくとよいでしょう。

医療費

一般社団法人ペットフード協会の令和4年 全国犬猫飼育実態調査によると、医療費を含む小型犬の毎月の平均支出金額は1万3,422円です。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要とされています。

知っておきたい、ペットの医療事情

ペットには、公的医療保険制度がなく、診療費は全額自己負担となります。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので、体調の変化に気付くことが大切です。

トイ・プードルの飼育のポイント

お留守番のしつけ

トイ・プードルは、甘えん坊で人のそばにいたい傾向があるため、飼い主さまと離れることができない、離れると不安になって鳴いてしまうなどの分離不安の傾向が見られます。
はじめは、ハウスやサークルの中で、コングなどの壊れにくく大好きな食べ物を入れられるグッズを使い、一頭で遊ぶ時間が楽しいことを教えてあげましょう。

睡眠時間はたっぷりと

特に子犬のうちは体力が十分ではないため、1日に18時間以上の睡眠が必要であるともいわれています。
成犬の睡眠時間は平均12時間ほどですが、高齢犬になるとさらに長い時間眠ります。
まずは、ぐっすり眠れる環境を整えてあげることが重要です。
薄暗くて狭い場所を好む傾向があるため、クレートやケージで寝ている場合はタオルをかぶせて光を遮ってあげましょう。
お気に入りの毛布やぬいぐるみ、飼い主さんのにおいのついた洋服などを敷いてあげるのも効果的です。
ほかにも、トイレの場所から離れている、人が頻繁に通らない、寒すぎたり暑すぎたりしない、外の音やテレビの音があまり聞こえない場所がポイントです。

室内は滑りにくい床を

トイ・プードルが特に気をつけたい病気は、膝蓋⾻脱⾅や骨折などのトラブルです。
室内はできるかぎり大きな段差をなくし、フローリングの床にはカーペットやマットを敷くとよいでしょう。
また、冬の寒さには強い傾向にありますが、夏の暑さには弱いので、室内の温度管理をきちんとしてあげる必要があります。

定期的なブラッシング

週2回程度のブラッシングを欠かさないようにし、毛玉を防ぎましょう。皮膚病の予防にもつながります。
被毛は伸びるため、トリミングが必要です。
目の周りや足先の毛が伸びすぎると目の中に入ったり、肉球の滑り止め機能を阻害したりすることがあるのでこまめにカットしましよう。
カットのスタイルは、テディベアカット、ミツバチカット、アフロカット、コンチネンタルクリップなど豊富にあるので、色々なカットを試せるのもトイ・プードルの魅力の一つです。

適度な運動

運動能力が高く体力も豊富であるため、毎日朝夕15分程度、お散歩しましょう。
お散歩は運動だけではなく、外のにおいをかいで情報収集をし、ほかのワンちゃんとのコミュニケーションを学べる良い機会になるので、積極的に色々なコースを歩きましょう。

歯と目のケアはこまめに

トイ・プードルは鼻涙管という涙の通り道が詰まりやすく、あふれた涙によって目元の毛が赤茶色に変色してしまう「涙やけ」を起こしやすい犬種です。
涙や目ヤニが出ていたら、ぬるま湯で湿らせたコットンなどでこまめに拭き取ってあげましょう。
また、ワンちゃんは虫歯にはなりにくいですが、歯周病になってしまう子がとても多いです。
ワンちゃんの歯垢は2~3日で歯石になってしまうので、子犬の頃から毎日歯磨きをする習慣をつけておけると良いですね。

フードの選び方

主食は栄養バランスのとれた総合栄養食を与えましょう。
1日の食事量を決め、飼い主さまがコントロールすることが大切です。
子犬の頃は、栄養価の高いパピーフードを4~5時間に1回、生後10か月を過ぎたら、1日2回程度が目安です。

トイ・プードルのかかりやすい病気・ケガ

若齢~成犬

膝蓋骨脱臼(パテラ)

大腿骨の溝にはまっている膝蓋骨という膝の骨が、内側や外側に外れてしまった状態です。特に小型犬では、生まれつき溝が浅かったり、膝蓋骨を支える靭帯の力が弱くて発生することが多いです。膝を曲げ伸ばしする時に痛みが出て、歩きづらくなることもあります。

流涙症

涙の量が増えたり、たまった涙がうまく排出されなくなることで、涙があふれてしまう病気です。目の周りが常に濡れていたり、毛が茶色く変色する「涙やけ」と呼ばれる状態になっていたら、流涙症が疑われます。

外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

骨折

段差や抱っこからの落下による前足の「橈尺骨(とうしゃっこつ)」の骨折が多く、猫では扉や窓に挟まれる事故の例が多くみられます。

成犬~

白内障

ものを見る時に焦点を合わせる役割をしている水晶体が白く濁って、視力が落ちてしまう病気です。加齢に伴って起こることが多いですが、遺伝や他の病気が原因で、若い子に起こる場合もあります。目が白く見えたり、ものにぶつかるようになるなどの症状がみられます。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎皮質からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることで起こります。副腎に指示を送る脳の下垂体が腫瘍化して、ホルモンの分泌量が調節できなくなることが主な原因です。お水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、食欲が増す、お腹が膨れる、毛が抜けるなどの症状がみられます。

てんかん

けいれんや意識障害を起こす発作が、繰り返し起こる病気です。発作は脳からの異常な指令によって起こりますが、脳に明らかな病変が認められる場合と、認められない場合があります。発作の程度も様々で、一点を見つめる、落ち着きがなくなる、全身がこわばりがくがくと震える、意識がなくなるなどの症状がみられます。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)