ミニチュア・ダックスフンド

ミニチュア・ダックスフンド

長い胴と短い足で、地面近くをちょこちょこと駆け回る姿はなんとも可愛らしく、日本でも大変人気のある犬種です。ダックス(Dachs)とはドイツ語で「アナグマ」という意味で、獲物を巣穴から狩り出し、出てきた獲物の追跡を行う狩猟犬として活躍してきました。お利口で人を和ませてくれる陽気な性格から家庭犬としても優秀です。脊椎の病気や目の病気になる傾向があるため、普段から注意してあげましょう。

  1. ミニチュア・ダックスフンドの特徴
  2. ミニチュア・ダックスフンドをお迎えする方法
  3. ミニチュア・ダックスフンドの飼育のポイント
  4. ミニチュア・ダックスフンドのかかりやすい病気・ケガ

ミニチュア・ダックスフンドの特徴

ミニチュア・ダックスフンドの歴史

胴長短足の犬が古代エジプトの寺院の壁画に描かれていたこと、また、ドイツの古代ローマ人の居住地跡から化石が発掘されたことから、ダックスフンドに近い犬は非常に古い時代からいたと考えられています。中世には地下での狩猟に適した犬として、短足の犬が繁殖されており、ダッケルまたはテッケルとも呼ばれていました。
ダックスフンドはこれらの短足の犬から作出され、幅広く活躍する有能な狩猟犬として認められていきました。ヨーロッパ諸国では今も狩猟犬として活躍していますが、家庭犬としても広く愛好されています。

ダックスフンドは毛質と大きさに分けて9種類に分けられています。大きさはスタンダード、ミニチュア、カニーンヘンの3種類に分けられており、アナグマなどを狩るためのスタンダードサイズから、イタチやテンなどの小獣を狩るためにミニチュアサイズ、ウサギ狩り用にさらに小さなカニーンヘンサイズが生み出されました。
毛質はスムース(硬くて短い毛が密生)、ロング(柔らかくて長い、光沢感のあるウェーブ)、ワイヤーヘア(密生した短く粗い剛毛)の異なる3種類に分けられます。

ミニチュア・ダックスフンドの容姿は?

一番の特徴は、足が短く、胴体が長いことです。20世紀初頭、アメリカの漫画家がソーセージの代わりにダックスフンドがパンに挟まれている漫画を描き、「ソーセージ・ドッグ」というニックネームがついたというエピソードもあるほど、犬種の中で一番胴が長いとされています。体は筋肉質で引き締まっています。頭部はくさび型で、耳は長く、垂れ下がっています。毛色は非常に多様で、単色の場合はブラック、レッド、ゴールド、クリームなどで、2色以上になることもあります。

ミニチュア・ダックスフンドをお迎えする方法

ペットショップでミニチュア・ダックスフンドを探す

ペットショップからミニチュア・ダックスフンドをお迎えするメリットは、自分の好みの色や体格のミニチュア・ダックスフンドが見つけやすいということです。ミニチュア・ダックスフンドの毛質にはスムース、ロング、ワイヤーヘアがあり、毛色もブラック、レッド、ゴールド、クリーム、タンなどさまざまです。また、ミニチュアとはいえ体格にはかなり個体差があるので、好みの子を探してみてください。

ブリーダーからミニチュア・ダックスフンドを紹介してもらう

ブリーダーからミニチュア・ダックスフンドをお迎えするメリットは、血統がハッキリしているため、ある程度性格が予想できるということです。ミニチュア・ダックスフンドはとてもフレンドリーな性格ですが自立心も強く、甘やかしすぎてしまうとやや頑固な一面が出てしまうこともあるため、トレーニングしやすい子を紹介してもらうと良いかもしれません。

ミニチュア・ダックスフンドの里親になる

保護犬の中には、元の飼い主さんと別れてしまったり、人の愛情を注いでもらえないまま育ったりと、さまざまな事情を抱えている子がいます。ミニチュア・ダックスフンドは元々温和な犬種ですが、新しい飼い主さんとの生活に慣れるまでには、ある程度時間がかかるかもしれません。里親になる方は、その子がそれまで過ごしてきた時間や気持ちに寄り添い、ゆっくり信頼関係をを築きましょう。

ミニチュア・ダックスフンドをお迎えするときの費用相場は?

ミニチュア・ダックスフンドをお迎えする際には、生体にかかる費用の他に、以下のような費用がかかります。

畜犬登録(3,000円前後)
ワンちゃんをお迎えしたら、お住いの市区町村に登録をする必要があります。
狂犬病の予防接種(3,500円前後)
ワンちゃんには年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。
混合ワクチン(5,000~8,000円前後)
感染症を予防するための注射で、予防できる病気の数により費用が異なります。

これらに、最初に用意するべきサークルやクレート、トイレ、食器、日用品などのグッズをあわせると、初期費用としてはワンちゃんの生体価格+50,000~60,000円ほどが目安になります。

ミニチュア・ダックスフンドをお迎えする方法には、それぞれにメリットがあるので、自分がワンちゃんをお迎えする際に何を重視したいのかを検討しましょう。ワンちゃんとの出会いは一期一会ですので、どこでお迎えするにしても、「この子を一生大切にしたい!」と思える子を選んでいただくのが一番かと思います。

ミニチュア・ダックスフンドの飼育のポイント

とても明るく温和な性格で、落ち着きもあり、辛抱強くもあります。被毛のお手入れは毛の長さによって異なり、短毛は定期的に軽くぬらした布で全身をマッサージするように拭いてあげます。長毛は毎日ブラッシングをしてあげましょう。トリミングのプロにお手入れを任せるのも一案です。運動する際はなるべく段差を避けて背中の負担を軽減してあげましょう。室内で遊ぶときも部屋から段差は無くし、床も滑らないようにカーペットを敷くなど対策して、安全に遊ばせてあげましょう。

ミニチュア・ダックスフンドのかかりやすい病気・ケガ

子犬~成犬

膝蓋骨脱臼(パテラ)

大腿骨の溝にはまっている膝蓋骨という膝の骨が、内側や外側に外れてしまった状態です。特に小型犬では、生まれつき溝が浅かったり、膝蓋骨を支える靭帯の力が弱くて発生することが多いです。膝を曲げ伸ばしする時に痛みが出て、歩きづらくなることもあります。

外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳に炎症が起こります。原因は細菌、真菌、寄生虫、アレルギーなど様々で、耳が垂れている子や耳が蒸れやすい夏場に多くみられます。耳をかゆがったり、頭を振ったり、においが出てきたりします。

成犬~

白内障

ものを見る時に焦点を合わせる役割をしている水晶体が白く濁って、視力が落ちてしまう病気です。加齢に伴って起こることが多いですが、遺伝や他の病気が原因で、若い子に起こる場合もあります。目が白く見えたり、ものにぶつかるようになるなどの症状がみられます。

進行性網膜萎縮

光を感じ取る網膜という部分が萎縮して、徐々に視力が落ちていく遺伝性の病気です。初めは暗い場所での視力の低下が起こり、進行のスピードは様々ですが、最終的には失明に至ります。

乳腺腫瘍

犬には左右5対の乳腺があり、その一部が腫瘍化する病気です。発生には性ホルモンが関係し、犬では半分が良性、半分が悪性であるとされています。乳腺の組織はお腹全体にあるので、しこりが複数の場所にできることもあります。

椎間板ヘルニア

背骨と背骨の間にある椎間板という部分が、変形して飛び出してしまう病気です。変形した椎間板は背骨の中を通っている神経を圧迫し、痛みや麻痺を引き起こします。抱いた時に痛くて声をあげたり、後ろ足に麻痺がみられることが多いです。
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[参考文献]
TICA(The International Cat Association)
CFA(The Cat Fanciers' Association)